ぼたっとしたフォルムが可愛らしい、ポップでちょっとおしゃれなディスプレイ。通常こういう書体をデザインする時、全部をぬたっとさせてしまいがちだが、直線のストロークをそこかしこに使っているせいかオシャレ感が加味されている。紹介文には “blob” という言葉が使われているが、こちら調べたところ「球状の小さな塊・輪郭のぼやけた・ふにゃふにゃした」という意味らしく、「デブ・ふとっちょ」みたいなスラングとしても使われるらしい(決してバイナリデータのことではない)。Thin と Bold の2ウェイトあり、これは細いストロークのみ太さが変わる。
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力の抜けたカジュアルなシグネチャー?スクリプト。太めのゆるいストロークで間延びした字間が特徴。文字から伸びる水平のストロークはオルタネートのエンディングストロークかと思いきや、すべての字にデフォルトでこれが付いており、オルタネートはないという変わった書体である。大文字はご覧の通りフック状のスワッシュがほぼすべての字に付いており、これまたオルタネートではなくデフォルトである。とにかくこれ以外の組み方は一切できない(笑)。まあ潔いといえば潔い。1ウェイト。
本日はフランスの画家クロード・モネ Claude Monet の誕生日(1840)。モネといえば「睡蓮」、ということでスイレンの名を持つ書体を紹介。ボタニカルデコラティブなディスプレイローマン。太めのぼったりしたローマンに植物的なオーナメントがこれでもかと付いたヴィクトリア調の書体で、通常この手の書体は装飾なしのグリフも入っていたりするが、そんなものは一切なくお花畑から逃れる術はない(笑)。潔くゴチャゴチャになって使うのがベストだろう。スワッシュオルタネートやリガチャーも豊富。イタリックと2スタイル。
カリグラフィーテイストを持ったユニークなサンセリフディスプレイ。ストロークの中央部が絞れており、若干フレアセリフ気味になった手書きの跡が残るサンセリフで、見ての通りリガチャーが非常に豊富な文字組みが楽しくなってしまう書体である。元は作者が務めていたデザイン事務所の上司だった John Miles という人のレタリングから起こしたものだそうで、彼の死を悼んで制作した模様。名前のブラックヒースとはロンドン南東部の地名で、ここにそのデザイン事務所があったそうな。これは筆者は多分買うのでは…(笑)。大文字のみで小文字はスモールキャップス。1ウェイトのみ。
レトロでチャーミングでエレガントなスクリプト。名前の通り細いリボンのようなストロークが特徴的なスクリプトで、20世紀中頃までに登場した活字タイプのスクリプトにこのようなものがあったが、それらは文字同士のコネクションが取られていなかった。この書体は普通のスクリプトのようにちゃんと繋がっている。全体的にややコンデンス気味で、xハイトが大きめなのも気取りすぎておらず可愛らしい。スワッシュオルタネートは豊富にある模様。年末のプレゼントシーズンにいかが。1ウェイト。
筆で書いたようなニュアンスが残るアール・ヌーヴォー風味のディスプレイ。カリグラフィーの技術を用いて書かれたようななんとも不思議な書体で、骨格はほぼ垂直ではあるが、セリフなどのエレメントのせいで全体的に左に傾いて見えるのも面白い。アウトラインはぬたっとして粘り気を感じる。大文字のみの書体ではあるがオルタネートが結構あって、退屈せずに楽しめるだろう。名前はフランス語で黒猫の意。1ウェイト。
手書き感がありながらモダンなテイストもあるおもしろいサンセリフ。ヒューマニストとネオグロテスクのハイブリッドのようなサンセリフで、かつ柔らかいカーブを持ったスワッシュがオルタネートにあったり、特にイタリックにはストロークが切れていたりして手書きのニュアンスが強く出ている変わった書体である。ただクセが強いかというとそんな事はなく、割とスッキリしていて可読性がよく長文にも十分耐えうる。名前のククルカンとはマヤ文明の最高神のこと。9ウェイトある他バリアブルタイプもあり。
レトロアメリカンテイストのレタリングスクリプト。太めのブラッシュスクリプトを模したレタリングによるスクリプトで、ミッドセンチュリー感のあるボテっとした風合いが特徴。ちょっとしたスワッシュが付いたオルタネートが大量にあり、手書きとは逆の左向きのストロークが多いのがレタリングの面目躍如という所である。リガチャーもちょこちょこあり。異次元の活躍を見せるオオタニサンに敬意を評し、メジャーでもよく見るこのタイプのスクリプトを紹介してみた。
ケルト風味あふれるディスプレイ。中世アイルランドやイングランドで用いられていたいわゆるインシュラー Insular をベースにした書体で、元々は大文字小文字の区別がないが、こちらはインシュラーのテイストを保ちつつ、大文字小文字がデザインされている。なんとなくロンバルディックキャピタルに見えなくもないが(笑)、まあそこら辺は良しとしよう。ハロウィンは元々ケルト人の祭りで、こんなのもよく似合うので紹介してみた。
ダイナミックながら読みやすいシグネチャースクリプト。素早くややコントラストの付いたストロークで書かれており、大文字は見ての通り結構ダイナミックだが、小文字はグリフがさほど崩れておらず可読性は良好。F が筆記体特有の逆向きなのが読みづらいが、大文字さえ読めればなさほど苦も無く判読できる使い勝手の良い書体だろう。大文字にはオルタネートがないが、小文字にはリガチャーが少々。大きな t を含んだリガチャーが多数あって、スペルにあると目を引くアクセントになると思う。傾きの強い Italic と2スタイル。













