Duc de Berry などをデザインした、ドイツのタイプデザイナーでありカリグラファーでもある Gottfried Pott 氏の最新作品集。タイポグラフィの本ではないが、買って嬉しいので紹介させてくれ(笑)。躍動感のあるダイナミックな作風で、モノトーンに近い色使いでどこか東洋的な雰囲気を持っているのが特徴。その魅力ある作品が70点ほど掲載されている。本文がドイツ語なので残念ながら詳細はよく判んないが、カリグラフィに興味あるならば買っておいて絶対損はない。表紙の手書き部分はエンボス加工されていて手触りよし(笑)。
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サンセリフとスクリプトのハイブリッドディスプレイ。基本的にはサンセリフの体(てい)をしているがエレメントに丸筆のニュアンスがあり、双方のニュアンスがコンバインされたような字形をしている。小文字にはターミナルレターがある他、イタリックの大文字にはスワッシュ付きのオルタネートも用意されていて、スクリプトのように扱える。元は1ウェイトの書体だったが、Pro 版になりウェイトが5つに増えた。字種も増え、ギリシャ文字やキリル文字もサポートしている。ただいま30%オフセール中。そういえばハイドロキシアパタイトとかいう成分が入った歯磨きがあったよな…芸能人は歯が命!
Garamond のオリジナルをなるべく忠実に再現した Garamond。16世紀当時の印刷状態から再現されており、そのためフチがラフになっている。とはいえまったくそのまんまという訳でもなく、一応書体として整えられている。字種も拡張され、汎ヨーロッパはカバーしている模様。また c や m などにターミナルレターがオルタネートで付属しており、イタリックにはスワッシュつきの大文字もあり。小さいとラフな感じもそんなに目立たず、案外本文いけるんじゃないかなーと思う。版元の Archive Type は、名の通りこういったコンセプトの書体を得意としているらしく、他にも多数発表している。
グラフィティ風味のあるブラッシュスクリプト。作者はこのブログでは何度も紹介している南米のスクリプトの名手で、普段は優雅なものが多いが、今度の新作はワイルドなものに挑戦した模様。とはいえ、やっぱり丁寧さがよく出ており、一見ラフに見えてとてもよく整えられた印象はある。ほーんとうまいよねこの人。Skill と Skill Standard があるが、Standard の方はいわゆる Std 版で字種が少ない。Skill の方を購入すればいいだろう。1ウェイト。ただいま25%オフセール中。
ややデコラティブなスラブセリフディスプレイ。基本はジオメトリックで、ステムは単調かと思いきや、中心部がかなり微妙に細くなっていて、きちんとデザインされている事が判る。x-ハイトはかなり大きいがウェイトが軽めなのでディスプレイ向き。オルタネートにステムが二重になったり、スワッシュが付いたりしたものがあり、リガチャーも結構豊富。あまり見ないタイプの不思議な幾何学模様のオーナメントもあり。キリル文字もサポート。2ウェイト。ただいま50%オフセール中。
カッパープレート風味があるブラックレター。見ての通りステムが塗りつぶされておらずシェーディング処理されており、ブラックレター特有の重たさが軽減されている。社交用のカッパープレートにこういうタイプが多いので、その辺の用途にうまくすれば使えるかなという感じ。酒のラベルなどにもいいだろう。元は Rudolf Koch が1919年頃に制作したものらしい。この RMU というフォントレベールはこういった古い書体のリバイバルを得意としており、他にも多数名作を復刻している。筆者お気に入りのレーベル。ただ活字タイプのロゴがちょっと…(笑)。
リガチャーが豊富なディスプレイ。ラグビーボール状の楕円が多用されたサンセリフで、2~5文字のリガチャーが多数用意されている。小文字にもあるが、圧倒的多数で大文字リガチャーが多い。ちょっと不思議な幾何学模様のオーナメントがちょろっとあり。名前は「騎士」という意味があるが、どの辺がそうなのかは不明。5ウェイト。ただいま50%オフセール中。
Futura によく似たジオメトリックサンセリフ。元は Friedrich Bauer Grotesk という名だったようで、それをリファインしたものらしい。Futura とほぼ同時期に発表されており、なーんで Bauer はこんな同じような書体を立て続けに作ったのかはよく判らない。ディセンダーが幾分 Futura より短いだろうか。字間が広めに取られており、印象として Futura より少し温かみがあるような気が個人的にはする。Pro版は字種が非常に豊富で、アクセントはもちろん、スモールキャップスや各種数字がある他、丸数字と角数字の通常版と白抜き版両方揃っている。6ウェイト。
カリグラフィー風味の強いディスプレイローマン。基本はローマンだがコントラストが強く、エレメントはカリグラフィーペンもしくは平筆のニュアンスがあり、スワッシュの付いたオルタネートが用意されている。Text と Poster の2種があり、Poster の方が細い部分がヘアライン化されていて、より大きなサイズでの使用に向いている。Turquoise とよく似てはいるが、こちらの方がより活字っぽいだろうか。大変筆者好みの書体。
アール・ヌーヴォー調のデコラティブなディスプレイ。すべての大文字にくりっとした飾りが付いており、そのため M などはちょっと字としてどうだろうという形をしてたりするが、まぁその辺はご愛嬌で。小文字はなくスモールキャップスで、そっちに飾りは付いていない。その代わり必要と思われるアクセント記号類は一通り揃っている。ファミリーはないが、お値段 $10 とかなり安め。週末はバレンタイン。皆さんお幸せにどうぞ(ちくしょーふーんだ)。