先日 Next 化された(Next 化ってなんだ) Futura に続き、同じくジオメトリックサンセリフの代表格(そうか?)である Kabel も負けじと最近 Neue 化された。Futura に比べ、a、e、g などにちょいとクセがあって余り使われている印象はないが、筆者は結構好きである。こちらも字種とウェイトが大幅に追加され、使いやすくなっている。スモールキャップスやオールドスタイル数字の他、先に挙げた aeg などにちょっと字形の違うオルタネートが用意された。9ウェイト。ただいまファミリーパック $399 の所、$99 ぽっきりセール中。Linotype は結構セール期間を早く打ち切る傾向があるので(笑)、欲しい人はお急ぎを。
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かわいらしくオシャレな雰囲気のディスプレイサンセリフ。かなり古いカリグラフィーの書体、スクウェアキャピタルを元にデザインしたとある。確かに正方形に近いプロポーションを持ってはいるが、サンセリフとなり、テイストはいたって現代的にアレンジされている。6ウェイトあるが、小文字はなくスモールキャップスで、イタリックもない。代わりにローマンのイタリック(なんか変な言い方)が1つファミリーにあり、組み合わせて使えるようになっている。レストランや食品パッケージでの利用を想定しているようで、食材やテーブルウェアのシルエットアイコンが多数ある。名前はフランス語で「アッサンブラージュ」と読み、英語でのアセンブル、すなわち「組み合わせる」という意味だが、食品業界では主に「ブレンドされたワイン」の意味で使われる。この書体も4人もデザイナーがおり、それぞれの個性がアッサンブラージュされて素晴らしい書体に仕上がっている。ただいま69%オフセール中。筆者は多分買います(笑)。
事情により更新を休止していた本ブログを再開します。絶賛リオ五輪開催中という事で、なんかロゴに似たイメージが描かれていた書体を紹介(笑)。手書きのニュアンスを多分に残したオーガニックなサンセリフ。あちこち不用意に折れ曲がっており、それがユニークな印象を与えている。ノーマル幅の他、コンデンスな Con とエクステンドな Ext があり、それぞれ8ウェイトずつ用意されている。
イタリア語またはスペイン語で「家」の名を持つ、やや角ばったサンセリフ。J. Mayer H. という建築事務所がドイツのルートヴィヒスブルクに建てた Dupli Casa という建物にインスパイアされたとある。建築物なので当然直線的なのだが、あらゆる角にRが付いた特徴的なデザインで、この書体もそれが踏襲されており、長方形がベースにありながら角が丸くなっている。が、M や N、V、W など鋭角が出てくる部分はRを取らずそのまま鋭さを残している。字間はやや広め。機械的な冷たさの中にも、ちょっとした温かみが感じられる書体である。7ウェイトあるが、イタリックはない。代わりと言ってはなんだがキリル文字がサポートされている。ただいま50%オフセール中。
正円にこだわった(?)ジオメトリックサンセリフ。ジオメトリックサンセリフは数あれど、ここまで正円が強調されたものは他にあるまい。というぐらい、どこもかしこも丸っこい。ボウルはとにかく正円で、P や m などの曲線部分も正円を半分にぶった切ったような形をしている。字形はオルタネートが豊富で、A や V、W などは右に傾いたものがあったり、リガチャーも Avant Garde ほどとは言わないが、それに肉薄するほどに様々なバリエーションが揃っている。イタリックはオブリークタイプ。9ウェイト。
スタンダードな正統派ローマン。ベルギーはアントワープにある、プランタン=モレトゥス博物館に眠っていた Robert Granjon(16世紀のパンチカッター)の校正刷りから起こした書体だそうで、その「プランタン」の名が付けられた。ややエクステンド気味でアセンダーやディセンダーは短く、結構ずんぐりしたシルエットである。イタリックは古い書体によく見られるように、カリグラフィック風味が強くエレガント。ベルギー、ね。ワッフルおいしいし、ピエール・マルコリーニとか素晴らしいショコラティエもあるし、ビールはものすごい種類があることが有名だ。フランボワーズ、桃、カシス、オレンジ等々いろいろフルーツを漬け込んだ(あるいはシロップを足した)ものがあり、中でもクリーク(さくらんぼ)を漬け込んだヤツは筆者お気に入り。負けるなベルギー。
Garamond のオリジナルをなるべく忠実に再現した Garamond。16世紀当時の印刷状態から再現されており、そのためフチがラフになっている。とはいえまったくそのまんまという訳でもなく、一応書体として整えられている。字種も拡張され、汎ヨーロッパはカバーしている模様。また c や m などにターミナルレターがオルタネートで付属しており、イタリックにはスワッシュつきの大文字もあり。小さいとラフな感じもそんなに目立たず、案外本文いけるんじゃないかなーと思う。版元の Archive Type は、名の通りこういったコンセプトの書体を得意としているらしく、他にも多数発表している。
拡張されたカッパープレート風ゴシック。どこが拡張されたかというと、通常はない小文字があるのと、ウェイトが増えている事。a や g は1階建てと2階建てが用意されている。やや平べったい Copperplate Gothic に比べ、プロポーションは普通。セリフも細めになっているだろうか。名前は「ガーコン」じゃなくて「ギャルソン」とフランス語読みにする。ちなみにフレンチレストランでは給仕係(ウェイター)の事をギャルソンと呼ぶが、意味は「少年」である。英語で言えば boy。要するにボーイさんって事である。昔はウェイターのことをボーイと呼んだ。日本ではもう筆者の世代でもギリギリ覚えてるかというぐらいの古い習慣だが、フレンチの世界ではまだ残ってる模様。英語圏ではまだ boy っていうのかな? ただいま75%オフセール中。
傾きとコントラストが強いカッパープレートスクリプト。非常に華やかなフローリッシュが多数あり、ラグジュアリー感満載な組版が可能。太い部分が結構強いので、そこそこ小さくても存在感を放つと思う。19世紀のアメリカのカリグラファー、Louis Madarasz という人の筆致を書体化したものらしい。Madarasz についての書籍、The Secret of the Skill of Madarasz という本が Internet Archive にて公開されていて、誰でも読める。見てみると、なるほど素晴らしい才能の持ち主だったようである。このスキャン画像はブラウザではもちろん、Kindle や PDF フォーマットでもダウンロード可。IAMPETH が投稿したらしい。ありがたや…。名前はスペイン語で「ブルジョワ」という意味だそうである。
モダンローマンとカッパープレートのマルチスタイルファミリー。モダンローマンなのにブラケットがあるが、まぁこれもモダンローマンと分類できるだろう。モダンローマンには小文字がなくスモールキャップスで、インラインタイプとステンシルタイプもあり、スクリプトの一番細いウェイトはモノラインになっている。細いラインで描かれたレトロモダンなイラストアイコンも豊富。ただいま79%オフセール中。