本日はアメリカの作家で『ティファニーで朝食を Breakfast at Tiffany’s』の著者、トルーマン・カポーティ Truman Garcia Capote の誕生日(1924)。というわけでこちら。名前だけ同じなトゲトゲしいディスプレイローマン。何年にデザインされたのかはっきりしないが、版元の ITC の設立が1970年なので、書体としてはそこまで古いワケでもないだろう。Ronaldson と Caxton という書体をコンバインさせたと説明にはある。コントラストの強いトランジショナルスタイルで、セリフは結構鋭くトゲトゲしい。e のバーが斜めなのと、イタリックの f のテールが流れているのがクラシカル。4ウェイト。
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以前紹介した TT Ricordi に新しいファミリーが追加された。元々が変わったグリフのクラシカルなディスプレイだったが、これも同じ骨格にセリフのバリエーションを追加した、というような感じ。画像の通り、セリフが片方なくなっており、また線がクロスする部分にインクトラップが追加されている。小文字はなくリガチャーが結構あり。あとヴィクトリア風のオーナメントもいくつかある。今回はウェイトバリエーションがあり、バリアブルタイプもある。marmo とはイタリア語で大理石の意。ただいま60%オフセール中。
繊細でエレガントなモダンローマンディスプレイ。ヘアラインも細いが太いステムも細いので(どういうこっちゃ)、全体的に大変繊細な書体。大文字にはリガチャーが多く用意され、おもしろい文字組が楽しめる。この手は大文字のみという書体が多いがこれは小文字もあり、イタリックもある。1ウェイト。
ちなみに最近よくロゴのデザインを行っているが、このような書体を選んでもロゴのスペルにリガチャーがない、ということが本当によくある。哀しすぎる…。
硬めでかっちりしたモダンローマンディスプレイ。かなりシャープなラインで整えられた書体で、Didot などは E や L、S 等にはブラケットがあるが、これはすべてのブラケットが省かれていて機械的な印象すらある。大文字にはリガチャーが10種ほど。全体的にクラシックで男性的な印象があるだろうか。ウェイトは9つでイタリックはなし。
高級感のあるフレアセリフディスプレイ。基本はハイコントラストでコンデンスなタイプだが、C や O などの丸い字はゆったりと大きなグリフになっており、それが文字組みにゆらぎを生んでいる。大文字にはリガチャーが20種ほどあり。全体的にクラシカルで優雅な雰囲気があり、筆者の思うカラっと明るいカジュアルな「カリフォルニア」とはちょっと違う印象。まあ行ったことがないんだけど(笑)。1ウェイト。
本日はオランダの画家レンブラント Rembrandt Harmensz. van Rijn の誕生日(1606)という訳でこちら。羽ペンで書いたようなクラシックなスクリプト。レンブラントの Jan Cornelis Sylvius, Preacher という僧侶を描いた銅版画にあった文字にインスパイアされたものとの事。リンクを辿ってご覧いただければ判るが、絵の下1/4ほどにラテン語が書かれており、これの事だろう。所々インク溜まりのような黒々とした塊があり、ストロークのウェイトも不安定である。おそらくペン先が安定してない、つまり羽ペンのような素材で書いたのではないかと思われる。が、そもそも銅版画で鏡像に彫られたものであり、しかもレンブラント本人の筆跡かどうかも判らないとの事(笑)。まあでもクラシックな雰囲気があってよろしいのでは。現代らしくスワッシュオルタネートやリガチャーがいくつかある。名前はレンブラントの妻の名からとったそうな。1ウェイト。
またまた奇っ怪な書体を紹介。ハイコントラストな変形モダンローマンディスプレイ。一見フレアセリフに見えるほどセリフが細いのが特徴で、一部の文字がかなり変わったグリフをしている。やっぱりおもしろいリガチャーも豊富にある。ロマン主義の頃の雰囲気を持たせてあり、名前もナポレオンの生年にしたとある。なるほど当時の雰囲気のような感じはする(なんとなく)。しかしやっぱり分類名に悩むな…これこそグロテスクなんだけど、もう別に使われてしまってるしな…。
MyFontsがサマーセールを6月23日(日本時間)まで行っているので、対象の書体をひとつ。古典的なカッパープレートスクリプトとモダンローマンのデュオ。スクリプトの方はクラシカルでスタンダードなタイプで、グリフ数が1000を超えてはいるが、全体的におとなしめでさほど派手なスワッシュオルタネートはない。ローマンの方は大文字のみでやや幅広でずんぐりしたプロポーション。カッパープレート風味があるといえばそうかもしれない。双方とも6ウェイトずつあるが、バリアブルタイプもある。ただいま50%オフセール中。サマーセールはかなりの数の書体が対象になっているので、欲しい物がないかチェックするのをお勧めする。
やや刺々しくてデコラティブなディスプレイ。19世紀末頃の Julius Herriet というデザイナーの Old Style Ornamented という書体をデジタル化したものだそうだ。それにイタリックとウェイトを追加してファミリー化している。イタリックは一見ただ傾けたオブリークタイプだが、オルタネートに a や g に1階建てを持っており、ちゃんとイタリックさせることができる。名前の意味は「過多」とか「やりすぎ」とかいう意味らしい(確かに)。10ウェイト。
…ていうかこの書体、筆者がその昔フォント化を目論んで断念した(笑)書体やないか…。筆者はこれを英国の Stephenson Blake というファウンダリーの見本帳で見たのだが、作者は不明だった。判明してよかった(ちきしょー)。
品の良いコントラストの付いたディスプレイサンセリフ。カウンターが大きめでゆったりしたグリフで、ストロークはローマンのようにコントラストが付いており、大変エレガントな雰囲気がある。ファミリーも多く太めのウェイトもあるが、作例のように細いウェイトを使う方がよりエレガントだろう。25年もかけて作った力作だそうである。7ウェイト。ただいま65%オフセール中。