アメリカンテイストのあるディスプレイ。大文字のみで、各文字は正方形のプロポーションが元になっていてやや角ばった印象。モノラインで、小さな三角のセリフが付いている。見ての通りスワッシュの付いたオルタネートが I を除く全アルファベットに最低1つあって、リガチャーも幾つか。ウェイトのバリエーションはないが、フィルがソリッドなものと、ムラのある Vintage と2タイプある。それらとは別に、サンプルにある THE のように単語が組まれて上下に飾り線が付いた Characters というのがファミリーにある。ヴィンテージ感の演出に重宝するだろう。
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カリグラフィックなローマンディスプレイ。ローマンキャピタルがベースになっていると思うが、ブロードペンで書いたように手書きのニュアンスが若干残っており、さらにはインラインとなって、荘厳さとラグジュアリー感を併せ持った書体である。元は20世紀前半にドイツで活躍した Herbert Thannhaeuser のデザインした書体をリファインしてデジタル化したものだそう。名前の Missale とはラテン語で「典礼」の事だそうで、詳しくは知らないがカトリックでミサを取り仕切る役の事だそう。古い装飾写本の典礼書から起こした書体である模様。Incana は調べた所、イエメンのソコトラ島に分布するソコトラムシクイという鳥の学名らしい。グリフに鳥のアイコンが入っているのはそういう事みたい。ソコトラ島というのは初めて知ったが、なかなか独特な生態系を持っていて世界遺産になってるらしい。おもしろそう。
本日は抹茶の日。何でも湯を沸かす茶道具の風炉(26)から来てるらしいが、なら「風呂の日」じゃんとか思うけどそれはさておく。そのものズバリの名を持つデュオ。柔らかなアップライトブラッシュスクリプトと、対象的なかっちりしたモノラインのスラブセリフがある。スクリプトの方はまぁよく見るタイプだが、スラブセリフの方がなかなかおもしろい。ジオメトリックベースだが、x-ハイトが小さくエレガントさがちょっとあり、字形も結構ファンシーで割りと筆者は好きである。ただいま30%オフセール中。
そう言えば「YOUは何しに日本へ?」で、かなりの数の外国人が抹茶味のキットカットを箱買いしていくのを見た事がある。ハワイのマカダミアナッツ並に日本土産のド定番となっているそうだ。 matcha って世界中で好まれる味になったんだねぇ。
本日は節分。一般的には豆まきするだけだが、意味的には季「節」の「分」かれ目の事であり、本日の場合は立春の前日、という事になっている。のでまぁ、お花感満載の書体を紹介する。ガーリーなアップライトスクリプト。気の抜けたほわ~んとした柔らかいスクリプトをベースに、ハートマークを散りばめた Love、花を散りばめた Flower というファミリーを持っている。サンプルが見づらくてアレなのだが、細い書体にドロップシャドウを考えなしに付けると台無しになるという典型である。どうしても付ける場合は、距離やボケ具合をかなり吟味しなければならない。デザイナーの方はよく覚えておくように(笑)。ただいま50%オフセール中。ちなみに名前のバディヌリーとは、バロック音楽の一ジャンルの事らしい。
おもしろい字形のディスプレイサンセリフ。ポーランド人民共和国時代(現在はポーランド共和国)の古い広告からインスパイアされたとある。極細ヘアラインの Thin とヘヴィウェイトの Bold があるが、とにかく字形がおもしろい。見たところ正方形がベースになっているようで、基本的にはその中に収まるようにデザインされているが、g とかは極端に変形している。コミカルで可愛らしい書体。Warsaw Type Project というワルシャワの古い書体のリバイバルプロジェクトがあって、そこでできた12書体の内のひとつだそうだ。サイトから一部はフリーでダウンロードできるので、ぜひご覧いただきたい(英語ページは未完の模様)。
デコラティブなヘヴィウェイトのローマンディスプレイ。Mantinia に雰囲気が似てるが、あちらは古代の碑文がモチーフになっており、こちらの方がそれよりはぐんと時代が下って、アール・ヌーヴォー調である。ティム・バートンの映画や「ジョジョの奇妙な冒険」などのゴシックパンクに似合いそうな雰囲気を持っている。1ウェイトのみだが字種は結構豊富で、全大文字に王冠が載っかったグリフがある。ほか、白抜き+影付きのタイプと、オーナメントとイラストアイコン(dingbats)がファミリーにあり。チェスの駒や前輪が巨大な自転車(ペニー・ファージング)など19世紀後半のものをモチーフにしたものがいくつか入っていて、非常にコンセプトのしっかりした書体である。この辺が好きな人にはたまらないであろう。ただいま72%オフセール中。
本日はビートたけしの誕生日だそうな。たけしと言えばコマネチ、という事でそのファーストネームを持つ書体を紹介。ヘビーウェイトなステンシルタイプのモダンローマンディスプレイ。Granjon をベースにしたとある。アップライトとイタリックがあり、イタリックにはスワッシュのついたバージョンが別にある(オルタネートではない)。名前は作者の娘さんから取ったそうで、娘さんの結婚記念に作ったものらしく、MyFonts には娘夫婦の幸せそうな写真がちょいちょい。はいはいよかったねお幸せに(笑)。
このブログを始めて3年になるが、まだ紹介してなかったタイプのスクリプトを紹介する。フレンチ風味のアップライトスクリプト。「ロンド Ronde (=輪舞曲)」と呼ばれるタイプで、20世紀初頭にアメリカでデザインされたもの。元は Typo Upright という名前だったらしいが、Linotype に版権が移った時に Linoscript と改名されたようで、なので「ライノスクリプト」と読むらしい。非常に有名で好きな書体だが、あんまりこのタイプは需要がないのか、他にはあまり見当たらない。古い書体でウェイトバリエーションもオルタネートもなく淋しいので、今あえてこれを拡張してみてもいいんじゃないかな~。と思ったりもする。売れないか…。
本日は「囲碁の日」「いちごの日」らしいが無視する(笑)。コントラストが非常に強いモダンローマンディスプレイ。プロポーションはややぼったりしてるが、大変ラグジュアリー感がある。セリフは普通のモダンローマンのようなヘアラインではなく三角形で、最近入手した資料によれば、こういう形は wedge というっぽい。オルタネートはまったくないが、普通に組んでも結構目を引くだろう。ちょっとでも小さくするとヘアラインがすっ飛んでしまうので、かなり大きめに使う必要がある。1ウェイト。
デコラティブなイニシャルフォント。19世紀に発行された Monograms and Alphabets for Combination という本にあったものをフォント化したものだそうである。ケルト風味のある組紐文様が組み込まれたアルファベットに植物が絡んだデザインで、文字組みはせず単体での使用が想定されている。基本的にアウトラインだが、花のオーナメント部分だけが塗りつぶされたバージョンがあり、重ね打ちする事で彩色が可能になっている。このテの書体はなかなか使い道が限定されていて扱いづらいが、筆者はカリグラフィーをやるせいか結構好きである。なんかのロゴにそのまま使えるかなーと思う。