ウェイトの重めなゴージャス感のあるディスプレイローマン。ヘヴィでコントラストの強いモダンローマンで、ちょっと変わったリガチャーが多数あって目を引くキャッチーな文字組みが楽しめる。雰囲気がなんとなくハイブランドなので、ファッションやコスメ、エステ、あとワインなどに似合うと思う。大文字のみで小文字はなし。1ウェイト。
Category: Serif
本日はドイツにかつてあったウルム造形大学(Hochschule für Gestaltung Ulm: 1953–68)の創設者のひとり、オトル・アイヒャー Otl Aicher の誕生日(1922)。というわけで氏のデザインした書体を紹介。ややコンデンスで読みやすいヒューマニスト。アイヒャーはこの Rotis を4タイプ制作した。普通の Sans Serif と Serif、そしてその2書体の間に、サンセリフよりストロークにコントラストが付いた Semi Sans と、それに一部だけセリフを付けたこの Semi Serif である。つまりサンセリフから段階を踏んでセリフへと移行するようなデザインをしたわけである。こういう試みはそれまであまりなかったものなので、この書体は結構有名である。中でもこの Semi Serif は、Rotis の特徴を一番強く持った書体と言えるだろう。ちなみにウィキペディアのオトル・アイヒャーの項目、誕生日が3月になってる…誰か直して。Mai は5月よ。
ちょっと硬い印象のある現代的な本文用トランジショナルローマン。字幅がやや揃い気味でカチッとしており、xハイトが大きく可読性が良好。Times Roman 的というかオランダ風味というか、そういう感じのする書体なのだが、作者はチリの人らしい。MyFonts にはこれひとつしか作品がなく、どうもこれがデビューのようである。かなりいい作り手がまたひとり出てきたなという感じがする。K, Q, R, X, Z にほん~のりちょびっとだけ右下に伸びるスワッシュとも呼べない小さなスワッシュの付いたオルタネートがある。6ウェイト。
本日はランボルギーニ創業者、フェルッチオ・ランボルギーニ Ferruccio Lamborghini の誕生日(1916)だそうなので、なんかレースにちなんだ名前のこちら。手書きっぽさの残るレトロなディスプレイローマン。大文字のみのスモールキャップスタイプだが、大文字がただのローマンではなくイタリック風味のがあり、かつフリーハンドで書いたようなバランスでおもしろいグリフになっている。小文字にも傾いたタイプがあるので全体に傾けることは可能だが、デモのように混ぜて使う方がおもしろいだろう。ノーマルタイプとアウトラインの角が丸くなった Round があり、それぞれ3ウェイトずつある。
ゴージャス感のあるモダンローマンディスプレイ。コントラストの強いモダンローマンで、xハイトが極端に大きく、アセンダーやディセンダーはびっくりするぐらい小さい。セリフはよく見るとほんの少しだけ中央がくぼんでタスカン(魚尾形)になっているのが特徴的。見ての通りヘアラインにティアドロップの付いたスワッシュオルタネートが豊富にある。ファミリーはオプティカルになっており、ノーマルタイプとさらにコントラストを強めた Display があるが、ノーマルもヘアラインが細いので、やはりディスプレイ向きだろう。ウェイトはそれぞれ9つずつ。単体と全ファミリーパックがほぼ同じ金額なので、全部買った方が断然お得。その上ただいま50%オフセール中。
本日は『サン・ジョルディの日』。スペインのカタルーニャ地方では親しい人に本を贈る日らしいのでこちら。割と古めなソフトセリフ。最近このボテッとしたセリフの書体がちょっと流行っているが、これは50年近く前に作られてるので流行りに乗ったワケではない。これ以前に Morris Fuller Benton がデザインし Monotype から発表された Bookman Old Style という書体があるが、それをちょっとおもしろくしたらしい。なるほどスワッシュオルタネートが豊富に追加されている。かわいらしくも結構読みやすい書体。4ウェイト。
本格的な本文用モダンローマン。セリフがそれほど鋭くなく、コントラストはやや強いもののそんなにチカチカせずに読みやすい。xハイトは現代のものとしてはやや小さめ。ウェイトは2つしかないがオプティカルになっており、レギュラーの他、見出し用の Display とキャプション用の Micro がある。それぞれイタリックとウェイトが2つで合計12種。ただいま50%オフセール中。
正統派本文用オールドスタイルローマン。これほどまでの正統派は最近珍しく、こういうのは久々に見た気がする。16世紀フランスのタイプデザイナー、Robert Granjon の書体にインスパイアされたとある。4000以上ものグリフがあり、およそ本文組に必要なものは用意されているほか、ギリシャ文字とキリル文字もサポート。変わったリガチャーも多数あり、大文字サイズの小文字グリフや、鏡像になったもの、180度ひっくり返ったものもあって、一体何に使うのかよく分からなくなっている(笑)。5ウェイトあるが、Regular より細いものがないのがちょっと残念。ただいま49%オフセール中。
ローマンとスクリプトのデュオ。ローマンの方は硬い印象の細めのクラシカルなタイプで、なるほどどことなくアメリカンな雰囲気が漂っている。こちらは大文字のみ。スクリプトはラフなモノラインのタイプ。ベースラインは程よく揃い、字形もそれほど崩れておらず読みやすい。小文字には横に伸びる短いスワッシュオルタネートがある。リガチャーも少々。f や s、t などにはグリフそのものが違うオルタネートもあり。スクリプトは2ウェイト。
スタンダードなオールドスタイルローマン。元はスウェーデンの Verbum というファウンダリーがコペンハーゲンにあった Berling というファウンダリーのために1951年にデザインした同名の書体で、これを Bitstream が Revival 565 という名前で販売し、それに ParaType がキリル文字を付け足したのが本作、という事らしい(くそややこしい)。元の Berling という書体は Linotype でデジタル化されており、のちに Berling Nova としてリファインされている。
本日は3.11。復興(revival)の意味を込めて。