ウルトラコンデンスなディスプレイローマン。見ての通りかなり幅の細いハイコントラストのモダンローマンで、名前の通りディスプレイ特化型である。最近流行りの派手なリガチャーやオルタネートなどはないが、シンプルながら多言語に対応しており、キリル文字とギリシャ文字をサポートし、他丸数字などもあって総グリフ数は1700近い。O と Q にだけ幅広のグリフがあるので、アクセントに使えるだろう。1ウェイトのみ。
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フランス語で「4月」の名を持つ書体を紹介。レトロなインダストリアルスクリプト(勝手に命名)。’50~’70年代にかけて、電化製品や自動車などによく見られた太めのスクリプトで、通常は幾何学的なストロークを持つものが多いが、こちらはややオーガニックな曲線を多用したタイプである。おかげで柔らかく可愛らしい雰囲気を持っており、色々とカジュアルに利用しやすいだろう。5ウェイトある他、別にバリアブルタイプも用意されている。
名前の通りクラシカルなスコッチローマン。18世紀の書体見本を参考に制作されたそうで、コントラストの強いオールドスタイルで、ベースライン上のセリフがぐっと反っているのが特徴。ティアドロップの付いた繊細なスワッシュオルタネートを多数持っており、往時の雰囲気を再現できるようになっている。オプティカルで、レギュラーの他やや太めの Text、コントラストがさらに強くなった Display がある。それぞれ5ウェイトずつで計30種。ただいま60%オフセール中。
本日『シルクロードの日』らしいのでこちら。エレガントなローマンディスプレイとラフなスクリプトのデュオ。ローマンの方は大文字のみで、ほぼほぼスタンダードなグリフだが、一部ちょこっと色気を出して(笑)変形している。リガチャーが30種ほど。スクリプトの方はスピード感のある結構ラフなタイプで、ローマンとはちょっとテイストが違うような気がする。こちらもリガチャーが結構あるが、スワッシュオルタネートはなし。それぞれ1ウェイトのみ。
レトロで柔らかい雰囲気のディスプレイ。やや太めのストロークとコンデンスなプロポーションのディスプレイで、大きくソフトなウェッジセリフが付いており、全体的に手作りの雰囲気がある。オルタネートは A にひとつ、J に2つあるだけでごくシンプルな構成で小文字もないが、その分使い方に迷うことはないだろう。アメリカンヴィンテージの演出にどうぞ。名前は平底タイプで一人乗りの小さなボートのことらしい。1ウェイトのみ。
ヒューマニスト風味を取り入れたジオメトリックサンセリフ。かなり本文用を意識しているようで、グリフはジオメトリック特有の冷たさを抑え柔らかく、xハイトが大きく字間はやや広めで可読性は大変良好。a や g のデフォルトに2階建てを採用したり、オールドスタイル数字を用意していたりするのもそのためだろう。スッキリしていて汎用的で、広範囲に使用できると思う。7ウェイトとウェイトも豊富。
デコラティブでフェミニンなディスプレイローマン。19世紀イタリアやフランスのディスプレイカードにインスパイアされたとあり、その通りヴィンテージ風味あふれる素敵な書体となっている。コントラストの弱いややポテっとしたローマンをベースに、装飾的なスワッシュオルタネートやリガチャーがふんだんに用意され、個性的な文字組が楽しめるようになっている。文字とは繋がっていない、大きなフローリッシュもあり。時代がちょっとズレてるが、ここらへんからアール・ヌーヴォーに繋がっているのではないかと思う。イタリックと2スタイル、それぞれ1ウェイトのみ。
流行っているウチに目についたものは紹介していくので、似たようなのが続くのはご容赦を。で本日はこのなんとも不遜な(笑)名前のコンバイン書体を紹介する。いつも通りのカッパープレートスクリプトとローマンのコンバインだが、スクリプトの方はグリフがちょっと変わっており、モダンカリグラフィー寄りな感じがする。ローマンの方は繊細でゆったりしたタイプで、オルタネートにクァーク quirk なグリフも入っている。リガチャーも多数あり。1ウェイトのみ。
フェミニンで繊細な変形ディスプレイ。コントラストのあるジオメトリックなラインとオーガニックなストロークが混在したエレガントな書体で、カウンターが大きく取られ全体的な雰囲気はゆったりと優雅。まあまあスタンダードなものと、奇抜に変形したグリフがオルタネートに入っており、おもしろい文字組が楽しめる。2ウェイト。ただいま40%オフセール中。
ところで、この手の通常よりかなり変形したグリフを持つディスプレイ書体の分類名をこのブログでは仮に #freak としてタグ付けしていたが、この度 MyFonts では quirk という言葉で紹介しているのを見た。「奇癖」「ねじれ」などの意味があるそうだ。今後使っていこうかと思う。
古今東西の主要な印刷所が発行した書体見本帳を紹介しつつ、組版と印刷の歴史を追った教科書。著者の Dori Griffin は南ミシシッピ大学の教授で、学生に「こんな本あったら読む?」と聞いたら読むと言ったので書いたそうな(笑)。読めてないので内容は端折るがかなり詳細に書かれている(っぽい)し、何より図版がふんだんに掲載されているので、パラパラと眺めているだけで欧文書体ヲタは非常に楽しい(一部日本や中国、韓国のものもある)。もちろん掲載文献のタイトルもリストされてるので、これを片手に AbeBooks を漁るのもいいだろう。大変オススメな本である。