レトロな雰囲気を持ったセリフドゴシックとモノラインスクリプトのデュオ。勝手にセリフドゴシック(Serifed Gothic)なんて造語を用いたが、要するにコントラストのない(弱い)サンセリフにセリフと呼ぶにはかなり小さいセリフがちょこんと付いたものをこう呼ぶ事にする。ゴシックは小文字がなくてスモールキャップスで、ゴシック・スクリプト共に1ウェイトしかないが、見ての通りオルタネートが、そんなに豊富でもないが、まぁまぁの数があって、色々と文字組みが楽しめる。実際販売サイトへ行って作例を見て欲しい。作者はインドネシア在住の模様。向こうもラテンアルファベットが常用されてるので、欧文に関する感覚は日本人より優れているのだろう。
Category: Display
本日は真珠湾攻撃の日で、ジョン・レノンの命日で、AKB48劇場杮落しの日なのだが、どれにもちなんだ書体が見つからなかったので普通に紹介する(笑)。コンデンスでコントラストの強い Didone ディスプレイ。ヘアラインが極端に細く、かすれてしまいそうで目がチカチカする。ストロークがフックしている所にはティアドロップターミナルが付いている。全体的に18~19世紀オランダのオーナメント活字のような雰囲気がある。2ウェイトあって、Regular と Bold の差がかなり大きい。ただいま45%オフセール中。
ちょっと変わったディスプレイサンセリフ。字形はローマンキャピタルを基本としており、均整が取れていて美しいが、変わっているのがそのステム。インラインになっているのだが、その入れ方がステムが捻れて見えるように入っている。まるでチュロスで作った文字のよう。プロポーションのせいかファンシーさはなく、どことなくラグジュアリー感がある。高級な化粧品や香水のパッケージなどに使用すると映えると思う。小文字はなくスモールキャップス。1ウェイト。
ローマンキャピタル書体の代表格・Trajan のサンセリフ版。まああまり説明の必要はないだろう。このテのサンセリフはいくつか出ているが、ほぼほぼこれが決定版だと思う。なんたって最も美しい Trajan がベースになってて、その同じ発売元の Adobe から出てるのでね。ギリシャ文字とキリル文字が追加になっているが、これは大元の Trajan もバージョン3(Trajan Pro 3)になって追加されている。6ウェイト。
様々なタイプのレトロなディスプレイが集まったミクスドファミリー。ウェイトやイタリックなどのバリエーションを除いても10種類ほどのスタイルがあって、全体的にアウトラインがガタガタしており、粗悪な印刷や手書きのレタリングっぽくなっている。基本的にはどれも字種はベーシックなものばかりだが、ローマンのアウトラインスタイルの Engraved とモノラインスクリプトの Cursive は、スワッシュオルタネートが豊富に付属している。あとキャッチワードとオーナメント、フレームがファミリーにある。この辺は正直その時代の広告や商品パッケージなどを知らないと使いこなすのが難しいが、スーパーのワインやウィスキーなどの売り場や、KALDI などの海外食品を扱ってる店へ行って、色々とサンプルを探してみるのも楽しいと思う。
本日は昨日も説明した通り Black Friday、という事で Black Foundry の(笑)書体を紹介。Gauthier FY という書体のディスプレイ版。ご覧いただければ判るが元は普通の肉付きをしたオールドスタイルローマンだが、こちらはプロポーションはそのままにヘアラインだけで構成されており、かなりモダンな印象になっている。加えてイタリックには元はないスワッシュオルタネートが加えられていて、文字組みのバリエーションが広がっている。見ての通りちょっと小さくは使えないが、ハイファッション誌などに重宝すると思う。ちなみにこのファウンダリーは改名しており、元は FontYou という名前だったようで、そのため書体名にはイニシャルの FY が付いている。
本日は「勤労感謝の日」。だがそんなものにちなんだ書体はないので他にネタを探した所、現在の5,000円札の肖像に選ばれている樋口一葉の命日でもあるそうな。一葉=葉っぱ、って事で葉っぱをモチーフにデザインされた書体を紹介。見ての通り、長方形の対角2ヶ所が円弧になっていて、どことなく葉っぱっぽい形になった図形をベースに文字を形成したものである。エコとか園芸関係の業者のロゴとかによくありそう。ま、こんなんでお茶を濁しておきましょうか。皆さんよい休日を。
本日は 1111 というキャッチーな見た目のせいか、すごい数の「なんとかの日」が制定されているが、代表格の「ポッキー&プリッツの日」(代表か?)にちなみ、見た目がポッキーっぽいこの書体を紹介。ウルトラコンデンスなサンセリフ。映画のタイトルやエンドロールで、こんな感じに凄まじく細い書体を見たことがあるだろう。あの辺を狙ってデザインされたもののよう。ファウンダリーはインドにあるらしく、映画大国だけあって、こんなのも需要があるのだろう。大文字だけかと思いきや、小文字もちゃんとある。g は1階建てと2階建ての2種類。5ウェイト。
スクリプトとフレアセリフのミクスドファミリー。マリー・アントワネットにヒントを得たとあり、スクリプトの方はロココ調のかなりデコラティブなアップライトで、総グリフ数は900弱と最近のスクリプトにしてはやや少なめ(それでも多いわ)。フレアセリフは大文字のみで、コントラストが強く、通常のソリッドなものの他、インラインタイプが別にある。この辺の書体は使いこなしが難しいが、MyFonts にはかなりの数の作例が載っているので、参考にするといいだろう。ただいま70%オフセール中。
本日は紅茶の日。という事で、英国で午後に紅茶を飲む習慣である「アフタヌーンティー」をそのまま店名にしている某店(バレバレ)のロゴ、に近い書体を紹介。近いというか多分これじゃないかと思う。20世紀前半に活躍したアメリカのタイプデザイナー、Morris Fuller Benton がデザインしたベネチアン書体のオープンフェイスタイプである。クラシックで優雅な雰囲気があり、英国の貴族趣味を表現するのにもってこいだろう。Linotype はこのオープンフェイスしか書体にしてないみたいだが、当然ノーマルタイプもあり、それは URW++ と Lanston Type Company (LTC) が書体化している。筆者は LTC の方が好みかな。スワッシュイタリックが優雅である。