なんか不意にこの書体を見かけたので紹介。ラフなカリグラフィーヒューマニスト。15世紀頃に現れたヒューマニスト体を元にデザインされた書体で、往時のものよりはかなり細めのウェイトで、グリフも結構ラフでカジュアルになっている。エッジもガタガタでラフな紙に書いたような雰囲気があり、「パピルス」の名にふさわしい。ちなみにこの書体は以前は Mac に標準搭載され、またかなり多用されたために「もういいよクソダセェ」と欧米のデザイナーからは Comic Sans と同じぐらい嫌われていた(笑)。とはいえ、映画「アバター」のタイトルロゴの元になっていたり、徐々に復権の兆しはあるかと思う。筆者は結構好きな書体。1ウェイト。
Tag: #humanistic
手書きの跡が強く残っている柔らかなサンセリフ。と言っていいのかよく分からないが、Palatino Sans のように手書きのニュアンスが強い書体で、作者たちはカリグラフィーを学んだ後、Robert Slimbach の Cronos を大いに参考にして制作したそうだ。ストロークは中央が細く端が丸く膨らんでおりながら筆をスッと抜いたような感じもあって手書き風味があるが、骨格そのものは活字っぽい。ハイブリッドされた書体である。イタリックもあって7ウェイトある他、バリアブルタイプもあり。
モダンでややヒューマニスト寄りなジオメトリックサンセリフ。クリーンでスッキリした可読性の良いサンセリフで、g や y のディセンダーが右から左にくっとカーブしているのが特徴。基本的にはジオメトリックをベースにヒューマニストのテイストを加味しており、より読みやすくなっている。スタンダードなグリフ以外にオルタネートに変わったものもあり、また個性的なリガチャーもいくつかあるので、ロゴデザインなどにも力を発揮すると思う。名前はトキソウというランの一種のことらしい。9ウェイト。ただいま30%オフセール中。
スッキリとしたクリーンなジオメトリックサンセリフ。ジオメトリックではあるがヒューマニストの風味も多分に加味されており、大変モダンかつクリーンでしかも読みやすい。これからのスタンダードになり得ると思わせてくれる(言い過ぎ?)非常に質の良い書体である。たいへん偉そうな言い方にはなるが、一見日本人が作ったとはとても思えないほどネイティブなニュアンスを持っており、ラテン文字を母語(母字?)としない人間がここまで来るには相当な努力があったのではと思う。素晴らしい書体が誕生した。イタリックもあって8ウェイト。
カジュアルかつニュートラルでクセのないすっきりとしたヒューマニストサンセリフ。ややポップというかフレンドリーというか、そういう雰囲気のカジュアルなサンセリフで、可読性も大変良く日常使いには適したサンセリフ。a と g には1階建てと2階建てがあり、数字にはオールドスタイルもあり。ウェイトが太くなってもきちんと可読性は保たれており、なかなか優秀な書体である。イタリックがないのが残念だろうか。日用品のパッケージなどに。10ウェイト。
可読性の良いヒューマニストサンセリフ。アメリカのグラフィックデザイナー、William Addison Dwiggins (1880–1956) が1930年に制作した書体で、そのデジタル復刻版である。復刻には日本人タイプデザイナーの大曲都市氏が携わり、その経緯をご本人がブログで記してあるので、詳しくはそちらを御覧いただきたい。実はこの書体は知らなかったのだが、Dwiggins の伝記の復刻が Kickstarter で始まったのをきっかけに氏の書体を探したらこれがあった。かわいらしくもあり、ひと目で気に入ってしまった。オススメの書体です。ノーマル幅7ウェイト、Condensed 6ウェイト。
素朴で読みやすいヒューマニストサンセリフ。1930年製作と古い書体で、Futura のようなジオメトリックが急激に人気が出てきた頃に、それに反発して作ったそうな(笑)。古代の碑文や手書き写本の書体からヒントを得たそうで、なるほど古いグリフをしている。ストロークはほぼモノラインで、ストロークの端にほんのり小さなウェッジ型のセリフが付いているが、ほんのり過ぎてフレアセリフのようにも見える。イタリックはさらに手書き風味が強くなり、またあちこちクルッとカールしているのが特徴的。スモールキャップスやオールドスタイル数字もあってなかなか使い勝手も良い。4ウェイト。
普通のサンセリフと手書き文字の中間のようなヒューマニストサンセリフ。ベースは普通のヒューマニストなのだが、全体的に手書きストロークのニュアンスが加わっているおもしろい書体。A や W などの斜めのストロークがほんのりカーブしていたり、ボウルがティアドロップのようになっていたりとそこかしこに手のぬくもりが感じられるが、全体的にはクリーンでスッキリしており非常に読みやすい。これ筆者はひと目で気に入ってしまった。ラテン文字圏ならスーパーのポップで多用したいと思わせる。6ウェイトある他、バリアブルタイプもあり。ただいま30%オフセール中。
視認性の良いサンセリフ。サイン用途に使用される事を想定しているようで、I にセリフが付いたり、a や g に2階建てが採用されていたりして、誤読を防ぐ工夫が各所に施されている。特徴的なのがピクトグラムで、飲食・都市など7つのジャンルがあり、ひとつのジャンルにつき88ものピクトグラムがあって、計616種。さらにそれが白・黒両方のバージョンがある。書体がコンデンスじゃないのがちょっと残念。あればスペース節約にもなっていいだろうに…。7ウェイト。
1820年の本日、かのミロのヴィーナスが発見されたらしいのでこちらを紹介。コリッとした雰囲気のある本文用ヒューマニストサンセリフ。長文を意識してか全体的にややコンデンス気味で、スペースを食わないようになっており、かつ大変読みやすくスッキリしている。あまり手書きのニュアンスのあるカーブがなくジオメトリック気味なのもおもしろい。スモールキャップスやオールドスタイル数字もあって、本格的な文字組が可能。セリフの付いた Milo Serif、スラブセリフの Milo Slab も別にある。9ウェイト。