名前の通りアンティークな雰囲気のあるディスプレイ。モノラインの平べったいグリフに大きなウェッジ型のセリフが付いた書体で、どことなくカッパープレート風の高級感ある雰囲気が漂っている。なんでも19世紀末に発売された子供向けのドローイングステンシル(鉛筆でなぞると絵が描ける形が抜かれたプラスチック板。こんなの)セットのパッケージの書体から起こしたものとか。当時は子供向けでもなかなかエレガントだったんだなと思う。オブリークタイプと2種あって、それぞれ1ウェイト。
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クラシカルなモダン(どっちやねん)ローマン。セリフにはブラケットがあるが、コントラストや骨格はモダンローマンのそれなのでまあモダンローマンだろう。アップライトは16世紀フランスの Robert Granjon、イタリックは17世紀オランダの Dirk Voskens の書体を参考にしたとある。確かにちょっとスタイルが違い、イタリックの方は結構カリグラフィック。コントラストは結構強い方なので、本文には向かないだろう。字幅に3種あって、レギュラーとそれより細い Condensed、さらに細い Extra Condensed がある。それぞれイタリックもあって6ウェイトで合計36種と大所帯。
繊細で優雅なカッパープレート。雰囲気的にスペンサリアンっぽくもあり、大変美しい。よくよく見ると、太いストロークの端にちょろっとしたなんかが(笑)付いている。大文字のベースラインに沿ったストロークが特徴的。オルタネートやリガチャーがあるかどうかはシステム上ちょっと確認できないが、多分あると思いたい(希望)。1ウェイト。
本日は『ビスケットの日』らしいのでこちら。オールドアメリカンなローマン。かの Frederic Goudy が、National Biscuit Company のロゴとして1901年にデザインした文字を元に、1916年に制作したものとの事(元のロゴはこちらのブログで見られる)。この会社はのちに名前を略して改称しており、それがかの「ナビスコ」だそうである。ヴェネチアンをベースに Goudy らしいアレンジがされており、古き良きアメリカンな感じがしてとても良い。これに似合うオーナメントも多数グリフ内にある。イタリックもあって3ウェイト。
クラシカルな正統派本文用ローマン。最近じゃちょっとめずらしいぐらいの正統派だが、b のステムがベースラインのところでカーブしてたり、一部ちょっとカリグラフィックなエレメントが入っているのが特徴。グリフには st や ct のリガチャーがある他、数字にローマ数字と、括弧付き、箇条書き用にドット付きがある。んなものなくても普通に組めばいいとは思うが(笑)、まあ便利といえば便利。イタリックも当然あって4ウェイト。
ダイナミックなカッパープレートスクリプト。全体的に割とコンデンスでスタンダードなグリフをしており、見ての通りかなりハデなスワッシュオルタネートが多数ある。オルタネートは異体字切り替えではないようで、ex2 / ex3 とファイルが分かれている。この手としてはめずらしくウェイト展開されており、5ウェイトもある。合計で15ファイルあるが、単体と全体パックでほぼ金額が変わらないので、買う時は全部買った方が断然おトクだろう。バレンタインにどうぞー。
フレンチ風味のディスプレイローマン。幅広でどことなくカッパープレート風味のあるローマンで、大文字のみのスモールキャップス。リガチャーが大小両方に豊富にある。このテはだいたい大文字か小文字?のどちらかに偏るが、両方にあるのが嬉しい。フィルがソリッドなノーマルと、ラインの入った Initials がある。「このへんのどこがフレンチ?」と思う人も多いだろうが、つい最近入手した Graphique de la Rue というフランスの町中で見かける文字を集めた本を眺めてると、確かにこういうのも多くある。というわけで、安心して「フランス風味だぞ」と喧伝していい(笑)。
ヴィンテージ感あふれるディスプレイローマン。古い印刷物からスキャンしたような整っていないアウトラインの書体で、見ての通りスワッシュオルタネートがあるのだが、それらも古いテイストのスワッシュで、全体的にとにかくクラシカル。フィルはソリッドなものと、画像のようにところどころ抜けたラフな Vintage というバージョンがある。それぞれイタリックもあり。
なんかエリック・ギルに関するニュースがちょっと流れてきたのでこちら。ギルのあまり知られていないディスプレイローマン。元は英国の WHSmith というチェーン書店のためにギルがデザインしたロゴ?を基に作った書体らしい。カリグラフィーで使うブロードエッジのペンで書いたようなコントラストが付いた、クラシカルなタイプである。ギルにしては全体的に骨格がちょっと無骨で硬い感じがするのだが、元のデザインがそうだったのかどうかは不明。Regular と Titling の2種。
本日はアメリカ独立宣言書に署名した5名の政治家のひとりで発明家、印刷業者のベンジャミン・フランクリン Benjamin Franklin の誕生日(1705 ユリウス暦)ということでこちら。古き良きアメリカンなサンセリフ。名前はこのベンジャミン・フランクリンからとられてるようだが、デザイン的にはまったく関係ないそうな(笑)。100年以上前にデザインされた書体なので、大変素朴でヴィンテージ感が溢れている。説明文には「もしブルース・スプリングスティーンが書体だったらこれだろう」とある(なんのこっちゃ)。米軍払い下げ品やアメリカの古い雑貨を取り扱うような店にはベストマッチだろう。バーボンにも。デジタル化に当たっては拡張されており、字幅が4種、ウェイトは字幅によって2~4種ほど。