「おもしろい」書体を見つけたので紹介する。サインペンでひょひょっと書いたようなハンドライティング。おもしろいのがこんな感じでありながらモノスペースになっており、一応大文字と小文字とではサイズが違うが、仮想ボディは同じに揃えているようである。Regular のほか、アウトラインがラフな Rough、さらにラフな Rougher、カクカクと角張った Pointed の4種のスタイルがある。字種はローマ数字やギリシャ文字、キリル文字のほか、なんとひらがなとカタカナもサポートしている。作者はニューヨーク在住のようだが、Thoma は当麻か當間だったりするのかな…。いやー、おもしろい。
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昨日届いたスパムの中にトロイの木馬が検出されたことを記念して(?)こちらを紹介。碑文系のローマンディスプレイ。やや硬い印象のいい意味で古めかしい堂々としたローマンで、いくつかオルタネートがあり、O のインターポイントや折れ曲がった A のバーなどが往時の雰囲気を醸し出していて筆者の大好物である。Q/V/W にはちょっとしたスワッシュあり。E のバーが2本あるオルタネートが変わってる。あとリガチャーがちょっと。サンセリフ版の Troy Sans も発表されている。小文字はなくスモールキャップス。1ウェイト。ちなみにトロイの木馬はちゃんと削除されましたので、このページを見ても特に害はないという事を伝えておく(笑)。
スイススタイルのタイポグラフィを世に広めた名著。本書は1967年にドイツ語・英語・フランス語併記で出版され、以来ずっと金字塔的な扱いをされている本である。それが出版から半世紀の時を経て、やっと和訳された。筆者は原書を持っているが、英語に不慣れで当然ながらちっとも読んでない(笑)ので、何がどう名著なのかはよく知らない。ちなみに原書は紙の取り都合のせいかどうか知らないが、一時期長方形で出版されていた時期もあった。今は出版当初の通り正方形になっており、日本語版もそうなっていて嬉しい(なんのこっちゃ)。なかなか値の張る本だが、タイポグラファを志すなら一読しておいた方がいいと思う。
ちなみに監修者のヘルムート・シュミット Helmut Schmid さんはポカリスエットなどのロゴをデザインした日本在住のデザイナーであったが、この本の完成を待たずに昨年急逝された。ご冥福をお祈りいたします。
2012年に出版された The Anatomy of Type: A Graphic Guide to 100 Typefaces の日本語版。著者が選んだ主要な100書体について15のカテゴリーに分類し、詳細に図解した本である。書体の中から特徴的な文字をピックアップして超拡大し、そのポイントポイントを解説している。男の子は昔懐かしい「かいじゅうずかん」などを思い浮かべていだければいいだろう。書体の由来や効果的な使い方、似ている書体などなども。初心者にはもちろん、日頃使い慣れている人も、今一度見直してみると新たな発見があるだろう。オススメ。
コントラストの強いエレガントなディスプレイ。直線的なやや太めのステムとほぼヘアラインに近い細いステムに、小さなセリフがちょこっと付いたやや変わったスタイルの書体で、ラグジュアリーな雰囲気がある。g と q のループが特徴的。オルタネートはなく字種も平凡だがその分かなり安く、st のリガチャーがある所が結構気が利いている。名前はヘーゼルかと思いきやスペルがちょっと違う(hazel)。ファッションやワインなどのファッショナブルな雰囲気が要求される場面に。2ウェイト。
ホリデーシーズン向けのラフな書体とイラストアイコン集。どちらかというとイラストメインのファミリーで、11あるフォントの内7つがイラストアイコンである。家、インテリア、動物、鳥、農家、湖畔レジャー等々を表したイラストが豊富に揃っている。書体の方はかなりラフで正直デキはよくない(笑)。ただまぁそれも組み方次第かなと思う。何より驚くべきはその価格で、1書体につきたったの6円(本日現在。ドルのレートで変動あり)。ファミリーパックはないのだが、全部買ってもたったの66円である。これ以上気楽なフォントもないだろう。買っておけば何かに使えると思う。
本日は没後50年を経てもなおロック最高のギタリストと称されるジミヘンことジミ・ヘンドリックス Jimi Hendrix の誕生日(1942)。というワケで名前だけ同じなこちらの書体。ややネオグロテスク寄りな読みやすいジオメトリックサンセリフ。基本は幾何学的ながら文字としてのグリフの調整がなされており、より実用的になっている。a や g には1階建てと2階建てがあり、y もストレートなものとフックしたものがある。イタリックはオブリークタイプ。スモールキャップスやオールドスタイル数字がないのがちょっと残念。8ウェイト。
本日は『ペンの日』。1921年、日本ペンクラブが発足した日だそうな。一体何をする団体なのか皆目判らないが、初代会長は島崎藤村、ほか志賀直哉、川端康成、遠藤周作と錚々たる作家が歴代会長に名を連ねているだけあって、由緒正しそうである。まあそんな日なのでペンで書いたようなフォントを紹介。やや柔らかめで大きめのループが特徴的なシグネチャースクリプト。スピード感や力強さは感じず、ゆるくふわっと書いたような筆致である。とはいえあんまり女性っぽさは感じない。大文字にはオルタネートはないが、小文字には行頭・行末用のスワッシュとリガチャーが結構ある。おしゃれなアクセントにはなるだろう。
エレガントなローマンディスプレイ。やや硬い印象のウェッジ型セリフを持つローマンで、スワッシュオルタネートが豊富にある。ループ部分は重なりをちゃんと表現してあっておもしろい。2ウェイトあって、Bold の方はコントラストがかなり弱めになり、フレアセリフに近い印象になる所もなかなか変わってる。ほかフォントではなく Ai データになるが、この書体を用いて作ったモノグラムが多数オマケとして付いている。小文字はなくスモールキャップス。高級感があるので、その辺の用途にどうぞ。
すっかり忘れていたが先日は11月の第3木曜日でボジョレー・ヌーヴォーの解禁日だったという事でこちら。繊細で柔らかいカッパープレート。線が太くなったり細くなったりする部分が通常のカッパープレートと異なっており(スペンサリアンに近いか?)、また字形もややつたなく、といってモダンスクリプトほどいい加減でもない、というとても変わった書体である。あまり数は多くはなく、小文字にだけだがスワッシュオルタネートがある。傾きの弱い Regular と、それよりやや傾いた Slanted がある。また独立したスワッシュのみ Swashes もあり。ちなみにキューバにはヘミングウェイが通った(とされている)同名の有名なバーがある。モヒートが有名だが…なんでワインっぽい画像なんだろう。