スイスのタイポグラファ Jost Hochuli による、タイトル通り、欧文タイポグラフィの細か~い所を詳細に解説した小冊子。10ヵ国で翻訳出版された名著である。序文によればこの本が扱うのは、派手なデザインやフォーマット、レイアウトなどではなく、「文字、字間、単語、単語間、行、行間、コラムといった小さな構成要素」である。ひょっとしたら一般的にはあまり興味を惹かない退屈な分野かも知れないが、欧文を組む機会はなくとも、ひとつ上の段階へ登るためには必須の知識なので、若いデザイナーにはぜひとも手に取ってもらいたい一冊だ。東京オリンピックに向けて欧文を組む機会が増える事もあるだろうし、日本語で読める本はそうはないので。もう知ってるよというこのブログをご覧頂いている層にも、今一度基本を見返すいい機会になると思う。次は The Elements of Typographic Style かな~宮後さ~ん(笑)。
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本日世界禁煙デー、という事で、世界的に最も有名と思われるタバコのロゴにインスパイアされた書体を紹介(なんでやねん)。名前はそのまんまですがこれいいんでしょうか…。まあいいや。実際にマールボロのロゴと見比べると、アセンダーが短い、a や r などのセリフがティアドロップになっているなどの違いがあるが、まぁまぁ雰囲気は保っているだろうか。1ウェイトのみ。ちなみに、Marlboro は日本人がかなり発音しづらい単語のひとつらしい。r と l が連続してるしね…ま、皆さん健康にはご注意を。
※追記…元々この書体は Linotype が Neo Contact という名前で発表したもののようで(書いてあるね…)、これをマールボロが若干手を加えてロゴとして使用した模様。つまり書体の方が先。その後、URW++ からは Marlboro という名前で販売しているようです。
なんとなく手のぬくもりを感じるようなヒューマニストフレアセリフ。Copperplate Gothic や Antique Olive などを参考にしたとある。細いウェイトは、普通のペンを使ってフリーハンドで丁寧に慎重に書いたような雰囲気があっておもしろい。太いウェイトはややコントラストが強まりセリフも鋭くなって、細い方とはちょっと違う印象がある。カウンターは広めで可読性は良好。名前はイエミソサザイという鳥のチリ名だそうだ。その鳥とおぼしきアイコングリフが入っている(なぜか牛も)。6ウェイト。
本日は英国では Bank Holiday といって休日らしい。毎年5月と8月の最終月曜日がそうなっているそうだ(プレミアムフライデーとかやるよりこの方が良さそうな気がする)。最初は名の通り銀行だけが休む事にしてたらしいが、銀行が休むなら仕事にならんという事で他の企業も休むことにしたらしい。由来についてはググってくれたまい。でまぁ、こんなにピッタリな書体もないという事でこちらを紹介。2007年に改定された20ポンド紙幣にある書体をベースにしたブラックレター。実際のものはハデなスワッシュが付いているので、それそのままというものではない模様。ドイツのチャンセリー体と、17世紀英国のカリグラファー、John Ayres と George Bickham の筆致を参考にしたとある。1ウェイトしかないが、大文字には優雅なスワッシュオルタネートがある。可読性もよくカッパープレート風味も強いので、招待状などにも使用できるだろう。$20 と価格も安い。
現代的な本文用ローマン。コントラストが弱くややモノライン気味で、セリフも太め。どちらかというとスラブセリフに近いイメージのローマンだが、x-ハイトが小ぶりでイタリックはスワッシュの付いたオルタネートがあるなどカリグラフィー風味が多分にあり、クラシックな雰囲気はある。オプティカルになっており、本文用の Text、見出し用の Display、キャプション用の Caption がある。Text と Display は2ウェイトしかないが、Caption は5ウェイトある所が変わってる。全体的に字間が広めで軽く読みやすい書体。ただいま50%オフセール中。
久しぶりに見たような気がする、正統派カリグラフィーイタリック。3年前に紹介した Dream Script に近いだろうか。スワッシュ等も含めて教科書のお手本に出てくるような真面目な書体である。ウェイトは教科書でよく紹介されてるようなものよりはやや軽めで、傾きも弱い。特に奇をてらった所はないが、ローマンキャピタルもグリフに入っている。ファミリーは多く見えるが、実は Pro 版に入ってるグリフを Std 版に分けただけなので、Illustrator 等異体字切り替え機能を持つアプリケーションを持っている場合は Pro 版ひとつで済む。1ウェイト。ただいま25%オフセール中。
なんかやたら和風イメージなのが目を惹いたので紹介。筆感たっぷりのブラッシュスクリプト。かなり柔らかい、おそらくは日本や中国の書道で使うような筆で書いたようなスクリプトで、傾きはなくアップライト。コントラストはかなり強く、スピード感はなくぼったりしている。オルタネートやリガチャーはそこそこあるかなという感じ。代わりに同じく筆で書きながらも、スクリプト感はない大文字のみの Hand と、ちゃんとかっちりレタリングされた Sans がファミリーにある。あとシチュエーションにまったく統一感のないイラスト Doodles も付属。ちなみにファウンダリーはインドネシア。ただいま15%オフセール中。
年2回発行されるタイポグラフィジャーナルの第11号。今号の特集は待望の(筆者だけ?)『欧文書体を使いこなす』で、小林章さんや麥倉聖子さんらによる欧文書体の使用事例や書体の紹介、使用上の注意点、用語集などなど盛りだくさんの内容。タイポグラフィ本にありがちなバックグラウンドの深掘りや精神論的なものはなく、非常に実践的な情報が多くデザイナーには重宝するだろう。付録は「欧文書体定番200見本帳」と「和文・欧文フォント組み合わせガイドブック」の2冊とこれまた豪華。これだけ付いてお値段据え置き!
公式Webサイトはこちら。
英国風味あふれるヒューマニストサンセリフ。Edward Johnston の書体にインスパイアされ、とあるが、ほぼ Underground まんまかもしんない(笑)。Underground よりはやや小文字が小ぶりで、字幅やカウンターがコンパクトだろうか。アセンダーやディンセンダーも伸び伸びしている。サインよりは本文用を想定していると思われる。字幅は3種類、各8ウェイトとビッグファミリー。モノスペースの Codex というバージョンは無料でダウンロード可能。ただいま90%オフという驚異的なセール中。ぜひ買うべし。名前はジョンストンの出身地であるウルグアイの都市名だそうだ。…え? ウルグアイ出身だったの? ええ?
各グリフのサイズがバラバラなジオメトリックサンセリフディスプレイ。S なんか見れば解るが視覚的な調整がされておらず、ホントに幾何学的にやっただけのやっつけ感あふれる(笑)サンセリフである。まあでもなんとなくオシャレ感がある。ウェイトが軽いせいもあるだろう。5ウェイトあるが、一番重い Bold でも普通の書体より軽い。ストロークの端は丸くなっている(いわゆる丸ゴシック)。ただいま60%オフセール中。