ジューン・ブライド特集の締めはこちら、非常に繊細で優雅なスペンサリアンカッパープレート。19世紀後半にアメリカで活躍したカリグラファー、Charles Paxton Zaner の筆致を再現したものらしい。One から Four のファミリーがあって、それぞれに違う字形を持っている。なーんでオルタネートで1つにまとめなかったのかは不明(笑)。ちなみに他者が著した Zaner の筆跡の教科書、Script in the Copperplate Style がiPad 用の電子書籍でフリーで配布されている他、こちらのWebサイトでも公開されている。興味のある方はご覧頂きたい。これで招待状を組んでも正直読めなかったりするかもしれないが(笑)、こんな美しい書体もなかなかない。トライしてみてはいかがだろうか。
Category: Script
細身のカジュアルなカリグラフィックスクリプト。イタリックがベースになっていると思うが、傾きは弱く、そんなにスクリプトスクリプトしていないスクリプト(?)である。雰囲気的にはごくカジュアルで、堅苦しくなく気軽に使えるだろう。オルタネートも割と豊富だが、1ウェイトしかない。普通に購入可能だが、実は今、Monotype が The Foundation Collection というフォントパッケージセールを行っており、この中にこの書体も入っている。色々入って$99という福袋、あと1日か2日の期間限定なのでお急ぎを。
鋭さを抑えた柔らかい印象のカッパープレート。傾きが弱くアップライト気味で、大文字はカウンターが大きくとってあり、丸っこい印象が強い。元々結婚情報誌に向けて作られたらしく、そっち方面の用途によくマッチするだろう。オルタネートが全然なくて淋しいが、その分使いやすくはあると思う。2ウェイト。
ややアメリカンテイストのあるブラッシュスクリプト。字形の傾き加減がややバラバラでやんちゃな印象がある。B や E はどっちかというと逆に右に傾いていたりする。オルタネートはあるが控えめ。代わりに Extra というブラッシュストロークが入ったフォントがあり、これを使ってスワッシュを好き勝手に付け加えられる。ちょっとポップなウェディングに。ただいま50%オフセール中。
かわいらしいアップライトブラッシュスクリプト。オーナメントも含めるが1500ものグリフがあり、スワッシュのついたオルタネートの他、繋がりのないタイプの字形もある。変わってるのが数字にもスワッシュタイプがある事。これがあるのはスクリプトといえども珍しい。ウェディングにはぴったりの書体である。名前は「ヤギが跳ねるような」という意味らしい。Bold と2ウェイト。
柔らかく派手さ控えめなカリグラフィックイタリック。名前のプレアデスは、元はギリシャ神話に出てくるアトラスとプレイオネの7人の娘の事だが、牡牛座にあるプレアデス星団としての名前の方が有名だろう。この非常に美しい星団は、日本では「昴(すばる)」と呼ばれている。この7人姉妹にならい、この書体も7つに分かれており、それぞれに姉妹ひとりひとりの名が付けられている。違いは特になく、単に字形のバリエーションなので、ひとつのファイルにまとめてオルタネートにしてくれた方が使い勝手が良かったな~、というのはヤボかしらん(笑)。こちらもウェディングにどうぞ。由来もロマンチックだしね。
6月はジューン・ブライド。って事で、ちょっと優雅なスクリプトを多めに紹介したいと思う。と言いながらいきなり変わりダネ、昔ドイツで使われていた「カレント」と呼ばれる筆記体である。非常に独特な字形を多く持っていて他国の人にはかなり読みづらく、そのためか1941年にヒトラーが学校で教えることを禁止したらしい。このフォントはスペンサリアン風味を持っていて美しいので、使ってみてはいかがだろう。「これ使っても読めねーよ!」という人には、Easy という普通の字形バージョンもあるのでそっちをどうぞ。両方を打ち比べてどれがどんな字形になっているか調べるのもオツ。
ちなみにホントは kurrentschrift だと思うが、このフォントの名前はなぜか c が抜けている。版権対策かなんかかな…。
コントラストの非常に強いアップライトスクリプト。ブラッシュとカッパープレートの中間のような書体で、まったく傾きはない。一部の文字には結構ハデなスワッシュが付いたオルタネートがあるが、あまり種類は多くない。ヘアラインが細すぎて小さくは使えないが、Bold ウェイトがあり、こちらはヘアライン部分も太くなっているので小さく使うのに便利だろう。
柔らかい雰囲気を持ちながらかっちりした字形で読みやすいスクリプト。平筆のスクリプトがベースになっているが、スワッシュ等はごくごく控えめ、太くて可読性はすこぶる良好。優雅さと読みやすさ、そして強さを非常にバランスよく兼ね備えており、アイス等のパッケージでの利用を想定していると思われる。目立ちながらも美味しそうな雰囲気を持たせることができるだろう。大変オススメな書体。沖縄はもう梅雨を通り越してセミが鳴きそうな陽気である。あーアイス食べたい。
完全手書きではなく、半分活字っぽいコンデンスなスクリプト。カッパープレートのようにコントラストが強く、細いラインはヘアラインと化している。頭でっかちなバランスの字形も多く、やや可愛らしさが強調されていて女性っぽく、レトロ風味もあるかな。ご多分に漏れずスワッシュやリガチャーのオルタネートが豊富にある。ちなみに名前はミントの学名らしい(あの天才が集まる Mensa とはスペルが違う)。2ウェイト。ただいま5%オフという微妙なセール中(笑)。