1992年、毛利衛氏が宇宙へ行った日である事を記念し、本日は『宇宙の日』。残念ながら日本人初ではなかったが、前人の秋山氏がTBSの記者だったためか、科学者の毛利氏の方を優先したようである(笑)。というワケで「星雲」の名を持つ書体を紹介。レトロSFチックな雰囲気を持つディスプレイ。大体横長の長方形をベースにジオメトリックにデザインするとこの辺になるので、デザイナーがフォントづくりにトライするにはうってつけかもしれない。大文字のみではあるが、小文字のグリフにオルタネートが割り当てられているので、好きな方を選んで組むと良いだろう。1ウェイトのみ。
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以前紹介した TT Firs Neue に本文用が出た。あちらはちょっと変わったグリフが多く長文には向かなかったが、こちらは Text の名の通り Firs のテイストを継ぎながらも本文用として設計されている。Firs Neue の方はヴァーテックス(尖った部分)にバーが入ったり、カーブがなく唐突に90度折れ曲がったりしているが、これらがなく素直なスッキリしたグリフになった。お陰でただのモダンなネオグロテスクになっちゃった気がするが(笑)、使いやすくなったのは間違いないだろう。キリル文字もサポート。11ウェイトとバリアブルタイプがある。
カジュアルでかわいらしいモノラインスクリプト。ストロークはやや太めで、グリフは手書きっぽくはあるものの、丁寧にコントロールされている感じがする。おそらく手書き文字をトレースする際、ブレをなくして滑らかにしたのだろう。おかげであまり他にないテイストが生み出されている。ほとんどの小文字には水平に伸びるエンディングストロークを足したオルタネートがあり、リガチャーも多少ある。1ウェイトのみ。
オランダでは9月の第2火曜日が『国際ランの日』だそうなのでこちら。繊細なモダンサンセリフディスプレイ。コントラストの強いゆったりしたサンセリフをベースに、一部にやや変わったグリフのオルタネートやリガチャーを持った、最近よく見るタイプの書体である。雰囲気は大変ゴージャスかつエレガントで、やはり高級ファッションやコスメなどの分野に似合うだろう。1ウェイトのみ。
本日『黒の日』ということでブラックレターをば。カリグラフィーではなく活字になってからのもので、多分19世紀辺りの割と新しめのスタイルのゴシック。このファウンダリーは古い書体のリバイバルを主に行っており、これもそうらしいのだが、出処は不明だそうだ。s がデフォルトで長い s になっているが、# のところに短い s も割り当てられているので使い分けが可能になっている。オルタネートじゃないのは製作年が古いせいだろう。最近 YouTube のロゴが一瞬この類に変更され、「ダサい」「パンク少年みたい」とか散々な言われようだった(笑)。日本での認識はそうかもだが、中世にはこれで聖書などを書いており、現在でもニューヨーク・タイムズなどの新聞の題字に使われたりしている。
最近別の書体も紹介した古代ギリシャ碑文系のディスプレイ。なんとも古代の香りがする美しいフレアセリフで、堂々としていながらもどこかちょっと田舎風の雰囲気漂う書体である。大文字のみで小文字はないが、当然ながらギリシャ文字をサポートしている。それどころか、現代では使う者がほぼ滅んでしまったコプト文字やルーン文字まで収録されているというかなりの変わり種。いったいどこの誰が使いこなせるのか(笑)。同時代風の記号やオーナメントが入った Symbols がファミリーにあり。名前はギリシャ第2の都市テッサロニキの現地でのニックネームだそうな。1ウェイトのみ。
由来は不明だが本日はマカダミアナッツデー Macadamia Nut Day だそうなのでこちら。繊細なモダンローマンディスプレイ。ライトウェイトのモダンローマンで、ボウルのある字はゆったり幅広、それ以外はややコンデンス気味のプロポーションである。グリフは割とスタンダードだが、オルタネートになかなか奇抜に変形したものがあるので、最近流行の変形ディスプレイとしても使える便利な仕様となっている。1ウェイトのみ。ちなみにマカダミアナッツはオーストラリア原産で、それを西欧世界に広めたのがジョン・マカダム John Macadam という人らしいのでこの名があるそうな。
本日より9月(怖)ということでこちら。ラフでかわいらしいモノラインのハンドライテン。ホントに手で書いただけの(笑)カジュアルな書体で、一部ややスクリプトっぽくなっているものの、まあただの書き文字である。全体的にほんのり左に傾いているのが特徴。カウンターやループが大きめでそこがかわいらしさを醸し出している一因だろう。q のディセンダーのループが見たことない形でおもしろい。1ウェイトのみ。
19世紀アメリカの木活字(ウッドタイプ)のコレクションカタログ。木活字とは通常の鉛の活字とは違い、文字通り木材で作られた活字である。巨大な文字は鉛だと鋳造が難しいし重すぎて取り扱いが大変なので、木材で作られたようである。ただしこれはこれで湿度により伸び縮みして活字の高さが揃わず、印刷が大変だったようだが。デザイン教育者のロブ・ロイ・ケリー Rob Roy Kelly(1925-2004)という人が集めた木活字のコレクションがテキサス大学にあるのだが、この本はそれを網羅したもの。ケリー自身が1969年に一度出版しているが、こちらはその後に集められたものも収録した完全版のようである。150種近くの書体が掲載され、400ページ以上ある。重い(笑)。
イメージ通りエレガンスな(笑)ディスプレイローマン。見ての通りオルタネートが豊富な書体で、バリエーション豊かな文字組みが楽しめる。総グリフ数は500ちょいとそこまで多くはないが、記号や数字を除くほぼすべての文字にオルタネートがあるので、結構遊べるだろう。何よりスワッシュ付きだけではない、グリフ違いのものがあるのが良い。ファミリーはオブリークと2スタイルで、さらにそれぞれにアウトライン版がある。ただいま40%オフセール中。