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ITC New Rennie Mackintosh

本日はスコットランドの建築家・デザイナーのチャールズ・レニー・マッキントッシュ Charles Rennie Mackintosh の誕生日(1868)。なので氏の名を冠した書体を詳解。アール・デコ風味のあるディスプレイ。元々マッキントッシュがスケッチしてたものを元に書体化したものだそうである。全体的にコンデンスで、A や H のバーが二重になっていたり、M の中にドットがあったりと一部若干変わったグリフになっているのが特徴的。割と古い書体だが、最近ウェイトが増え、ギリシャ文字とキリル文字がサポートされて New となった。4ウェイトでイタリックもあり。

Category(s)
Design Date
1996, 2017
Publisher
ITC

OCR B

OCR B

本日はスイスのタイプデザイナー、アドリアン・フルティガー Adrian Frutiger の誕生日(1928)なので、氏が制作したこちら。誰もが日常的によく目にするサンセリフ。どこで見てるかと言うと、市販商品のバーコードの下にある数字。アレはどの商品のものもほぼこの書体である。名前の通り、OCR(Optical Character Recognition: 自動文字読み取り装置)で誤読を極力防ぐために開発されたもので、元々は他の書体 OCR A があったが、あまりに機械で読みやすいようにし過ぎたため文字としてはちょっと奇抜であり、「これちょっと変じゃね」という事になって、より文字として読みやすいこちらが開発された。今となっては OCR A も面白くて個人的には好きだが、現在はこの OCR B の方が主流である。機械のための文字なので、モノスペースでイタリックもなし。もちろんウェイトバリエーションもない。ただただ、生活を便利にするために開発された書体である。

Category(s)
Design Date
1968
Designer(s)
Publisher

Avenir Next World

Avenir Next World

ワールドワイドになった Avenir。1988年に Adrian Frutiger によって「Futura をもうちょっとヒューマニストに」と制作された Avenir が、2012年に小林章さんによってリファイン・拡充されて Avenir Next となり、この度さらに多数の言語をカバーして再拡充された。各アクセント記号を含めたラテン文字はもちろん、キリル文字、ギリシャ文字、アラビア文字、タイ文字、ヘブライ文字、グルジア(ジョージア)文字、アルメニア文字を同様のテイストでデザインして収められており、グリフ数は2000を超えている。ただしイタリックにはアラビア文字、グルジア文字、タイ文字はないそうだ。「全部はいらんから安くして」という人のために(笑)、それぞれの文字セットをバラにしたものもある。デザイナーには日本人では小林さんの他、大曲都市さんの名前も見える。10ウェイト。ただいま50%オフセール中。

ちなみに画像には、金環食完成の前後に見える「ダイヤモンドリング」という現象が描かれていると思われる。この紫の部分がかの有名な「コロナ」である(笑)。本来いい名前なんだけどねぇ…。

Futura Now

Futura Now

ジオメトリックサンセリフの代表・Futura が大幅に拡張されて新登場。Neufville の Futura Next の向こうを張ってか、Futura Now と名付けられている。ノーマルタイプは本文用の Text と見出し用の Headline に分かれ、それぞれ字幅の細い Condensed があり、それぞれにイタリックもあって9ウェイトずつ。ギリシャ文字とキリル文字もサポートされている。また今回新しく、やや角張った印象で字幅が細く字間も詰まった Display、それとなんと Script タイプが追加されている。Stencil は昔からあったかな? あとはディスプレイ用に Outline、Inline、Shadow がある。ノーマルと Display、Script はバリアブルタイプもあり。ただいま75%オフセール中。

Electra

Electra

本日終了の Type through the Eras セールより紹介する最後。割と有名なトランジショナルローマン。20世紀中頃にアメリカで制作されたもので、人によってはモダンローマンに分類するかもしれないぐらいにそっち寄り。本文用として設計されており、コントラストは強いものの、結構読みやすい。手持ちの書籍でこれで組まれたものがあり、なかなかエレガントでいいなと思った。かくんと折れ曲がった f がなかなか特徴的である。本文用と見出し用の Display があり、それぞれイタリック(Cursive と呼称)もあって2ウェイトずつ。

Category(s)
Design Date
1935
Publisher

Windsor

Windsor

珍しく筆者の好きな古い書体を紹介。ぼったりしたレトロなローマンディスプレイ。20世紀初頭に英国で生まれた書体で、アール・ヌーヴォー風味をちょっと取り込んでいる。ストロークのウェイトにややばらつきがあり、縦のセリフが斜めだったり、P や R が頭でっかちだったり、U が尻でっかちだったり、h や n などの右のステムが斜めだったりといろいろと変わったグリフが見られる。3ウェイトあって、一番重い Ultra Heavy は見た目が Cooper Black に近くなる。ほかディスプレイ用にコンデンスな ExtraBold Condensed、さらに細身の Elongated、フィルのない Outline がある。

Category(s)
Design Date
1905
Publisher

Linotype Didot

Linotype Didot

本日はファッションデザイナーのクリスチャン・ディオール Christian Dior の誕生日(1905)。Dior といえばモダンローマンの代表格のこの書体。ロゴはこのまんまではないが、かなり近いものが用いられている。18世紀にフランスの Firman Didot がデザインしたものを、Adrian Frutiger が現代に蘇らせたものである。Mac には標準搭載されているのでお馴染みの方も多いだろう。大変優雅でラグジュアリー感のある書体で、Bodoni と並びよくハイファッションで用いられている。またこの書体のようにコントラストが強く、ブラケットのない細いセリフを持つモダンローマンのタイプを “Didone” と呼んだりするが、その語源ともなっており、それぐらい定番となっている。あまりにも定番なので避けられるぐらいだったが(笑)、最近はカジュアルなスクリプトと組み合わせるのも流行っている気がするので、見直してみるのもいかがだろうか。

Category(s)
Design Date
1991
Publisher

Bembo

Bembo

めずらしくオールドスタンダードな書体を紹介。活字時代からある本文用オールドスタイルローマン。元は15世紀イタリアのプリンター、アルドゥス・マヌティウス Aldus Manutius が印刷したピエトロ・ベンボ Pietro Bembo の著書「De Aetna」の活字を参考にデザインされたもので、なのでこの名が付いている。まぁとにかくスタンダード、というかこの辺のスタイルの大本(おおもと)に当たるので、それもそのはずという感じではある。大文字がやや幅広で、R のレッグがぐぃっと出てるのが特徴的。ノーマルと Infant というタイプがあり、Infant(幼い)の方は a と g が1階建てで、y のディセンダーがフック状になっている。ノーマルの方は4ウェイトある他、Titling という大文字のみでグリフも若干違う見出し向きのものがある。Infant は2ウェイト。

Category(s)
Design Date
1928
Publisher

Auriol

Auriol

本日はアール・ヌーヴォーの旗手アルフォンス・ミュシャ Alfons Maria Mucha の誕生日(1860)。なのでアール・ヌーヴォー風味あふれる書体を紹介。ぼったりした植物的なニュアンスのあるステンシルタイプのディスプレイローマン。20世紀初頭にフランスで発表された書体で、当時全盛だった美術運動アール・ヌーヴォーの影響をモロに受けている。同系統の Arnold Boecklin と並び、割と有名な書体。全体的にぬちょっとした筆感があるのが特徴的。筆者的にはこの書体はオーナメントが主体ではないかと思っており(笑)、これらがもうとにかくアール・ヌーヴォー。これらを使いこなせればすればあっという間に当時の雰囲気を再現できるので、ぜひチャレンジしてみてもらいたい。イタリックもあって3ウェイト。

Category(s)
Design Date
1901
Publisher

Helvetica Now

Helvetica Now

世界一有名な(※個人の感想)書体である Helvetica に新ファミリーが登場。オプティカルになり、本文用の Text、キャプションなどの小さい表記用の Micro、見出し用の Display の3種が制作された。正直ひとつひとつのグリフを確認したわけではない(笑)ので詳細は不明だが、パッと見はスペーシングが変わったなという感じ。元の Helvetica は結構詰まっていた記憶があるが、Text はやや広め、Micro は結構広めに取られているように思う。従来はあまり長文向きではなかったが、これで耐えられるようになった。字幅はレギュラーと Condensed の2種。各タイプ8ウェイトずつあってイタリックもあり、合わせて96種。

Category(s)
Design Date
2019
Publisher
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