素朴でかわいらしいモダンスクリプト。「スクリプト」というほどでもないスクリプトで(どういうこっちゃ)、アップライトのいわゆるブロック体にアウトストロークが無理やり付いたようなタイプである。グリフもアウトラインもゆるゆるでだいぶカジュアル。グリフの中に20種ほどのイラストアイコンが入っており、画像のハチもそのひとつである。これらを組み合わせて簡単なロゴの作成も可能。1ウェイト。
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2月4日なので2月4日という名前のファウンダリーの書体を紹介。ライトウェイトのディスプレイサンセリフ。Wide Ultra Light の名の通り、幅広にデザインされたサンセリフで、xハイトも大きくゆったりしたタイプで結構かわいらしい。a と g には1階建てと2階建てがあり、ほか 3/Q/y にオルタネートがある。キリル文字もサポート。イタリックもあって1ウェイトずつ。
本日は節分。といえば鬼。これを強引に訳すと demon なので(例のマンガは Demon Slayer と訳されてます)その名を含む書体を紹介。ダイナミックでカッコいいシグネチャースクリプト。大文字がかなり大きいがループは柔らかく、小文字もさほど暴れておらず結構素直で読みやすいタイプである。イカした(死語)兄ちゃんの写真とは裏腹に、そんなに男性的で荒々しいタイプではない。総グリフ数は判らないが、それなりにオルタネートはある模様。1ウェイト。
ヴィンテージ感のあるデコラティブなローマンディスプレイ。コントラストがごく弱い、ほぼモノラインのローマンをベースに、独特なオーナメントの付いたオルタネートがある。あまり見ない文様で、どことなく東欧の香りがするなと思ったら、作者はセルビア人だそうだ。ほか、細いシャドウの付いたオルタネートもある。オーナメントは独立したものも数種あり。イタリックもあるがそれぞれ1ウェイトのみ。「ボトルに詰めた月」という名前がなんかシャレている。
バレンタインも近いので「ガナッシュ」という名の書体を紹介。ぼったりしたオールドアメリカンなスクリプト。ベースラインもサイズもきちっと揃ってはいるが、そこはスクリプトなのでスワッシュオルタネートやリガチャーが多数ある。とてもレトロでベタなタイプではあるが、それだけにそういう雰囲気を出したい時にはもってこいだろう。沖縄なら北谷のアメリカンビレッジで重宝しそうである(笑)。1ウェイト。
ダイナミックなカッパープレートスクリプト。全体的に割とコンデンスでスタンダードなグリフをしており、見ての通りかなりハデなスワッシュオルタネートが多数ある。オルタネートは異体字切り替えではないようで、ex2 / ex3 とファイルが分かれている。この手としてはめずらしくウェイト展開されており、5ウェイトもある。合計で15ファイルあるが、単体と全体パックでほぼ金額が変わらないので、買う時は全部買った方が断然おトクだろう。バレンタインにどうぞー。
フレンチ風味のディスプレイローマン。幅広でどことなくカッパープレート風味のあるローマンで、大文字のみのスモールキャップス。リガチャーが大小両方に豊富にある。このテはだいたい大文字か小文字?のどちらかに偏るが、両方にあるのが嬉しい。フィルがソリッドなノーマルと、ラインの入った Initials がある。「このへんのどこがフレンチ?」と思う人も多いだろうが、つい最近入手した Graphique de la Rue というフランスの町中で見かける文字を集めた本を眺めてると、確かにこういうのも多くある。というわけで、安心して「フランス風味だぞ」と喧伝していい(笑)。
エレガントなディスプレイサンセリフ?。コントラストの強いモダンローマンからセリフを取っ払った、というのが早いだろう。縦のステムのベースライン付近がナイフの切っ先のようになっているのが特徴的。xハイトがかなり大きく、そのおかげで気取った感が緩和されている(笑)。オプティカルになっており、ノーマルの他、コントラストの強いディスプレイ用の Poster と、コントラストが弱まった本文用の Text がある。それぞれイタリックもあって8ウェイトずつ。ただいま60%オフセール中。
「堕天使」という中二病患者が喜びそうな名前の派手なディスプレイ。コンデンスでハイコントラストなモダンローマンをベースに、派手なスワッシュオルタネートが付いている。大文字のみで、大文字のグリフにはスワッシュ付き、小文字のグリフには飾りのないスタンダードなものが割り当てられている。使い方を間違えるとちょっと野暮ったくなるが、うまく使いこなして欲しい。1ウェイト。
本日はフランスのグラフィックデザイナー、A. M. カッサンドル Adolphe Mouron Cassandre の誕生日(1901)。というワケで氏のデザインした書体を紹介。アール・デコ風味のディスプレイ。「ペイニョ」と読む。フランスのファウンドリー、ドベルニー&ペイニョ Deberny et Peignot のためにデザインしたものとのこと。大文字は大文字だが(そりゃそうだ)、小文字のグリフには大文字と小文字が入り混じっているのが特徴。ストロークにコントラストがあって、角が大きく丸くなっている。
カッサンドルはその作風で一斉を風靡したが、晩年は不遇と貧困に喘ぎ、最後は拳銃自殺した。亀倉雄策は自著『亀倉雄策の直言飛行』で、「あれほど、世界中を自分の才能で征服した人が、なぜ自らの命を絶たねばならなかったのだろうか」とその死を悼んでいる。同著によれば、自殺したそのデスクの上には、ドイツの活字会社から「あなたの書体が少しも売れない」という苦情の手紙があったという。この Peignot のことではないようだが、その書体が何なのかは不明である。現在ではカッサンドルの当時のオリジナルのポスターは、印刷物にも関わらず、数百万円以上の値で取り引きされているらしい。