本日はトロイア遺跡を発見したシュリーマンの誕生日。そのものズバリ Iliad という書体もあったが、まったくギリシャ風味はなくしかもダサいので紹介は見送り(笑)、こちらの書体を紹介する。6世紀コンスタンティノープルにあった碑文の書体を参考にデザインしたものだそうで、ギリシャ感バリバリである。小文字はないが、その代わり小文字部分には大文字のオルタネートグリフが入っていて、それらには右側に伸びるセリフの落とされたバーがあり、それで後に続く文字とリガチャーを作ることが可能になっている。’93年制作と古い書体だが、すでに OpenType のような機能を持っている事にびっくりである。さっすが Matthew Carter。今ならギリシャ文字もサポートしてたかな。
ブラピ主演の映画『トロイ』良かったなぁ。塩野七生はじめ専門家からは色々批判もあったようだが、純粋にエンターテイメントとして楽しめた。また観ようかな。Do you know what’s there, waiting, beyond that beach! Immortality! Take it! It’s yours!!
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ちょっと変わったディスプレイサンセリフ。字形はローマンキャピタルを基本としており、均整が取れていて美しいが、変わっているのがそのステム。インラインになっているのだが、その入れ方がステムが捻れて見えるように入っている。まるでチュロスで作った文字のよう。プロポーションのせいかファンシーさはなく、どことなくラグジュアリー感がある。高級な化粧品や香水のパッケージなどに使用すると映えると思う。小文字はなくスモールキャップス。1ウェイト。
ローマンキャピタル書体の代表格・Trajan のサンセリフ版。まああまり説明の必要はないだろう。このテのサンセリフはいくつか出ているが、ほぼほぼこれが決定版だと思う。なんたって最も美しい Trajan がベースになってて、その同じ発売元の Adobe から出てるのでね。ギリシャ文字とキリル文字が追加になっているが、これは大元の Trajan もバージョン3(Trajan Pro 3)になって追加されている。6ウェイト。
本日はお盆で終戦記念日。ではあるが、これにちなんだような書体などないので、鎮魂の意味を込めて(?)碑文系を紹介する。1509年に Luca Pacioli という人が De divina proportione という本の中で、ローマンキャピタルを幾何学的に分析したものを書体化したもの。こういう分析をした人は Albrecht Dürer が有名だが、なぜか Pacioli のものを採用したらしい。ルネサンス期の芸術家たちは、古代ギリシャ・ローマ人たちが数学的にも秀でていた事に目をつけ、きっと文字の設計もこうしたに違いないと分析したらしいのだが、実際は平筆でフリーハンドだったらしく、現在この手法は否定されている(笑)。
様々なスタイルのサンセリフディスプレイ。8種類のスタイルがあり、それぞれ 1901, 1913, 1919, 1927, 1933, 1945, 1984, 2001 という名が付いている。察しの通りこれは西暦で、それぞれの年代のスタイルを踏襲しており、例えば1901はアール・ヌーヴォー調であったり、2001はかの宇宙の旅的な所からインスパイアされたりとなっている。パッと見はすぐに違いが認識できないが、ひとつひとつじっくり見ていくとおもしろいだろう。これらはすべて大文字のみだが、これらとは別に Text というのもあって、これは小文字もあり、ギリシャ文字やキリル文字もサポートしている。それぞれ7ウェイトずつ。
昔から日本では、「芸事は6歳の6月6日に始めよ」と言われてるらしい。そうすると上達するとか。なんでそんなオーメンな日なのかはよく知らないが、まぁそんなこんなで習い事と言えばこれ、ピアノレッスンたらいう名を持つ書体を紹介。1940年代に発行された大人向けピアノ楽譜集のタイトル文字にインスパイアされたそうな。そのちょっと前に流行ってたアール・デコの雰囲気を持った書体である。小文字はなく大文字のみ。ちょっと野暮ったいが、そこがまたいいんじゃないでしょうか。
腰の低いディスプレイサンセリフ。と言っても低姿勢という事じゃなく、物理的に重心が低めに設計されている、という事。A や E、R などを見れば判るが、バーの位置が中間地点より下がっており、それが頭でっかちでちょっと可愛らしい。’30年代の看板や書籍の表紙などからインスパイアされたとの事だが、字形はそこまで古臭くなく、どちらかと言えば最近の感じはする。全体的にややコンデンスで、小文字のないオールキャップスな書体である。名前はフランス語で自動車修理業者の意(元は馬車工房の事らしい)。7ウェイト。
大変繊細で優雅なモダンローマンディスプレイ。ヘアラインと細いステムのプロポーションが美しく、R や Q のちょっとした処理が可愛らしさも持っている。1ウェイトかつ大文字しかないが、ギリシャ文字やキリル文字もサポートしている。しかも! この書体は完全無料! フリーである。サンプルのようにラグジュアリー感を演出するには持ってこいなので、ダウンロードしといて損はない。しかしこんな高級そうな書体が無料とは、太っ腹である。ちなみにファウンダリーの名前は 4th february、つまり2月4日である。紹介するのが1日遅れた…しょぼんぬ。
ローマよりも古い時代の碑文テイストを持つディスプレイ。基本的にはサンセリフだが、字形が洗練されておらず素朴でおもしろい。また多数のリガチャーを持っており、個性的な組版が楽しめる。A のバーが折れていたりするところがちょっと英国風。
直接購入しても構わないが、最近 Monotype が月額$14.99の定額制で 2,200 書体を使い放題というサブスクリプション(定期購読と和訳されてるが・笑)プランを発表しており、この書体はそれに含まれている模様。詳しくは Fonts.com へ。
モダンローマンからセリフを取り除いたようなディスプレイサンセリフ。ステムは基本的に縦画が太く横画が細くなっている。大文字だけのディスプレイだが見ての通りかなり多くのリガチャーを持っており、おもしろい組版が楽しめる。ウェイトは3つあるが他の2つはレギュラーより細くなっており、よりエレガントになっている。高級ブランドなどに重宝するだろう。ただいま50%オフセール中。セールの表示がエレガントじゃないのが残念…。