来年の D-BROS のカレンダーがこの書体を使っていたのでご紹介。大変クラシカルなモダンローマン(?)。英国のファウンダリー Stephenson Blake が1905年に発売したもののデジタル版。グリフはスタンダードで、ベースライン上のセリフがくっとアーチ状に曲がっているのが特徴。非常にコントラストが強く、ヘアラインはこのサイズですでにちょっと見づらいが、当時の活版印刷ではインキが滲んでこのぐらいでもちょうど良かったのではなかろうか。エド・ベンギアト Ed Benguiat がデザインしたと一部の資料にあり、このカレンダーにもそう書いてあるが、Fonts in Use の説明によればこれは間違いで、恐らくよく似ている ITC Modern No. 216 との混同であり、こちらの方のデザイナーは不明であるとの事。イタリックと2種で1ウェイトのみ。
Category: Serif
大変品があって美しい碑文系ディスプレイローマン。20世紀アメリカのブックデザイナー・カリグラファーの Oscar Ogg 的な解釈でデザインしたとの事。セリフが小さめでブラケットが大きいので、一見フレアセリフにも見えるのが特徴的。小文字もあって、xハイトが小さくややコンデンス気味。アップライトでも2度傾いており、ほんのり前のめりである。いくつかの字にはオルタネートがあり、RG にのみリガチャーがある(どこで使うん)。カリグラフィックなイタリックがあってそれぞれ1ウェイトのみ。
レトロかわいいソフトセリフ。ころころしたグリフにぼったりしたセリフの付いたローマンで、xハイトが大きく割と可読性は良好。e のバーが斜めなのと g のループがオープンになっているのが特徴的。f をベースにしたリガチャーが結構ある。20世紀初頭に見られたスタイルで、3年ほど前にちょっとだけリバイバルブームがあり、その際に作られたもの。9ウェイトとファミリーも豊富。ただいま50%オフセール中。
New という割には結構古風なモダンローマンとサンセリフのデュオディスプレイ。モダンローマンの方は太めでハイコントラスト、字間も狭めと’70年代ぐらいのファッション誌に見たようなスタイルで、字幅がレギュラーと Condensed の2種がある。サンセリフの方はネオグロテスクタイプだが、ダイアゴナルストロークがややカーブしてるのが特徴的。それぞれイタリックもあって2ウェイトずつ。ただいま50%オフセール中。
モダンな3タイプの書体のミクスド。コントラストの強いラグジュアリー感のあるトランジショナルローマンがメインで、オプティカルになっており、レギュラータイプの他は本文用の Text と、非常にコントラストが強い見出し用の Display があり、こちらはほぼモダンローマン。そのローマンからコントラストはそのままにセリフを取り除いた Sans Serif と、骨格をそのままにコントラストを失くした Grotesk も別にあり、こういうファミリー展開は珍しい。全部で61種とビッグファミリー。ただいま50%オフセール中。
これでもかというぐらいリガチャーだらけのディスプレイローマン。碑文系っぽい(けど違う)大文字ローマンに、見ての通り鬼のようにリガチャーが付属しており、最大で5文字が合体しているものもあり、総数は600近い。元々ややグリフが変わっており、そのまま組んでもスペルによってはおもしろいだろう。普通はちょっとしたアクセント程度で使うものだが、これに関してはやれるだけやってみてもいいかも。1ウェイト。
やけに人気のあるジオメトリックサンセリフの TT Norms にセリフ版が出たので紹介。見たところ骨格はサンセリフ版を踏襲している模様(そりゃそうだ)。セリフはブラケットがなく、わずかに傾斜が付いているもののパッと見はスラブセリフ。少し硬質な印象を受けるが、まぁ骨格には合っているかな。字種は多く、キリル文字を含めて1200以上もある。ウェイトは10ある他、バリアブルタイプもあり。ただいま60%オフセール中。
大変繊細なジオメトリックローマンディスプレイ。極細ウェイトでほんのりコントラストの付いたローマンで、グリフはかなりジオメトリック。LO, SU, OO, OV の4種だけリガチャーがあるが、普通のリガチャーではなく、普通はない繊細な曲線で2字が繋がっている。Q のグリフがたいへん変わってるのが特徴。全体的にシックで大人な雰囲気。大文字のみだが3ウェイトあって、ある程度は小さく使えそう。…いやムリかな。
クラシカルなスクリプトとローマンのデュオ。スクリプトの方はカッパープレートタイプで、控えめなスワッシュオルタネートとフローリッシュが付属。ローマンの方はコントラストの強いオールドスタイル(トランジショナルかも)で大文字のみ。個人的には全体的になんとなく権威的で英国ぽい雰囲気があるかなという印象。高級ブランド、女性だけでなく男性向けにもよく似合うだろう。名前は「議会」の意で、やっぱその辺に合うかな。それぞれ1ウェイトのみ。
本日は「黒」に関する日がいっぱい制定されてるので、「黒い正方形」という名の書体を紹介。繊細で品の良い正統派本文用オールドスタイル。説明文がまったくなく、「どういう経緯で作られたのかは謎」となっていて正確な製作年も判らない(笑)。Garamond 風のエレガントな雰囲気があり、オールドスタイル数字やスモールキャップも備えており、本格的な長文にも耐えうる。4ウェイト。