エレガントなディスプレイローマン。コントラストの強いモダンローマンベースに、繊細なスワッシュオルタネートが付いた品のいい書体である。グリフはややコンデンス気味ながらカウンターが大きくゆったりしている。作者はモロッコ人だそうで、そう言われるとマラケシュのスークのアーチを思わせるグリフである(行ったことはないけど)。見ての通りスワッシュオルタネートとリガチャーが豊富にあって、文字組みのバリエーションが楽しめる。アップライトは2ウェイト、イタリックは1ウェイト。
Archive: 2021
柔らかくフェミニンなフレアセリフディスプレイ。ハイコントラストなモダンタイプで、グリフはゆったりしていて一部のベースライン上のセリフが尻尾のようにふにょっとなっており、大変エレガントに仕上がっている。B や P、R などのボウルは閉じておらずヌケが良い。そのまま組んで化粧品やトイレタリーのロゴになりそうな書体である。1ウェイト。
ヒューマニスト風味を加味したエレガントなジオメトリックサンセリフ。最近のものにしてはかなりxハイトが小さく、そのためクラシカルな雰囲気がある。加えて a や g はデフォルトで2階建て(オルタネートに1階建てはある)で、字間もやや広めで全体的になんかオシャレ感がある。字種も豊富でキリル文字もサポート。イタリックもあって8ウェイト。
近代的で割と真面目なブラックレター。スタイルとしてはだいぶ時代が下った18~19世紀ぐらいのもので、スワッシュオルタネートが豊富にある。画像のように細いものから太めのものまで様々で、総グリフ数は760ほど。カリグラフィーをやっている者にはお馴染みの書体だが、フォントとしては最近じゃあまり需要もなく、新しく作られる事も少ない。なのに作った事は評価したい。元々2,000円弱だがただいま30%オフセール中。日本ではヘビメタやゴスロリのイメージが付いてしまっているが、欧米ではクリスマス向けによく使われる書体なので、今のうちに買っておくと良いだろう。
エレガントながら大変変わったグリフのディスプレイ。モダンローマンからセリフを落としたようなハイコントラストのサンセリフをベースに、一部のストロークがくにゃっと変形したおもしろい書体である。このテは派手なリガチャーが多数あるものだが、これには少しある程度でそんなに大暴れはしていない。代わりと言ってはなんだが、めずらしくファミリー展開しており、イタリックがあって7ウェイトもある。ただいま60%オフセール中。
クラシカルな正統派オールドスタイルローマン。ニューヨークの地下鉄にあった20世紀初頭の古い書体にインスパイアされたとある。コントラストが若干弱めでセリフも少し角が丸く、xハイトが小さい。小文字は Bookman や Chelthenham、Della Robbia などの古いソフトセリフを参考にしたとある。最近じゃ珍しいクラシカルなタイプである。この雰囲気によく似合うボーダーオーナメントもファミリーにあり。イタリックもあって7ウェイト。ただいま50%オフセール中。
大変繊細なディスプレイローマン。非常に細いウェイトでかなりゆったり目のグリフをしており、xハイトも非常に大きく、アセンダーはキャップハイトとほぼ同じである。最近流行りの変型リガチャーなどはなく、大変シンプルで潔い。綺麗だがあまりに細いため、小さく使うものには向いてない。イタリックはあるがオブリークタイプ。1ウェイト。
本日はフランスの建築家、ル・コルビュジエ Le Corbusier の誕生日(1887)。というわけで「建築家」という名の書体を紹介。これぞまごうかたなきジオメトリックスラブセリフ。曲線を廃して直線のみで構成されており、駆け出しのグラフィックデザイナーが Illustrator で作りそうな(笑)、どこまでも角張った潔い書体である。こういうのは割と破綻しやすく読みづらくなるのが常だが、これは結構読みやすい。他にも多数書体を作っている作者の技量に依るものだろう。1ウェイト。
なんだかミスマッチなフォントデュオ。レトロで形のあまり定まっていないサンセリフと、非常にダイナミックで柔らかい印象のモノラインスクリプトというあまり似合ってない妙な組み合わせである。サンセリフの方は大文字に幅広でスワッシュっぽくなったオルタネートがあり、上に持ち上がった母音の小文字と組み合わせる事が可能(画像の Lo)。スクリプトは小文字にのみオルタネートがあり。サンセリフは3ウェイト、スクリプトは1ウェイトのみ。
本日は画家ジャン=フランソワ・ミレー Jean-François Millet の誕生日(1814)。ミレーといえば『落ち穂拾い』、といえば小麦、といえばパン、ということでこちら(強引)。レトロで柔らかい雰囲気のあるセリフディスプレイ。太めでカーブの多めなグリフで、セリフが片側にだけ付いてたりしてちょっと変わってる。ソフトセリフっぽい雰囲気があるだろうか。レイヤードになっており、外側の影の Shadow、内側の影の Inner Shadow、ステム内部のハイライト飾りの Style の3種があり、色を変えて重ねて打つ事で文字に装飾を施せるようになっている。ロゴのテンプレート画像も付属。
ちなみに筆者は最近 Amazon プライムで『ブリティッシュ・ベイクオフ』という番組を見るのにハマってる。全英からアマチュアベイカーを集め、パンやケーキの課題を数週に渡ってこなしチャンピオンを決めるという番組で、もうシーズン7まであるらしい。最近シーズン1を観終わったばかり。まだ先は長い。