Archive: 2025
優雅なイタリックディスプレイ。スタイル的にはローマンのイタリック?なのだが、風味としてはスクリプトの要素が強い変わった書体で、スワッシュオルタネートが大変美しい。大文字は特にスクリプト風味が強く、小文字は割と素直な骨格をしているが、ストロークが繋がっていない部分が多くステンシルのようで抜けがよく涼やか。全体的に軽やかでエレガントである。本日は某ココア風味飲料の日らしいので、その名に近い書体を紹介してみた(笑)。1ウェイトのみ。
本日は世界地図のメルカトル図法で有名なゲラドゥス・メルカトル Gerardus Mercator の誕生日(1512)だそうなのでこちら。なんとメルカトル、能書家でもあったようで、1540年に Literarum Latinarum, quas Italicas cursoriasque vocant, scribendarum ratio(イタリックまたは筆記体と呼ばれるラテン文字の書き方) という本を著している(びっくり!)。その本から起こしたフォントだそうだ。大変クラシカルな古典的イタリックで(当たり前だ)、印刷の質によるアウトラインの荒れ具合まで再現されている。スワッシュオルタネートやリガチャーも多いが、グリフ数は300弱と少ないため、アクセント記号類が弱いと思われる。とはいえ、日本人が使う分には十分であろう。しかしメルカトルがねぇ…驚いた。
ライトウェイトのクラッシーなディスプレイローマン(?)。細いモノラインの大きくゆったりしたストロークの端に申し訳程度に微セリフ(笑)が付いた書体で、骨格はジオメトリックかつ大変ゆったりしていて優雅で美しい。大文字のみの書体ではあるが、字幅は2種類、リガチャーが90種以上もあって、文字組みは退屈しない。エレガントではあるが古さは感じず雰囲気はあくまでモダン。名前のロッカラインはスコットランドの地名らしい。1ウェイトのみ。
本日ひな祭りこと桃の節句なのでこちら。クラッシーでエレガントなモダンローマンディスプレイ。まあよくある変形系ではあるが、デフォルトではまあそこまで変形はしておらず、一部のオルタネートにかなり変わったグリフがある程度。通常この手の書体はリガチャーも多くあったりするが、こちらはまったくない。そのおかげかだいぶお安くなっていてお手頃価格。1ウェイトのみ。
セリフが非常に鋭いトランジショナルローマン。見出し用のノーマル(無印)と本文用の Text と分かれており、ノーマルの方はコントラストがかなり強めでセリフも非常に鋭く刺さりそうだが、Text の方はコントラストが弱めでセリフもややぼったりしている。一見モダンローマンだが、アクシスがやや斜めなのでトランジショナル、なのだろう(作者がそう言っている)。キリル文字もサポート。イタリックがないのがなぜなのかは分からないが、ウェイトはそれぞれ7つずつ。
本日はアメリカで National Strawberry Day だそうなのでこちら。なんとハングル文字風のラテン文字ディスプレイ。日本のカタカナを模したものはよく見るが、これは筆者は初めて見た。太めのサンセリフスタイルで、見ての通りハングル文字をベースにギリギリラテン文字(アルファベット)に見えるよう調整されている。カタカナのヤツが日本人にはかなり読みづらいように、これも韓国人などハングル文字を判読できる人には多分読みづらいんじゃなかろうか(笑)。まあでも日本人なら大丈夫かな。韓国系スイーツショップなどに使えるかも。1ウェイト。
超絶ウルトラファットフェイス。矩形の一部を欠く、もしくはちょっと線を入れる程度でデザインされた文字で、見ての通りかなり個性的。可読性はギリ保たれてるという感じだが、ちゃんと読めるように調整されてるのがエラいなと思う(そりゃそうだ)。大文字のみだが、大文字と小文字のグリフにより字幅が違うようで、それを組み合わせればぴったり長方形に収まるように組めるようだ。1ウェイトのみ。
レトロポップなサンセリフディスプレイ。図太いコロっとしたジオメトリックサンセリフで、ちょっと変わったグリフがかわいらしく、テイストはどことなくレトロ。a には1階建てと2階建てがあるが、オルタネートはそれぐらい。ロゴやポスターによくマッチするだろう。お菓子のパッケージなどにも。1ウェイトのみ。
クラッシーな変形系モダンローマンディスプレイ。基本的には普通の繊細なモダンローマンだが、一部の文字に変わったオルタネートと、大文字に多数の変わったリガチャーを多く持っている。まあ最近よくあるヤツである。小文字もあって、a と g 結構変わっているものの、それら以外は至って普通。それほどハデに暴れてはいないので、品よく収まっているように思う。イタリックと2スタイル。