またスクリプトとローマンのコンバイン書体を紹介する。こちらは珍しく小文字があるが、代わりにスクリプトは全文字に用意されていないようで、一部だけとなっている。ローマンはやや無骨で男性的なのもちょっと珍しく、ローマンのオルタネートもある。リガチャーも多く用意されているが、基本的にローマンのみ。というわけでスクリプトはホントにアクセント程度となっているが、うまく使いこなして欲しい。イタリックと2スタイルあってそれぞれ1ウェイトのみ。
Archive: March 2024
本日はかのアルベルト・アインシュタイン Albert Einstein の誕生日(1879)という訳でこちら。カジュアルでゆったりしたシグネチャースクリプト。以前紹介したアインシュタインの筆致をフォント化したものとは違い、名前が Einstein というだけでかのアインシュタインとは何の関係もない模様(笑)。モノラインでかなり緩めに書かれていてグリフが安定していないが、全体的に優雅で魅力的な書体に仕上がっている。総グリフは確認できないが、リガチャーが結構ある模様。1ウェイトのみ。しかし 3.14 という日に生まれたのも何か流石だなという気がする(笑)。ちなみに ein-stein とは「とある石」「ひとつの石」とかいう意味。日本だと「一石」とかいう名字になるんだろうか。
ヴィンテージ風味あふれるセリフドゴシック。ほぼモノラインの無骨なグリフの本体に、小さなウェッジセリフがちょこっと付いている魅力的な書体である。全体的にラテンアメリカの雰囲気があり、作者はイタリア人とスペイン人のコンビのようだが、筆者には中南米の香りが感じられる。酒類やスナックのパッケージにありそう。6ウェイトあってかなり細いものもあるが、やっぱり太く使ってなんぼの書体だろう。字幅も4種類あって計24種。ただいま50%オフセール中。
本日『財布の日』だそうなのでこちら。大変カジュアルなハンドライテン。大文字のみのコンデンスな書体で、テキトーにラフに書いたような筆致が特徴。いっちょ前に(笑)ちょっとしたスワッシュの付いたオルタネートや、同じ文字が2つ続いたリガチャー?も結構ある。ストロークにフェルトマーカーで書いたような Felt と、チョークで書いたようにかすれてる Chalk がある。Felt のみ2ウェイト。
またまた出ました、カッパープレートスクリプトとローマンのコンバイン書体。ローマンのグリフはコンデンスになっており、グリフ全体は確認できないが、リガチャーが多くある模様。スクリプトの方はサイズがほぼローマンと揃っており、スワッシュオルタネートの確認はできない。ないのかな? その代わりと言ってはなんだがウェイトバリエーションがあって、5ウェイトある他、バリアブルタイプもあるようだ。説明文には “Hybrid” とあり、そっちのカテゴリー名でもよかったかなとちょっと後悔…(笑)。まあでも hybrid や fusion には溶け合ってるニュアンスがあるので、combined でいいかなと思う。
本日は国際女性デーという事でイメージが黄色かったこちら(笑)。シックで繊細なディスプレイローマン。ヘアラインがかなり細く、大きく使うことが必須な書体で、最近流行りの変形系かと思いきや、g 以外は至ってスタンダードなグリフに近い。小文字はあるもののサイズが大文字と同じで、実質ユニケースのようになっている。おもしろいリガチャーが40種ほど。1ウェイトのみ。
ヴィンテージ風味がありながらも、ゴチャゴチャせずスッキリとしたレトロモダンなディスプレイ。ややコントラストの強いオールドスタイルローマンのステムに細いインラインが入っており、輝いているかのような印象を受ける書体である。控えめなスワッシュの付いたオルタネートがあり、文字組みにアクセントを付けることが可能。ノーマルタイプと、細い影の付いた Shadow の2種がある。小文字はなくスモールキャップス。1ウェイトのみ。
最近流行りのカッパープレートスクリプトとローマンのコンバイン書体。繊細なライトウェイトのローマンと優雅なカッパープレートスクリプトが一体となった書体で、通常の大文字のグリフにスクリプト、小文字のグリフにローマン大文字が割り当てられている。もちろんオルタネートがあり、両タイプともスワッシュがある他、作例の WO のようにローマンには変形グリフもある。リガチャーもあり、ローマン同士のものとスクリプト+ローマンがあってバリエーション豊か。大文字のみで1ウェイト。
あともう考えるのがめんどくさくなったので(笑)、本ブログではこのテの書体は “combined” とタグ付けしようと思う。どうぞよろしく。
本日は安藤百福の誕生日(1910)だそうなので、名前がラーメンぽい(笑)こちら。変わったオルタネートを多数持つジオメトリックサンセリフ。基本はやや幅広ながらスタンダードな印象のジオメトリックだが、オルタネートが変わっており、なんかちょっとヘタクソというかおもしろいグリフが揃っている。リガチャーもやはり風変わりなものが多い。大きく使って主張すると個性が出るだろう。字幅が5種あり、それぞれにイタリックとウェイトが7種で計70種とビッグファミリー。バリアブルタイプもある。ただいま40%オフセール中。
カナダのグラフィックデザイナー、ジェシカ・ヒシュ Jessica Hische 氏によるレタリングデザインの教科書『In Progress』の邦訳版。原書の出版が2015年なので、実に9年の歳月を経ての日本語化である。ヒシュ氏はかなりのレタリング(作字)の達人で、ややレトロでチャーミングなレタリングの制作過程を、スケッチからフィニッシュまで事細かに解説してくれている。眺めているだけで本当に勉強になるので、興味のある方にはぜひオススメしたい。以前に紹介した『レタリングマニュアル』と『ハンド・レタリングの教科書』と3冊揃えば最強である。すべてを翻訳してくれた井原氏にはまったく頭が上がらない(笑)。ありがとうございました。面識ないけど。