ミニマルでクリーンなジオメトリックサンセリフ。xハイトが大きく可読性の良い書体で、飾り気もなくスッキリと大変清々しいイメージ。ノーマルの Original と、ほんの少し字幅を狭めた Slim というバージョンがあり、後者は結構長文にも耐えられるよう設計されている模様。ウェイトも豊富で10種もある。クセもなく汎用的で様々な用途に使えるだろう。
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本日は『ピーター・ラビット』の作者、ビアトリクス・ポター Helen Beatrix Potter の誕生日(1866)なのでこちら。太めのポップなサンセリフディスプレイ。太さも傾きもてんでバラバラのストロークでラフにデザインされたディスプレイで、ちょっとしたセリフが統一感を出しているだろうか。全体的な雰囲気は子どもっぽくファンシーなので、お菓子やおもちゃなどに使えるだろう。イラストは明らかにジャパニーズカワイイの影響が見て取れる(笑)。大文字のみでアクセント記号もなく字種は最低限。
なんか不意にこの書体を見かけたので紹介。ラフなカリグラフィーヒューマニスト。15世紀頃に現れたヒューマニスト体を元にデザインされた書体で、往時のものよりはかなり細めのウェイトで、グリフも結構ラフでカジュアルになっている。エッジもガタガタでラフな紙に書いたような雰囲気があり、「パピルス」の名にふさわしい。ちなみにこの書体は以前は Mac に標準搭載され、またかなり多用されたために「もういいよクソダセェ」と欧米のデザイナーからは Comic Sans と同じぐらい嫌われていた(笑)。とはいえ、映画「アバター」のタイトルロゴの元になっていたり、徐々に復権の兆しはあるかと思う。筆者は結構好きな書体。1ウェイト。
モダンなようでレトロなようなディスプレイ。直線と 1/4 円弧を組み合わせて形作られた面白い書体で、コンデンスで太めなためか、全体的になぜかゴシック(ブラックレター)の雰囲気を持っている。字によって大きめのスラブセリフが付いてたり付いてなかったりだからだが、不思議と不揃いな感じはしない。3ウェイトあって、細い方はこれまたなぜかルーン文字のような雰囲気を醸し出す。ロールプレイングゲームなどに似合いそうな書体。名前は「大聖堂」とかそんな意味。大文字のみ。
超有名古典的?ネオグロテスクサンセリフ。角の丸い四角をベースにした書体で(こういう形を squarish と表現するらしい)、’80年代ぐらいまでは結構多用されており、特にスポーツ分野でよく見たような気がする。今となってはレトロテイストを表現するのに適した書体となっているが、2012年頃に字種やファミリーを拡張して Next という名が付いてリニューアルされた。この作業には日本人の小林章さんも加わっている。字幅に5種類あって、イタリックもあって5ウェイトずつで計50種。
オーガニックなウェーブが特徴的な柔らかいサンセリフ。ジオメトリック+ネオグロテスクをベースにした書体で、見ての通りストロークの一部がふよっと波のようにカーブしている変わった書体である。とはいえちょっと変形しているとはいえカウンターが広めで目に優しく読みやすくなっている。グリフもやや多めでウェイトも8つもあり、さすがに書籍はムリでも、ある程度の長文には耐えられるだろう。ただいま30%オフセール中。
コリっとしてスッキリした読みやすいサンセリフ。クセのないモダンでクリーンな書体で、モノラインのコリっとした感じがセロリのよう。大変可読性がよく、字幅にノーマルなものとやや細い Condensed の2種類があり、後者はサイン用途に使えると思う。大きな特徴として字種の豊富さがあり、ラテン文字(アルファベット)はもちろんのこと、ギリシャ文字やキリル文字、グルジア(ジョージア)文字やアルメニア文字、果てはヘブライ文字やアラビア文字までサポートしていて、グリフ数は2800を超える。近頃は分断を煽る不遜な輩がびこっているが、かのウクライナからこのように多くを包み込むような書体が出ていることは大いに意味があるだろう。みんな、選挙行こうな。
カジュアルでガーリーなシグネチャースクリプト。モノラインストロークでゆるゆるなグリフの書体で、大文字と小文字のサイズ比が大きくダイナミック。小文字の可読性は良好そうに見えて、n, m, u, v, w の区別がやや付きにくいが、まあスペルでなんとなく見当がついて読めると思う。残念なことにオルタネートがまったくなく、リガチャーもちょっとだけ。インドネシアとかあの辺の人が作る書体に多いが、hh や jj、rr といったどこで使うか分からないリガチャーがあったりする(向こうでは使う?)。1ウェイトのみ。
古い見本帳を入手したので、それに掲載されていた書体を紹介。レトロエレガントなタイプスクリプト。20世紀初頭のドイツのタイプデザイナー Lucian Bernhard の作で、当時よくあった活字と手書きのスクリプトの中間のようなスタイルで、これを筆者は勝手に「タイプスクリプト」と呼ぶことにしている。全体的にカッパープレート風味で、文字にリレーションはないが、大文字は特にカリグラフィックで美しい。作例がなかったので、画像は見本帳をスキャンしたもの。とてもエレガント。Bernhard の書体はいくつものファウンダリーからデジタル化されているが、この書体はこの Elsner+Flake 版しかない。2ウェイト。
非常にコンデンスなモダンローマンディスプレイ。19世紀末期頃に広告などでよく見られた(らしい)スタイルのハイコントラストでコンデンスな書体で、ゴージャス感もありつつどこかちょっと野暮ったい感じが英国(Inglesi)ぽい。派手なオルタネートなどはないが、大きく使えば結構目を引くのではと思う。普通に使えばレトロ感が、アケて組めば若干今っぽくはなるだろう。小文字はなく大文字のみで1ウェイト。