本日は七夕。ということで、織姫=ベガ(Vega)の属する星座・こと座(Lyra)の名を持つ書体を紹介。そのものズバリ Vega という書体もあったが、サンプルイメージがなかったので却下(笑)。ルネサンス期のスタイルのカリグラフィックイタリック。名前とは裏腹に、黒々として太く、字形は統率が取れてるとは言えず荒々しい。セリフも尖っていて鋭い。スワッシュオルタネートはほとんどないが、ラインのみのフローリッシュと、Stars というカリグラフィーペンで書いた様々なスタイルの星(というより渦巻き文様)がファミリーにある。
ちなみに七夕は、晩夏というか初秋というか、その頃の夜空を愛でるのが目的なので、新暦とは季節が合わない。だいたい本土は梅雨だしね。旧暦だとあと1ヶ月ぐらい後なので、そっちでやるようにした方がちゃんと季節と合っていて良い。有名な仙台の七夕まつりは、ちゃんとそのようにしている。
Archive: 2016
正円にこだわった(?)ジオメトリックサンセリフ。ジオメトリックサンセリフは数あれど、ここまで正円が強調されたものは他にあるまい。というぐらい、どこもかしこも丸っこい。ボウルはとにかく正円で、P や m などの曲線部分も正円を半分にぶった切ったような形をしている。字形はオルタネートが豊富で、A や V、W などは右に傾いたものがあったり、リガチャーも Avant Garde ほどとは言わないが、それに肉薄するほどに様々なバリエーションが揃っている。イタリックはオブリークタイプ。9ウェイト。
本屋をウロウロしてて偶然見つけた本。今まで紹介した本とは毛色が違い、インテリアにいかに欧文書体を取り入れるかという事について書かれた本で、いわゆるタイポグラフィの本ではないが、ちょっとおもしろかったので紹介する。手書きで黒板や窓ガラスに書いたり、東急ハンズなどに売っているアルファベットのオブジェ等を使い部屋や店を飾る方法を紹介している。そのようなインテリアの店舗をいくつか紹介している他、実践編として、この道で活躍されている MAHOTIM さんによるレクチャーが掲載されている。どの店もかわいらしいし、レタリングもタイプデザインのように厳しいものではなく、むしろちょっとつたない方が可愛らしさが出たりするので、気軽に始められると思う。この本ではこれらを「タイポ」と呼んでいるが、英語で「typo」は「タイプミス・誤植」を表すスラングだよとは突っ込まない方がオトナだろう(笑)。『デザイン』ではなく『建築・インテリア』のコーナーに置かれている事が多いと思うので、本屋で探す際はご注意を。
本日はアメリカの独立記念日。とゆーことで、その独立宣言書から起こしたというスクリプトを紹介する。あれって Caslon で組まれてるんじゃないのー? と思って調べたら、どうも手書きの草稿?があるらしい(そりゃそうか)。そこから書体を起こしている模様。インクの滲みやかすれもそのまま再現されており、オルタネートも結構ある他、なぜかブラックレターも追加されている。Signers というファミリーには、この宣誓書に署名した人たちのサインが入っている。Pro 版はこれらのグリフが全部入っているので、Illustrator がある人は Pro を購入すればいいだろう。そういえば『インデペンデンス・デイ』の続編が公開されるらしいね。随分時間経ってるよなぁ…結構好きだったので観よっかな。
今日から7月、夏本番間近という事で涼し気な書体を紹介。ジオメトリックをベースにしながら、所々幾何学のルールから外れたストロークを持ったサンセリフ。19世紀から20世紀前半にかけてにドイツにあった、Schelter & Giesecke というファウンダリーの書体をリバイバルしたものだそうである。Kabel と似た雰囲気を持った、ドイツらしい書体である。x-ハイトは小さく、字幅も狭めでエレガント。Regular のウェイトは通常で言う Light に近く、軽く涼し気である。2ウェイトでイタリックもなくファミリーが少ないが、キリル文字をサポートしている。ただいま20%オフセール中。
ジューン・ブライド特集の締めはこちら、非常に繊細で優雅なスペンサリアンカッパープレート。19世紀後半にアメリカで活躍したカリグラファー、Charles Paxton Zaner の筆致を再現したものらしい。One から Four のファミリーがあって、それぞれに違う字形を持っている。なーんでオルタネートで1つにまとめなかったのかは不明(笑)。ちなみに他者が著した Zaner の筆跡の教科書、Script in the Copperplate Style がiPad 用の電子書籍でフリーで配布されている他、こちらのWebサイトでも公開されている。興味のある方はご覧頂きたい。これで招待状を組んでも正直読めなかったりするかもしれないが(笑)、こんな美しい書体もなかなかない。トライしてみてはいかがだろうか。
太めのDidoneなディスプレイ。ブラケットはあるがコントラストの強いアップライトのモダンローマンで、オルタネートにリボンのようなスワッシュが付いた字形が多数ある。Headline とあるからには Regular やなんかがあるかと思いきや1ウェイトしかなく、イタリックもないが、結構華やかな文字組みが楽しめるだろう。こんなんもウェディングにどうぞ。ちなみに作者はタイ人らしい。
細身のカジュアルなカリグラフィックスクリプト。イタリックがベースになっていると思うが、傾きは弱く、そんなにスクリプトスクリプトしていないスクリプト(?)である。雰囲気的にはごくカジュアルで、堅苦しくなく気軽に使えるだろう。オルタネートも割と豊富だが、1ウェイトしかない。普通に購入可能だが、実は今、Monotype が The Foundation Collection というフォントパッケージセールを行っており、この中にこの書体も入っている。色々入って$99という福袋、あと1日か2日の期間限定なのでお急ぎを。
手書きのラフなミクスドファミリー。基本はカッパープレートっぽいのが1種とブラッシュが1種、コンデンスなモダンローマンが1種あり、カッパープレートの方にはアウトラインがあって、それの塗りつぶしのパターンが多数ある。文字通りカメレオンのようにいろんな表情が楽しめる。オーナメントやバナー類も充実している。こんなカジュアルな招待状もなかなか良かろう。もうちょっとで今年も上半期が終わる。いやー怒涛の半年だったよね…疲れた。
かわいらしいモノラインディスプレイ。イタリックの風味が多分にあり、サンセリフとスクリプトの中間のようなテイストで、くるくるとカールしたラインが特徴的。スワッシュオルタネートやフローリッシュがちょろっと付いている。ちょっと子供っぽいが、カッパープレートのオトナエレガントな風味があまり好きじゃないという花嫁にいかがだろうか。説明文には「カップケーキショップや結婚招待状、フランスやイタリアへの食べ歩きツアーなどに」とある。なんか限定的(笑)。1ウェイトのみ。