非常にコントラストの強いモダンなディスプレイとジオメトリックサンセリフのデュオ。2つのフォントは別名からなり、一方の Arthead はモダンローマンからセリフを取っ払ったような書体で、ヘアラインが非常に細くてコントラストが強くモダンでシャープな印象があり、ステムの一部が鋭角に切り取られているのが特徴。もう一方の Retrohead はぼったりしたレトロな書体で、可読性のためか I にだけ大きなセリフがついている。小文字はなくスモールキャップス。Arthead は3ウェイト、Retrohead は1ウェイトのみ。
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シンプルで可読性の良いジオメトリックサンセリフ。xハイトがかなり大きく、ジオメトリックでありながら文字として無理のないグリフをしており、大変読みやすい。t のベースライン上のターミナルが大きくカーブしたり、G のチン(あご)がクロスバーとスパーがちゃんとある古典的な形をしてたりと、可読性に配慮していることがうかがえる。名前はフィンランド南部の島からとったそうな。イタリックもあって8ウェイトあり、バリアブルタイプも別にある。ただいま60%オフセール中。
変形度合いが弱めな変形エレガントディスプレイ。最近流行のタイプだがさほど変形しておらず、まあまあ読みやすいスッキリしたタイプである。リガチャーやオルタネートが全然ないのが潔く、その分迷わずサッと使えるだろう。3ウェイト。
アルゼンチン優勝おめでとうという事でこちら。柔らかいフェミニンなモダンスクリプト。ゆったりしたグリフと揃ったベースラインで読みやすい。この手の書体の例に漏れず、小文字にはスワッシュオルタネートとリガチャーがある。全体的に女性的な印象なので、そちら方面でどうぞ。1ウェイトのみ。エムバペよく走ったけどねー残念でした。
ヴィクトリア朝風味あふれるゴシック/ブラックレター。Old English スタイルのだいぶ時代が下った頃のタイプで、かなりデコラティブ。カリグラフィーの要素が入っており、スワッシュオルタネートやリガチャーがかなり豊富で、バリエーション豊かな文字組みが楽しめる。クリスマスにもよろしいかと。1ウェイトのみ。
シックなモダンローマンのオープンフェイスディスプレイ。しっかりしたスタンダードなグリフのモダンローマンをベースに、大変控えめなスワッシュの付いたオルタネートと、これまた「リガチャーか?」と思うぐらい控えめな(笑)リガチャーが数種ある。ウインターホリデー向けの書体は子供向けのポップなものが多いが、これは実にシックで大人向け。Christmas Display とはあるが、もちろんそれ以外の時期でも使えるだろう。1ウェイトのみでイタリックもなし。
デコラティブなスラブセリフディスプレイ。細めのウェイトのほぼモノラインのスラブセリフがベースで、ストロークのあちこちがちょっとにゅよっとカーブしてるのが特徴。スワッシュオルタネートがかなり豊富にあり、総グリフ数が1000を超える。1920年代に発売された Canterbury という書体にインスパイアされたものとのこと。確かによく似てはいるが、こちらの方がxハイトがかなり大きい。名前はスペイン語で「歌の練習」とかそういう意味の canturía から来てるそうな。イタリックはなく5ウェイト。ただいま60%オフセール中。
自分でエレガントって言っちゃってるエレガントなディスプレイ。コントラストの強いフレアセリフ?で、全体的にカウンターが広めでゆったりしている。リガチャーやスワッシュオルタネートが多数あり、イメージのようにおもしろい文字組が楽しめる。イタリックと2種で1ウェイトずつ。
文字そのものが震えてるハンドライテン。これは映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作『指輪物語』の作者、J.R.R. トールキン John Ronald Reuel Tolkien(1892–1973)が、毎年クリスマスの時期に自身の子供たちに宛てて「サンタのふりをして」書いた手紙の文字からデザインを起こしたものである。文字は老人が震える手で書いたことを想定しており、ガッタガタである(笑)。手紙は長男のジョンが3才だった1920年から、末っ子のプリシラが大きくなるまで20年以上に渡り続いた。内容はホッキョクグマが厄介なことをやらかしたとか、とにかく周辺で起こったドタバタな事件を毎年おもしろおかしく創作しており、それらは Letters from Father Christmas(英国では Father Christmas という呼称が一般的)という書籍にまとめられている。邦訳版もあり、旧版は現物写真がまったく載ってなくてこの筆跡を見ることができなかったが、2006年にそれが掲載された『ファーザー・クリスマス―サンタ・クロースからの手紙』が出版された。いま入手するならこちらがいいだろう。
繊細なカッパープレートスクリプトとコンデンスなオールドスタイルローマンのデュオ。スクリプトはカッパープレートのそれのスタイルだが、通常に比べて小文字のxハイトがかなり大きく、可読性が良くなっている。ただし派手なオルタネートはない。ローマンの方は一見コントラストが強いのでモダンローマンに見えるが、肉付きをよく見るとオールドスタイルのようである。全体的にライトウェイトで幅が狭く大文字のみ。同じポイントでほぼサイズが揃うので、以前紹介した Beverly Hills のように両方を混ぜて使うのも面白い。ローマンはさらに幅が狭い Condensed もある。ただいま50%オフセール中。