本日はミステリーの女王、アガサ・クリスティ Dame Agatha Mary Clarissa Christie の誕生日(1890)。というワケで同名の書体を紹介。なかなか珍しいタイプのディスプレイ。ゴシック(ブラックレター)をベースにしたと思われるデザインで、骨格に関しては普通のローマンに近づけた上で、ステムにゴシックの雰囲気を残している。かなりのハイコントラストで細いラインはヘアラインとなっており、小さなサイズではすっ飛んでしまうので、ある程度のサイズは確保すべきだろう。フィルがソリッドなレギュラーと、アウトラインのみの Outline、ステム内に装飾を施した Blossom の3種がある。2015年 TipoType Award の First Prize を受賞している。
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先頃より MyFonts が Fall into Fonts と称して秋のセールを行っている(なぜだろう…)。その中からひとつを紹介。ゆるゆるなモダンスクリプト。グリフの丸っこいかわいらしいタイプで、ベースラインも揃わずバウンシー。大文字にはオルタネートはないが小文字にはビギニング/ターミナルスワッシュがあり、その先にはハートが付いている(笑)。あとリガチャーも少々あり。アップライトと少し傾いた Italic もあり。それぞれ1ウェイトずつ。ただいま50%オフセール中で1書体500円ほど。
スワッシュが派手なモダンローマンディスプレイ。基本はヘビーウェイトのモダンローマンで、見ての通りぬちょっとしたテイストのスワッシュオルタネートがふんだんに用意されていて、おもしろい文字組が楽しめる。同じテイストのフローリッシュも別であり、足りないなと思ったら足せるようにもなっているので、これでもかとごたごた飾り付けるのもいいだろう。1ウェイト。ただいま50%オフセール中で600円ぐらい。
主張の強めなフレアセリフ。Regular ウェイトからして結構重めでコントラストが強く、見ての通り大きめなウェッジセリフが張り出していて、なかなかに主張が強い。x-ハイトが大きくエレガントさはないが、その分可読性は確保されており、Light 以下ならちょっとした長文にも耐えられるかなという感じ。ただやはりディスプレイ向きだろう。目を惹くリガチャーもちょっと用意されている。ディセンダーのループがオープンになった g のオルタネートが特徴的。イタリックもあって7ウェイトあるが、バリアブルタイプも用意されている。ちなみにこういったタイプの書体をちょくちょく見かけるようになり、どうもこちらも流行り始めてる気がする。ただいま75%オフセール中。
ちょっとめずらしいタイプのカリグラフィースクリプト。ブロードニブで書かれたイタリックだが、傾きがまったくないアップライトで、かつかなりコンデンスにデザインされており、短文だとあまり分からないが、長文を組むとアラビア文字のカリグラフィーの雰囲気が強く出る。どうしてだろなと作者の名前を見たら中東系で、ファウンダリーもトルコにあるらしい。アラビア文字と合体したようなデザインをされた書体もあるが、これは1文字1文字にはその風味がそれほどないにも関わらず、組んだらそれが出るというなかなかスゴい書体である。こんなやり方もあるのかとびっくり。1ウェイト。
ちょっとクセのあるクラシカルなローマン。18世紀スペインのトランジショナルローマンをベースにしてるとあり、骨格はスタンダードながら、エレメントに若干のクセがあってそれが大変いい味を出している。セリフやティアドロップ、ドットがやや大きめにデザインされており、そのほかにもペンの動きを再現したような墨溜まりのような黒みを持つ部分などがある。x-ハイトも小さめで、クラシカルなリガチャーやオーナメント類も揃っており、非常に筆者好みの書体である。本文のほか、ディスプレイ用途にも使えるだろう。5ウェイト。
図太いフレアセリフディスプレイ。小文字のステムの頭が斜めに鋭く切り落とされているのが特徴的だが、角がすべて判るか判らないかぐらいにちょっと丸くなっていて目に優しい。多くの大文字にはちょっとしたスワッシュの付いたオルタネートがある。アセンダーとディセンダーがかなり短く、ウェイトが重い事もあって全体的に黒々としているが、L の所にアキができるのが気になったのか、大文字のみ L とのリガチャーがいくつかある。L と小文字とはディセンダーに逃げるスワッシュがあるので、そちらと組み合わせればいいだろう。ちょっと使い所が難しいが、なんとなくビールやパブなどと合いそうな気がする。1ウェイト。ただいま35%オフセール中。
エレガントなローマンとカジュアルなスクリプトのデュオ。ローマンの方はライトウェイトながら堂々とした骨格で大文字のみ。KNQR にはちょろんとしたスワッシュが付いたオルタネートがある。スクリプトの方はダイナミックなモノラインで、ごく僅かにウェイトが付いており、ボールペンのような硬いペンで書いたようなニュアンスがある。両者は対象的ながらちゃんとマッチしていて不思議である。なんで「ジョージアの野球場」なのかは知らない。ジョージアも国(旧呼称グルジア)なのか州(アメリカ)なのかは判らないが、野球場なのでアメリカなのだろうな…(どうでもいい)。作者はインドネシア人らしい。
本日『グミの日』らしいのでこんなのを。ラフな手書きだがラフすぎない丁寧なラフ(?)なブラッシュハンドライテン。筆ペンですっと書いたようなストロークで、全体的に細めながらコントラストが緩やかに付いており、グリフは手書きではあるもののしっかりしていて大変読みやすい。小文字には同じ文字が続きがちなものにリガチャーがあり、例えば ee や mm、nn などはデザインが違う2文字が続くようになっていて(画像の mm など)、退屈にならないような気配りがなされている所がニクい。カジュアルながら品がよく、いい書体だと思う。1ウェイト。
一見普通だが、よくよく見るとちょっとクセのあるヒューマニストサンセリフ。骨格はキレイで読みやすいヒューマニストなのだが、アウトラインのカーブに所々カクンと折れ曲がったところがあり、そこがちょっとしたアクセントになっていて面白い。全体的にややコンデンス気味でスペースを食わないので、狭いスペースに長文を組むのに良いと思う。同じ骨格でセリフがある Olivia Serif もあり。イタリックもあって4ウェイト。