本日は『ガリバー旅行記 Gulliver’s Travel』を著したアイルランドの作家ジョナサン・スウィフト Jonathan Swift の誕生日(1667)。というワケで同じ名を持つ書体を紹介。名人 Gerald Unger による本文用ローマン。氏の書体に多いウェッジ形のセリフを持ち、字幅もあまり差がなく一定のピッチがあり、「ああジェラルド・ウンガーやなー」という感じがする。1989年に制作され、2009年に Neue 化(?)されて字種が増えた。5ウェイトあり、Black だけコンデンスがある。ちなみにジブリ映画の『天空の城ラピュタ』の空に浮かぶ島というアイディアはこのガリバー旅行記から。劇中でも語られている。
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タイプデザインについて言及された書。レタリングやタイポグラフィの本は数あれど、タイプデザインそのものについての本は洋書でもなかなかないので、貴重な資料である。「スケッチからスクリーンへ」のサブタイトル通り、紙上でのスケッチからアウトラインを取ってデジタル化するまでのノウハウが詰まっている。正直英語が得意じゃないので(笑)さほど読んでいないが、図版を見る限りかなりおもしろそうである。著者はメキシコ人、スペイン人、アルゼンチン人の3名で、スペイン語で書かれ2015年に出版されたものだが、今年になって英訳された。公式サイトは tipo-e.com。
本日はブルース・リー Bruce Lee の誕生日(1940)。なのでドラゴンの名が入った書体を紹介。フォールデッド(コーラ)ペンでデザインされたラフなモダンスクリプト。サードウェービーな雰囲気の緩い書体で、見本のスクリプトとコントラストの強い大文字のみのサンセリフ、ほかフィルがラフなスクリプトとオーナメント類がファミリーにある。あんまり深く考えずに気軽に使って大丈夫。Don’t think, feel!
本日は Black Friday。前日11月第4木曜日がアメリカでは Thanksgiving Day(感謝祭)で、その翌日の金曜はモノが売れに売れてどの店も黒字になることからこう名付けられた。去年辺りから日本でも便乗商法が目立ち、何の感謝もしてないのにそこだけ乗っかるというオトナの嫌らしさが鼻につくが、同じく何の関係もないヨーロッパでもかなり便乗してるようなので(笑)まぁどこも一緒よねと感じである。
ていうワケで発音はブラックなこの書体を紹介。ゲーム・アニメ界隈が喜びそうなデコラティブなブラックレター。19世紀のタイプデザイナー、Henry W. Troy という人のデザインした Trojan Text という書体がベースになっているとのこと。繊細で植物的なオーナメントでハデに装飾されており、ブラックレターではあるものの、カリグラフィーの手法ではとても書けそうにない。元の書体には小文字や数字もあるようだがこちらにはないので、イニシャルとしてぐらいしか使い道がない所が残念。ただいま30%オフセール中。
本日は日本的には「いい夫婦の日」として有名だが、ケネディ大統領が暗殺された日でもある(1963)。っつーわけで「大統領」の名を持つ書体を紹介。名にふさわしいエングレーブドローマンである。名人アドリアン・フルティガー Adrian Frutiger の手による。元はフランスの Deberny et Peignot という会社のためにデザインされた活字を、Linotype がデジタル化したものである。ほとんどコントラストがなくやや幅広。小文字はなくスモールキャップス。とまぁこのテの書体の特徴そのままで、これといって変わったところはない。ま、そんな感じである。ところでケネディ大統領、暗殺時の年齢は46歳だそうで。筆者と1コ違いというのが驚愕である…こんなおっさんでごめんなさい。
タイポグラフィ専門誌第12号。今号の特集は和文の本文書体。DTPでは最初にスタンダードの地位を築いたリュウミンをはじめ、ゴシックも含めたスタンダードな40書体ほどの紹介と組見本や使用例、小説やマンガでの書体選択の仕方や組み方などを紹介している。ほかフォント作成ソフト・Glyphs の使い方など。モリサワの最近発表された新書体の見本帳が付録についている。しかし最近書籍の紹介ばっかしてるな…。
2016年にマインツのグーテンベルク博物館で開催された Futura 展のカタログとして出版された本。元はドイツ語だが、最近になって英語版が出版された。「Futura 世界一周の旅」と題し、フランクフルト、ハノーファー、ベルリン、ミュンヘン、ウィーン、プラハ、パリ、ニューヨーク、そして月での使用例を図版で多数紹介している。大半が’70年代以前の古いもの。注目すべきは「月」で、アポロ計画当時での使用例がある。最近 NASA の VI マニュアルを入手したが、第2標準書体として Futura が採用されており(第1は Helvetica)、そのためかアポロ計画の公式文書のあちこちで使用されている。ホントに誰なんですかね、欧米で嫌われてる書体だなんて言い出したのはさ…。
本日は地中海と紅海をつなぐスエズ運河の開通日(1869)。なのでその名を持つ書体を紹介する。アセンダーとディセンダーが極端に長いスラブセリフディスプレイ。文字本体の方は素直なジオメトリックスラブセリフ。その上下に、x-ハイトの3倍はあるアセンダーとディセンダーが伸びている変わった書体である。「エジプシャン」の上下に線が伸びている事でスエズ運河を表現している…のかもしれない。3ウェイトでイタリックはなし。
オールキャップスのフレアセリフディスプレイ。なかなかのビッグファミリーで、ノーマルの他、コンデンスとインライン、そのインライン部分だけを抜き出した細身の書体があり、それぞれにイタリックもあって、5ウェイトずつある。あとサンプルの Z のように、K と Q、R にもスワッシュがあり。小文字グリフはなくスモールキャップス。どことなく南米ラテンの香りがするなと思ったら、ファウンダリーはチリのサンティアゴだった。自分の嗅覚が鋭くなってる事にちょっと驚き(笑)。ただいま80%オフセール中。