サンセリフとセリフのバリアブルフォント。通常バリアブルとはウェイトや字幅の変化を自由に設定できるものが一般的だが、これはなんとセリフの有無を設定できる。見ての通り、サンセリフから段々とセリフを生やす(笑)ことができるという変わりダネである。いろんな事を考える人がいるものだなと思う。Rotis の Semi Serif のように片方だけセリフを生やすとかできればもっとおもしろかったかも。ウェイトは Thin から Extra Bold 相当まで変化させることができるとのこと。キリル文字もサポート。イタリックあり。
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2年前にリ・デザインされて発表された Helvetica Now に、バリアブルバージョンが追加された。元はオプティカルで3種類あり、かつ字幅も Condensed と2種類あったが、それらに加え更に Compressed も追加してひとつのフォントに押し込めたらしい。オプティカルがどうなっているのかちょっと不明だが、恐らくサイズによってデザインが変わってくるのだと思われる。またバリアブルなので、元にはなかったウェイトや字幅も自在になった。イタリックと2種。ただいま33%オフセール中。
本日は画家のエドガー・ドガ Edgar Degas の誕生日(1834)。ドガと言えばバレリーナ、ということでこちら。名前の割にはやや男性的な雰囲気のシグネチャースクリプト。ストロークは鋭くダイナミックで、グリフもやや崩れ気味でラフである。ウェイトコントラストも少々あり。硬めの筆ペンかなという感じである。オルタネートはなく、小文字のリガチャーが10種ほど。1ウェイト。
繊細でかわいらしいスラブセリフ。スラブセリフというとがっしりしたものが多い印象だが、こちらは軽くて結構フェミニンである。コントラストが弱くほぼモノラインで、xハイトが小さく字間も広めとモダンである。大きな特徴としてスワッシュオルタネートが豊富で、1文字につき最大で5種類ほどもある。本文用としても十分だが、ご覧の通りフェミニンなディスプレイとしても使用可能。6ウェイトあるが、一番重い Black でも通常の Bold ぐらいの重さしかない軽い書体である。ただいま60%オフセール中。
本日はオランダの画家レンブラント Rembrandt Harmensz. van Rijn の誕生日(1606)という訳でこちら。羽ペンで書いたようなクラシックなスクリプト。レンブラントの Jan Cornelis Sylvius, Preacher という僧侶を描いた銅版画にあった文字にインスパイアされたものとの事。リンクを辿ってご覧いただければ判るが、絵の下1/4ほどにラテン語が書かれており、これの事だろう。所々インク溜まりのような黒々とした塊があり、ストロークのウェイトも不安定である。おそらくペン先が安定してない、つまり羽ペンのような素材で書いたのではないかと思われる。が、そもそも銅版画で鏡像に彫られたものであり、しかもレンブラント本人の筆跡かどうかも判らないとの事(笑)。まあでもクラシックな雰囲気があってよろしいのでは。現代らしくスワッシュオルタネートやリガチャーがいくつかある。名前はレンブラントの妻の名からとったそうな。1ウェイト。
2015年にこのブログで P22 Marcel という書体を紹介した。この書体はあるフランス人男性が書いた手紙の筆致から起こしたものなのだが、フォント制作者のアメリカ人女性はこのフランス語の手紙の内容がどうしても知りたくなった。なぜならこれは、第二次大戦中にドイツからフランスへと送られたものだったからだ。その手紙が、なぜミネソタのアンティークショップで売られていたのか。この手紙を書いた男性は、受け取った人は、その後一体どうなったのか。この本は、それらを調べた顛末を記したものである。Amazon では200件以上ものレビューが付いており、かなり好評だったようである。
興味はあったものの、この本はいわゆるタイポグラフィ本ではないので、筆者の Amazon カートの「後で買う」リストに長年放置されていた。しかしたまたま最近覗いてみたところ、データのミスなのかなんなのかなんと「393円」となっており、しかも残り1冊だったので「まあ買うか」とポチっていま筆者の手元にある。小口がアンカットでクラシックな雰囲気があってよい。ただ筆者は英語が大して読めない。この Marcel 氏の運命を知ることができるのがいつになるかは知る由もない。ひょっとしたらそのまま古書店へ流れる可能性もある。そしてたまたま手に取った人が興味を持つ事になれば、それもまたおもしろいだろう(そうか?)。
ちなみに本日7月14日はパリ祭(フランス建国記念日)だそうである。そんな日に届いた事にちょっと縁を感じる。
植物的なエレメントが特徴的なスクリプトディスプレイ。パッと見ではちょっと分かりづらいが、ストロークがツタになっており、所々に葉がちょろっと付いている。そんな感じなのでどうにも長文には向かず、ロゴやちょっとしたキャッチコピーなどにしか使えないだろうが、うまく使えばハマるだろう。アロマショップなどにいいんじゃなかろうか。1ウェイト。
モダンなディスプレイローマンとスクリプトのデュオ。ローマンは最近流行りのエレガントな雰囲気を持った変形モダンローマンで、大文字のみでリガチャーやオルタネートがいくつかあり。スクリプトもかなりゆったりした優雅なタイプだが、小文字の r が単体だとちょっと読めない(笑)。もうちょっとなんとかならんかったんかなと思うが、全体的にライトウェイト、フェミニンで高級感がある。どちらも1ウェイトずつ。
またまたおもしろディスプレイローマンを紹介。この手としてはめずらしくファミリー展開されており、イタリックがあってウェイトも7つある。が、どれも結構細く、一番重い Bold でやっと普通の Regular かなという感じである。グリフはそこまで奇抜ではないが、一部 f や g などにかなりの変形が見られる。小文字のすべてと大文字の一部にスワッシュオルタネートあり。アップライトはバリアブルタイプもある。ただいま50%オフセール中。
キテレツモダンローマンとスクリプトのデュオ。ローマンの方は最近よく紹介している変形モダンローマンで、ウェイトが太めで雰囲気もややポップ。スクリプトはモノラインでダイナミックなタイプ。めずらしく全体的に男性的な雰囲気がある気がする。双方ともリガチャーが少々ある。ローマンの方は大文字のみ。どちらも1ウェイト。