4月でちょっと雨っぽい天気(降ってないけど)なのでコレ。やや手書き感の残るディスプレイ。柔らかいカーブが特徴のモノラインステムの端に、しずくのようなポッチが付いている。字間は広め。全体的にガーリーな雰囲気がある書体。ちょっとしたオーナメント類も入っている。イタリックがあり2ウェイト。
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もはや字なのかどうかさえ危ういほどに崩されたスクリプト。なんでしょね、幼児が書いたのか、左手で書いたのか…とにかくグッチャグチャで、かろうじてなんとか判読可能かなという書体である。最近は歌詞の事を lyric リリックなんて言うが、なんか魂の叫びかなんかなんでしょうかね。解らないですけども、なんかオモシロイと思って紹介した。First と Second があり、Second の方はまぁまぁ読める。サンプルは First の方で、「First Lyrics」と書いてある模様。
鋭く冷たい感じのするトランジショナル(モダン?)ローマン。サンプルイメージからはスクリプトに見えるだろうが、イタリックにスワッシュの付いたオルタネートがあるというだけ。1943年にスウェーデンの Akke Kumlien というタイプデザイナーがデザインした書体のデジタル版だそうである。小文字の縦のステムに付いたセリフが斜めに鋭く尖っているのが特徴。ディセンダーは短く、カウンターも大きめに取っていてシルエットとしては若干丸っこいが、セリフの鋭さがそれを感じさせない。Didotのように大文字だけで組んでも結構キレイ。ディスプレイとして使うといいだろう。アップライトは3ウェイトあるほか、コンデンス体もある。イタリックは1ウェイトのみだが、前述したようにスワッシュオルタネートがある。
つたなく優しい感じのするブラッシュスクリプト。作者が自身の祖母をイメージし、その祖母に捧げるために書いたスクリプトだそうである。字のサイズもバラバラでベースラインも揃わずガタガタしているが、全体的に何となく統一されたスタイルで書かれており、こういうやり方をポリリズム(一曲中に複数のリズムが存在するもの)カリグラフィーと呼ぶそうである。傾きはほとんどなくアップライトと言っていいだろう。可愛らしいアイコン付き。
いわゆる丸ゴシック。一昔前までは欧文ではほとんど見なかったタイプだが、近年だいぶ増えてきた。プロポーションはジオメトリックで、アセンダーはそれなりにあるがディセンダーが短く、特に g にその影響(とばっちり?)が強く出ている。まぁでも視認性は良好で、全体的にコロコロと可愛らしい書体。5ウェイトあるが、イタリックはなし。ただいま80%オフセール中。
粘土板に刻んだようなスタイルの書体。サンプルイメージからしてもやっぱりその辺のものなのだろう。クラシックというよりはもはや古代ローマ・ギリシャ時代のもので、どうにも使い道がよく解らないが筆者は好きなジャンルである。ギリシャ文字は当然として、ロシア産らしくキリル文字もサポートしている。デザインに関してなーんにも説明文がない(笑)そっけない書体だが、まぁ気になったら使ってちょ。名前は古代ギリシャの政治家・デモステネスの事らしい。
ストロークに抑揚のないモノラインスクリプト。「糸」の名前の通り、かなり細身。このブログで何度も登場している南米のスクリプトの名手の作で、そのストロークの優雅さはさすがと思わせる。ただ同氏の他の作に比べ、オルタネートは多くない。ループ部分が塗りつぶされた Hole というバージョンもあり。た~てのいと~は~あ~なた~♪
昨日紹介した本の著者デザインのクラシカルなローマン。アセンダーが長く、縦のステムは中央部がくびれており、伸びやかな印象のある書体。ストロークが交わる部分に、にじみ防止のためにインクトラップと呼ばれる「欠け」がある。小さいと判らないので、判りやすく見えるサイズのサンプルを選択しておいた。通常のイタリックの他、もっと手書き感を強めた Script バージョンがある。アップライトには Bold ウェイトもあり。オーナメントもあるが別ファイルになっておらず、書体の中に別グリフとして入っている。
著者自身のフォントレーベル HvD Fonts の書体見本帳。著者の Hannes von Doehren はこのブログでも紹介している Brandon Grotesque や Livory などの書体の作者である。冒頭に作者へのインタビューがちょっとある他は、ホントに全部書体見本。基本的には同じフォーマットで紹介しているが、書体ごとの特徴を示すページもあり、色々趣向を凝らしてて眺めているだけで楽しめる。表紙の素材はコレなんだろう…なんだかゴムっぽい肌触りで、文字部分はエンボス加工で浮き上がっており、触覚的にも楽しくていつまでも撫でてられる(笑)。著者はグラフィックデザイナーとしてもかなりの腕。すごいなぁ。タイトルは直訳すると「私は毎日少なくとも1文字描いている」。著者制作の5書体パックの「スターターキット」と呼ばれるパックがあるが、それが無料になるオトクなクーポンコード付き。
ローマンキャピタルについて書かれた本。20人を超える方々からの寄稿を集めたもので、例のトラヤヌスの碑文の解説は元より、そこから派生して Eric Gill や Hermann Zapf らのこれに近い書体を紹介・解説している他、John Stevens を始めとするローマンキャピタルを得意とするカリグラファーらの作品の紹介などなど。立野竜一さんとの共作、Stevens Titling も紹介されている。図版がかなり多くデザインも美しく盛りだくさんの内容で、かなりおススメの本である。そんなに厚い本ではないが、全部アート紙でずっしりと重い。これが2000年の重みか、なんてな事を思う。なぜかマサチューセッツ工科大出版局から出版されている。