本日『宇宙の日』らしいのでこちら。星雲(nebula)の名を持つ SF チックなディスプレイ。よくあるジオメトリックな変形サンセリフだが、この辺は2000年以前の SF 映画のロゴに多用されたため、どうしてもレトロな雰囲気が出てしまうのに対し、こちらは結構モダンである。下手に横長にせず、A のアレンジが変わってるのがアクセントになっていると思う。ゲームとかには使えるかなという感じ。1ウェイトのみ。
Archive: September 2024
非常にクオリティが高く美しいキャスロン。フランスのタイプデザイナー、Jean François Porchez の手によるもので、2015年のプロジェクト開始から実に9年の歳月を経てリリースされた。散々制作され尽くした感のあるキャスロンを今更やっただけの事はあり、大変美しく素晴らしいものに仕上がっている。オプティカルファミリーで、S, M, L, XL の順にコントラストが強くなる。また Openface というステムがくり抜かれたディスプレイバージョンと、ルネッサンス期を思わせるオーナメント類も付属している。st や ct などのクラシカルなリガチャー(quaint)もあって、本格的なタイポグラフィが楽しめる。それぞれ7ウェイトずつ。
本日は多数のなんとかの日が制定されているが、そのうちのひとつ『オオサンショウウオの日』にちなんでこちら(※サラマンダーというと RPG に出てくる火トカゲのモンスターを思い浮かべるだろうが、実はサンショウウオのことを英語で salamander という)。レトロポップなレタリングスクリプト。コントラストがあって勢いを感じるタイプで、短いスワッシュがくるくるカールしている。ちょっとしたオーナメント類も付属。雰囲気はレトロアメリカンで、スイーツなどに似合いそうである。2ウェイト。
本日『黒の日』という事でこちら。スペイン語で「黒い山」という名のちょい変形したモダンローマンディスプレイ。よくあるコントラスト強めコンデンスな書体で、そこまで大きく変形はしてないが、一部ちょっと変わったグリフがある。ご多分に漏れず個性的なリガチャーが多め。変わってるのが、同じ骨格でストロークが細いモノラインの Thin というタイプがあり、イメージ画像でいうと O がそれである。このように組み合わせて使うとさらにおもしろいだろう。
繊細なスクリプトローマンのコンバインとサンセリフのデュオ。ローマンの方はライトウェイトでコンデンスタイプ。腰が高く優雅である。小文字がなくスモールキャップスだが、オルタネート(多分)にカッパープレートスクリプトの大文字が入っていて、アクセントとして使えるようになっている。大文字には個性的なリガチャーが大量に入っており、かなりバリエーション豊か。これとは別に細めのジオメトリックサンセリフもファミリーに入っていて、こちらは小文字もあってリガチャーも多少ある。うまく使うにはコツがいるだろうが、非常に美しい書体。
みんな大好きジオメトリックサンセリフ。キモチやや幅広気味にデザインされた書体で、なんとなくレトロなストリートというかサーキットというか、その辺りの雰囲気を持っている。ただウェイト展開が多く、軽い方は割とモダンな雰囲気になるだろうか。見ての通り N や M の肩が鋭く尖っているのが特徴だが、Alt というグリフ違いがあって、そっちでは角が落とされている。やっぱり男性向けかなという感じだが、小文字だけで組めば結構かわいらしい雰囲気も出るので、使い方次第かな。キリル文字もサポート。9ウェイト。
ヴィンテージ感のあるウェッジセリフディスプレイ。Windsor 風のレトロなディスプレイで、全体的にはコンデンス気味だが、C や O などは真円に近くアクセントになっている。プロポーションも変わってておもしろく、ここには出てないが小文字もなかなか変わったグリフをしている。ユニークなリガチャーも多数あり。この手としてはめずらしく8ウェイトもあって使い勝手がいいと思う。
本日は『くじ(lottery)の日』らしいので、名前の似てるこちら。デコラティブなブラックレター。カリグラフィー(手書き書体)のロタンダ Rotunda というタイプで、あまり人気がない(笑)のでフォントになっているのはめずらしい。16世紀にライプチヒで Melchior Lotter という人が印刷した本から起こしたもののようだ。毛色の違うのが1文字だけあるが、これは “L” で、こちらはロンバルディックキャピタル Lombardic Capitals という、主にドロップキャップに使われた書体である。通常のよりややデコラティブになってるだろうか。この2種がセットになったファミリー。現代じゃあんまり使い道ないかな…(笑)。