繊細なローマンとブラッシュスクリプトのデュオ。ローマンの方はいわゆるステンシルタイプであちこち欠けており、ただでさえ軽いウェイトで繊細なので、消え入りそうな感じになっている。グリフは全体的にややコンデンスながらスタンダードで、g 以外は特に変わった所はない。スクリプトはよくあるモダンカリグラフィーに近いもの。両者ともオルタネートはなくごくごく素直な作りになっている。ローマンの方はイタリックもあり。
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端正なシグネチャースクリプト。これまで多くのこの種のスクリプトを紹介してきたが、これは中でもかなりガチ度が高く、本当のシグネチャー(署名・サイン)に近いタイプである。様々なグリフが収められているが、なぜか1つに収めず6つに分かれている。が、もちろん全部セットで購入した方がいいだろう。気に入ったものが組めたら、自分で実際に練習して書けるように練習してみてもいい。かなり実用的。ただいま50%オフセール中(筆者は買いました)。
ハイコントラストなセリフディスプレイ。大きなスパイク状のセリフの付いた現代的なローマンで、スタンダードなグリフの他、オルタネートに最近流行の変形したグリフが入っており、標準的にも、目を引く奇抜な文字組みにも対応可能。幅が3種類ある他、コントラストが弱くなったバージョンもあり、それぞれにイタリックがあって9ウェイトで計108種もあるというかなりなビッグファミリー。その他にバリアブルタイプもあって、それひとつで全部(イタリックも?)包含している模様。ただいま50%オフセール中。
英国風味のあるヒューマニストサンセリフ。カウンターが大きめで読みやすくなっていながら、なんとも端正で非常に品の良いサンセリフである。スモールキャップスほか様々揃ってグリフ数は800以上もあって、本文用として十分である。エリック・ギルを毛嫌いして Gill Sans を使うのに抵抗がある人はこちらを使えばいいだろう(ちなみに筆者はまったく気にしない・笑)。英国風味とは言ったものの元は’50年代アメリカの看板のレタリングにインスパイアされたとある。名前はそのデザイナーから取ったそうで、別に椎名林檎のファンではなさそうである(当たり前だ)。2015年TDCエクセレント賞受賞。イタリックもあって6ウェイト。
久々に紹介する変形モダンディスプレイ。モダンローマンをベースにグリフにちょっとした変形が施され、また部分的に水面の波に歪まされたようなアクセントが付いている。高級感と、なぜか全体的にちょっとヴィンテージ感が漂ってるかなという感じ。デカデカと使うのがよろしかろう。1ウェイトのみ。
本日『パンの記念日』だそうなのでこちら。ぬったりしたスワッシュが特徴的なソフトセリフディスプレイ。見ての通りぼったりしてやや幅広なソフトセリフをベースに、粘着性がある液体が飛んだようなスワッシュがこれでもかと付いたオルタネートがある。全体的にファンシーで美味しそうなので(笑)カジュアルな飲食物・店によく似合うだろう。アイスクリームなんかも良いかと。1ウェイトのみ。
ちょっとレトロなジオメトリックディスプレイ。やや幅広のがっしりしたサンセリフで、イマドキとしてはオルタネートもまったくなく非常にシンプルで潔い。若い男性向けのストリートファッションやスキンケア・ヘアケア用品などによく見られるタイプなので、やっぱりその辺が似合うだろう。あとモータースポーツなどもアリ。大文字のみで3ウェイト。
本日『フォントの日』らしいが、といってそんな日に何を紹介したものやらと思案した挙げ句無視することにした(笑)のでこちら。イタリアンアール・デコ風味のサンセリフディスプレイ。アール・デコらしくやや幾何学的風味があるが、どこらへんがイタリアンかというと、M や N の鋭い肩なんかを見ると筆者などは「あーねー」という感じがする。Louise Fili 氏の Grafica Strada なんかを参照するとよく分かるだろう。字幅に4種類あって、ノーマルの他 Sm(セミ)Condensed、Condensed、XCondensed の順に幅が狭くなる。それぞれにイタリックもあって8ウェイトずつで計72種とビッグファミリー。ただいま45%オフセール中。
本日は英国の詩人ウィリアム・ワーズワース William Wordsworth の誕生日(1770)。代表作『ラッパ水仙 (The Daffodils)』からこちら。ソフトなイメージの珍しいブラックレター。ベースは太めのブラックレターで、細部のエレメントに花びらなどを思わせる植物的なニュアンスがあって、アウトラインも角が取れて全体的に柔らかな雰囲気で可愛らしい。オルタネートはなさそうだが、普通に組んで十分デコラティブなのでまあいいかなと思う。1ウェイトのみ。
本日は女優宮沢りえさんの誕生日(1973)。人気絶頂の18才の時(1991年)にヌード写真集を出すという、当時でも考えられない事をし世間にものすごい衝撃を与えたこと、その写真集のタイトルが撮影地の「Santa Fe」であったことは筆者世代ならメチャメチャ覚えているので(笑)こちら。「サンタフェの春」という実にぴったりな名前のスクリプト。シグネチャー風味の強いモダンスクリプトで、大文字と小文字のサイズ差が大きく結構ダイナミックな印象で、小文字には水平方向に伸びるスワッシュオルタネートがある。リガチャーはちょろっと。総グリフ数は300程度と少ないので、多分欧州諸語にはあまり対応してないのだろう。1ウェイトのみ。そういや筆者は写真集まだ見てない…