リガチャーが美しいエレガントなディスプレイローマン。基本はゆったりした優雅なモダンローマンで、適度にウェイトがあって繊細なだけではないゴージャスさを醸し出しており、変わったリガチャーがそれに華を添えている。ただリガチャーの種類はさほど多くはないので、スペルによってはまったくこれが活きない事になるかもしれない(笑)。使うにはちょっと注意が必要だが、うまくハマれば大変効果的だろう。1ウェイトのみ。
Category: Display
本日はマドンナ Madonna の誕生日(1958)。マドンナと言えば Like a Virgin というワケでこちら。オシャレなサンセリフとスクリプトのデュオ。サンセリフの方は太めのジオメトリックとネオグロテスクの中間のようなテイストで大文字のみ。スクリプトは細めのモノラインで、傾きが強く大文字と小文字の差が大きいシグネチャータイプだが、そこまでグリフは崩れていないものの流れが重視されててやや読みづらくはある。多分スクリプトをメインにしてサンセリフはサブ、の方がオシャレに収まるだろう。逆だとちょっと野暮ったいかな…。それぞれ1ウェイトのみ。
本日『バナナの日』らしいのでこちら。グリフがちょっと変わってるかわいらしいディスプレイ。フリーハンドでやや丁寧に書いたようなストロークで、ややオーガニックなニュアンスが残っている。グリフが普通ではなく結構変形しており、カジュアルで楽しい雰囲気を醸し出しているのが特徴。ちょっとクセがあるが、スイーツや子供向けのものに似合うだろう。2ウェイト。
レトロなレタリングスクリプト。’50年代イタリアのプロダクトや自動車などによく使われていたような書体で、それらは製品のパーツにしやすいようモノラインのものが多かったが、こちらはかなりコントラストが強くアール・デコ風味が出ている。ステムやリレーションが直線で、こういうのもジオメトリックというのだろうか。作者はドイツ人だが、イタリア旅行に行った際にあるバーで見た灰皿にあった Nido(イタリア語で「巣」) というロゴにインスパイアされて作ったとのこと。また想像を膨らませ、架空のホテル・カポリの VI としてこの書体を採用し、カードなど色々ツールを作ったそうな。このホテルがあるのがアルコナ岬 Cape Arcona という架空の土地で、それがそのままファウンダリー名となっている。
本日はクラーク博士 William Smith Clark の誕生日(1826)。Boys be Ambitious ということでこちら。オシャレ感満載のフォントデュオ。サンセリフはコントラストが強く、細いストロークはヘアラインとなっている。グリフはごくスタンダード。スクリプトはモノラインで、グリフはややラフでちょっと崩れているが、そこまで暴れてはいないので読むのにさほど苦労はない。小文字にはリガチャーが結構あり。それぞれ1ウェイトずつ。
本日『スイカの日』らしいのでそのものズバリを。ラフで図太く(chunky)ポップなサンセリフディスプレイ。フリーハンドでラフにレタリングしたようなグリフの書体で、カジュアルでかわいらしい。作例は大文字のみだが小文字もあり、意外と使い勝手が良い。この辺の書体は結構使うシチュエーションを選ぶが、ハマればなかなかの効果を発揮すると思う。1ウェイトのみ。
本日は作家アレクサンドル・デュマ Alexandre Dumas の誕生日(1802)。代表作『三銃士』にちなんで「銃士」の名を持つ書体を紹介。アール・ヌーヴォー風味のディスプレイローマン。プロポーションが上か下に偏ったグリフが特徴で、h/m/n の右足がぐっと斜めに張り出しているのもおもしろい。全体的に Windsor にも似ているが、こちらの方がより繊細かなという感じ。古い書体なのでオルタネートが皆無なのが残念。4ウェイト。
ちなみにこのダルタニアンと三銃士の老年期を描いた『仮面の男』は結構好きな映画。あのディカプリオがほぼ脇役でしかなかったという(笑)。
本日は『月面着陸の日』(1969)なのでこちら。繊細でモダンでレトロな?サンセリフディスプレイ。ライトウェイトモノラインのジオメトリックサンセリフをベースに、ストロークが交わる箇所にインク溜まりを付けた書体。そのままだとちょっと退屈になりそうだが、このインク溜まりがいい効果を発揮している。雰囲気はモダンなようで、グリフはややアール・デコ風味があってレトロである。OO と TT にだけリガチャーがあり。1ウェイトのみ。
先日は『海の日』だったのでこちら。繊細でシックなローマンディスプレイ。全体的にややジオメトリック寄りの骨格だが、作例の A のように一部柔らかな曲線が入っていて、冷たい雰囲気を緩和している。e の斜めの曲線バーと g の変わったグリフが特徴的。大文字小文字ともにリガチャーが多少ある他、作例の E や O のように星が入ったオルタネートがある。1ウェイトのみ。
本日は画家クリムト Gustav Klimt の誕生日(1862)なのでそのものズバリを。アール・ヌーヴォーとアール・デコの中間風味のあるディスプレイ。ややコントラストのあるエレガントな書体で、説明には「クリムトの手書き文字をベースにした」とある。けどこんなレタリングしてたんかな…? ミュシャなら分かるが、クリムトがやってたかどうかは不明。ただ、手書きの不安定さはちょっと残っていて、それが味になっている。大文字のみ。