本日バレンタインデーということでこちら。やや太めのコントラストの強いラフなスクリプト。グリフがややがっしりしており、名前とは裏腹に男性的な書体である。まあ他の Valentine の名を持つ書体は甘々でファンシーなものばかりなので、これぐらい思い切ってもいいかもしれない。各グリフはあまりコネクションが取れてないが、リガチャーがそれなりにあるのでそれで補えばいいだろう。スワッシュはエンディングストロークが水平に伸びるぐらいで、派手なものはなく潔い。全体的にビターテイスト。「(より)黒いバレンタイン」の名にふさわしい。1ウェイトのみ。
Category: Script
シャープでクールなシグネチャースクリプト。シグネチャータイプでありながらグリフがはっきりしていて非常に読みやすいのが特徴で、こういったものはなかなか珍しい。A のグリフに小文字型、F の頭のストロークに逆向きを採用しているところもユニークである。小文字にはスワッシュオルタネートがあるが、これは異体字切り替えではなく、別ファイルになっている。なので Word とかでも使えるのが優しい。このファウンダリーは Etsy にしか出品してないのも珍しいが、ファウンダリー名と書体名が一般的すぎて検索しづらいのが玉にキズである(笑)。1ウェイトのみ。
本ブログでは名前だけちょいちょい出ていた、古い名作定番スクリプト。丸筆でさっと書いたような筆致で、画家のサインのような雰囲気がある。小文字は綺麗に繋がっているが、f や g など一部見慣れない字形があって、人によってはちょっと読みづらいかもしれない。大文字はいわゆるほぼブロック体のようなグリフなので、スクリプトにしては珍しく大文字だけで組んでも特に問題ない。全体的にカジュアルなフレンチ風味があるので、パティスリーやブーランジェリー、ビストロなどによく似合うと思う。1ウェイトのみ。
カジュアルでかわいらしいスクリプト。細いモノラインのストロークでゆったりと書かれ、小文字に比べ大文字はかなり大きい。曲線は直線的(?)で、S字のカーブはほとんどなく単純なので、全体的にかなりシンプルに仕上がっている。とてもカジュアルでかわいらしいが、欠点がちょっと細すぎるところで、小さくは使いづらいのがネックかなという感じ。1ウェイトのみ。
非常に繊細で優雅なカッパープレートスクリプト。めずらしく9ウェイトもあるスクリプトだが、一番太くてもなかなかに細く、まるで床に落ちた髪の毛のよう(例え方…)。xハイトが結構大きく、グリフを視認できさえすれば(笑)読みやすくはある。スワッシュオルタネートはかなりあるようで使い出があるだろうが、カリグラフィーの知識がないとセンスよく使うのはなかなか難しい。がんばってみて欲しい。
カジュアルでガーリーなシグネチャースクリプト。モノラインの柔らかいストロークで、小文字は小さく横の流れが強いが意外と可読性は悪くない。派手なスワッシュオルタネートはないが、小文字には微妙なグリフ違いのオルタネートとリガチャーが多数あり、手書きのブレが再現できるようになっている。雰囲気はやっぱりガーリーかなという感じ。名前は「10億の奇跡」という意味だが、10億もあるとそれが普通で奇跡とは呼べない気がする(笑)。1ウェイトのみ。
古典的カッパープレートスクリプトの定番書体。18世紀英国のカリグラファー、George Shelley の筆致を元に制作されたもので、均整の取れたベーシックなグリフをしており、非常に真面目な感じのする書体である。元々は Andante, Allegro, Volante の3種があり、順にグリフが派手になっていくようになっていたが、OpenType Pro 版になってひとつに統合され、アプリ側の異体字切り替えで対応するようになった(ちなみにアンダンテ、アレグロ、ヴォランテはクラシック音楽を嗜んでいる人にはお馴染みの用語である)。
最近はもっと派手なスクリプトも多くなり、この辺をあえて選ぶ機会もあまりないだろうが、定番なので知っておいてもいいだろう。1ウェイトのみ。キリル文字対応版もある。
レトロカジュアルなスクリプト。1933年にアメリカの ATF から発表された書体で、リボンを使って形作ったようなストロークが特徴的。制作された時代を反映してか雰囲気はとてもレトロでかわいらしく、カジュアルでありながら品もあり、一時は古臭く感じたものだが、最近は一周回って結構使えるんじゃないかと思う。このフォントは粗悪なコピーがフリーで出回っており、昔はいろんなところで使われているものを見たものである。それもまあ人気があった証拠ではあるだろうが、そんなに高くもないのでぜひちゃんと購入して使っていただきたい。Linotype 以外のいくつかファウンダリーからも販売されている。1ウェイトのみ。
さて、2023年のブログ更新はこれにて終了。来年もよろしくお願いします。佳いお年を。
クリスマスだがたまにはちょっと変わりダネ。本日は落ちるリンゴをヒントに万有引力の法則を導き出した(という逸話がある)かのアイザック・ニュートン Isaac Newton の誕生日(1642ユリウス暦)ということでこちら。そのものズバリ、ニュートンの筆致をフォント化したもの。1672年、新型の反射望遠鏡を王立協会へプレゼンした文書から起こしたものだそうである。比較的読みやすい字を拾ったそうだが、お世辞にもあまり上手とは言えない(笑)。ま、使ってみて天才の気分に浸るのもよろしかろう。メリークリスマス。
整然とした太めのモノラインスクリプト。カジュアルな雰囲気のスクリプトで、小文字がかなり生前としてカチッとしており、非常に読みやすくデザインされている。大文字は反対にやや自由にはなっているが、さほど暴れていないので可読性は良好。オシャレな雰囲気を演出したいが情報もしっかり伝えたい、という場合に使えるだろう。なんとなくパンケーキの得意なカフェのメニューっていう感じがする(笑)。名前の Yule ユールとは北欧のゲルマン民族が冬至の頃に行っていた祭りのことで、現在ではクリスマスと混合されており、英語では tide(時期)をくっつけてユールタイドと呼ばれている。