本日は(現時点で)人類最速の男(9.58s/100m: 2009)、ウサイン・ボルト Usain Bolt の誕生日(1986)。というワケでこちら。レトロなレタリングスクリプト(?)。イタリアの有名なタイプデザイナー Aldo Novarese の作で、当時のレーシングカーなどによく見られたスタイルの書体である。太めの前傾したサンセリフで、繋がってはいないがスクリプト風味が多分に加味されており、なんとも言えないいい味を出している。s が筆記体な感じになっているのが特に良い。古い書体なのでオルタネートなどはナシ。1ウェイトのみ。
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なんと分類というか評価していいのかさっぱり分からんディスプレイ。まず初見でこれが読めるだろうか? まあ名前の通り “Grima” なんだが、ここまで珍妙だと言われないと読めないと思う。文字の大小にサイズ差がなくユニケースとなっており、かつなるべく字幅が均一になるように調整しているそうな。しかし何がどうしてこうなったのか…何にインスパイアされたのかは不明。非常に読みづらいので、アート作品にはいいが、通常のデザイン業務には使いづらいかなと思う。まあでもなんとか使ってやってくれ(笑)。ウェイトではなく字幅が5種類あって、バリアブルタイプもあり。
先日フランスの名優アラン・ドロン Alain Delon 氏が亡くなられたそうだ(1935–2024)。というワケでこちら。変形リガチャーがおもしろいモダンローマンディスプレイ。このテはかなり多めに紹介しているが、こちらの書体は正直あまりグリフが洗練されてないかなーという感じ(シンラツ)。まぁでも割と重めのウェイトなので、小さく使えるのが利点かなという感じ。1ウェイトのみ。しかし昔の写真とか見るとクッソイケメンだなアラン・ドロン…。一度ビストロSMAPにゲスト出演し、フレンチを所望して出てきた料理に「うまいけどこれはフレンチではない」とバッサリ切り捨てていた記憶がある。
関東以北の皆さま台風にお気をつけください、という事でこちら。やや荒っぽいブラッシュスクリプト。スタイルとしてはイタリックで、傾きの強い鋭いストロークで書かれており、結構ダイナミックである。その割にはスワッシュなどは長くなくコンパクト。この手としてはめずらしく、画像にあるような直線的なオーナメントが付いている。フォントはスタイルごとにバラになったヤツと、すべてまとまった Pro 版がある。異体字切り替え機能が付いたアプリなら Pro を買った方がいいだろう。ちなみに台風とハリケーン、サイクロンの違いは発生地域だけらしい。日本や東南アジア近辺のものを台風(タイフーン)、北アメリカ近辺のをハリケーン、インド辺りのものをサイクロンと呼ぶそうな。
本日、世間的にはお盆て事で「ご先祖さま」という名の書体?を紹介。素朴なイラストアイコン集。これらはカナダのブリティッシュコロンビア州にある古代遺跡の壁画から起こしたものらしい。先住民たちが遺したものという事でこういう名前が付いてるようだ。ちょっと検索したところ「これだ」というのは見当たらなかったのだが(笑)、まぁそれっぽい。直線で構成された素朴で可愛らしいイラストが揃っている。なんかTシャツとかグッズ作ってもよさそうな気はする。グリフ数は94。
本日は『世界カリグラフィーの日 World Calligraphy Day』らしいのでこちら。古典的カリグラフィーイタリックのデジタル版。16世紀にヴァチカンで書記をしていた Ludovico degli Arrighi が著した La Operina(小品)というカンチェッレレスカ体 Cancellarescha の教則本から起こした書体である。カンチェッレレスカとは「公文書体」みたいな意味で、現代ではまぁイタリックと呼ばれてるヤツのこと。おそらくはこの本が世界最古のイタリック体の教本である。わずか32ページの小さな本で、検索すればあちこちで高解像度のスキャン画像が見られる(例えばここ)が、日本ではフランチェスカ・ビアゼットン氏の『美しい痕跡―手書きへの讃歌』という本に付録として和訳とともに掲載されているので、興味があれば参照してほしい。
本日『世界オオカミの日 International Wolf Day』だそうなのでこちら。ヴィンテージ感あふれるオーガニックなディスプレイ。ヴィクトリア朝風味というかその頃によく見られたスタイルで、ブラックレターの要素を取り入れた植物的な装飾の入ったデコラティブな書体である。大文字のみで、小文字にはやや小さめで装飾を省いたグリフ、大文字のには装飾されたグリフが入っていて、それを組み合わせて使用するようになっている。名前のヴォルフスブルクはドイツにある都市の名前で、「狼の城」というような意味だそうだ。1ウェイトのみ。
ちょっと変わりダネのコンバイン書体。カッパープレートスクリプトとモダンローマンのコンバイン書体は本ブログでいくつか紹介しているが、こちらはなんとぶっといサンセリフとスクリプトのコンバイン。こんなに違和感満載の混合もめずらしい(笑)。まあでも同じようなのを量産するよりはいいのかもしれない。スクリプトがサンセリフを侵食してしまっているリガチャー(画像のLE参照)がいくつかある。フィルがソリッドなものとアウトラインの2種がある。名前は「自己愛」「自己肯定感」などの意味だそうだ。
ライトウェイトのスラブセリフディスプレイ。こういうのも一応ジオメトリックというのだろうか、結構幾何学的なラインで構成された書体である。雰囲気的にはアール・デコでもあるだろうか、レトロでかわいらしい。4ウェイトあるが、一番重い Medium でも名前の通りミディアムなので、あまり小さくは使わない方がいいだろう。オルタネートは残念ながらナシ。
本日『バナナの日』だそうなのでこちら。ポップでかわいらしいブラッシュスクリプト。ぽてっとしたアップライトで、コネクションは取れてたり取れてなかったり。繋いでるというよりはぶつかってるという感じである。字形は素直で大変読みやすいので、使いやすいと思う。イメージ画像がなんかクールなのだが(笑)、書体自体はとてもかわいらしいのでその辺の用途にどうぞ。画像のように大文字だけで組んでも問題ない。リガチャーやオルタネートは少しだけ。1ウェイトのみ。