エレガントで遊び心のあるディスプレイサンセリフ。基本はごく普通のモノラインサンセリフだが、オルタネートにグリフにアクセントの付いた幅広のものやスワッシュ、リガチャーなどがあり、それらを自由に組み合わせて変わった文字組みが楽しめるようになっている。ただそれらも派手ではなく控えめで、全体的な雰囲気は抑制が効いてて品が良い。小文字はなくスモールキャップスだが、この手としてはめずらしくファミリー展開しており、イタリックがあって4ウェイトある。
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どことなく東洋書道の風味の強いブラッシュスクリプト。勢いは有りつつ抑制の効いたストロークを丁寧に書いており、全体的に均整の取れた端正な書体である。大文字はややコンデンス気味で、小文字には水平方向に伸びるスワッシュの付いたオルタネートがある。アップライトと、やや傾いたイタリックの2種。個人的にはアップライトがカッコよくて好きかな。
ヴィンテージ感のあるレトロなディスプレイ。ほぼモノラインのサンセリフ…かと思いきや、わずかに小さなセリフが付いており、カッパープレートゴシック風味がある。プロポーションは全体的にコンデンスで、一部の字にはちょろっとしたスワッシュオルタネートがあり、リガチャーもそこそこある。大文字のみで1ウェイトのみ。
柔らかい雰囲気のフェミニンなディスプレイ。ややコントラストのあるサンセリフで、角のある部分を極力 R を取って丸くしてある。B/P/R にはほん~のりグリフの違うオルタネートがあるが、最近流行りのデコラティブなリガチャーやスワッシュは皆無の潔い書体である。その代わりと言ってはなんだが、イタリックがあってウェイトも5つのバリエーションがある。メイク用品やトイレタリーなどに。名前は「もたれる」の意。あの「リクライニング reclining」の動詞形である。
一時期流行った、ヴィンテージ感あふれるミクスドファミリー。ぼったりしたブラッシュスクリプト、コンデンスなローマンなど7種のスタイルの書体がひとつにまとめられたファミリーパックで、これに似合うレトロなイラストやフレームなども Illustrator や Photoshop などのデータでバンドルされている。名前の通り全体的にアウトドアのテイストでまとめられており、その辺りの用途に似合うだろう。
柔らかい雰囲気の読みやすいサンセリフ。ヒューマニストとネオグロテスクの中間といった感じのスタイルで、全体的に温かみを感じる優しい書体である。特にイタリックは傾きが弱く曲線が多用されていて大変ソフト。E/K/L/R にはレッグが伸びたリガチャーのオルタネートが多数ある。字幅に4種類あり、レギュラーの他、細めの Narrow、やや広めの SemiWide、広めの Wide があり、それぞれにイタリックがあって8ウェイトで合計64種と最近では珍しいビッグファミリーである。名前は英国の小さな町のことらしい。ベイクウェルプディングやベイクウェルタルトなどのデザートが有名である。「よく焼く bake well」という名前にふさわしい(笑)。
レトロなアールデコディスプレイ。ハリウッドの黄金期にタイトルバックに多用されていた(かな?)スタイルで、大文字は C/O/Q 以外はかなりコンデンスで、小文字は小さくアセンダーが長くデザインされている。オルタネートは O にコンデンスなものがあるぐらいで、後はまったくない(笑)。その分お手軽価格なので、気軽に使えるだろう。1ウェイト。
オサレでエレガントなディスプレイローマン。コンデンスで繊細なモダンローマンで、グリフはわりとスタンダードだが、リガチャーが100種以上もあって変化のある文字組みが楽しめるようになっている。大変品のある筆者好みの書体なので、おそらく買います(買いました)。名前を聞いて中山美穂を思い出す人はなかなかの歳だろう(笑)。イタリックと2スタイルで1ウェイトのみ。
可読性のよいジオメトリックサンセリフ。カウンターが広くxハイトも大きめで、グリフのジオメトリック具合も文字としてムリのない範囲で収まっており、結構温かみのあるものに仕上がっている。g のディセンダーが c を裏返したような、Kabel のものと同タイプになっているのが特徴的。めずらしいのが、キリル文字どころかヘブライ文字をサポートしてるところ。イタリックはないが6ウェイトあり、バリアブルタイプも別にある。名前は多分ドイツ語で有限会社(GmbH: Gesellschaft mit beschränkter Haftung)の事だろう。
本品はつい先日出品されたもので、作者はロシア人。説明文に「キリル文字(ウクライナ語、ロシア語)を含む」とあり、プレゼンテーション画像に青と黄色を使っているのがせめてもの意思表示なのかな、と思う。想いの伝わる作品である。ちょっと泣きそうになった。ピース。
本日はヘイエルダールがコン・ティキ号を出港させた日(1947)である(何のことか分からなければググりたまえ)。なのでその名を持つ書体を紹介。レトロな雰囲気がかわいい、手書きっぽさを抑えた活字のようなスクリプト。ひとつひとつのグリフはスクリプトのそれだが、アップライトで全体的に統制が取れていて、あまり手書き感を感じない。大文字と小文字で字幅が大きく違い、それがアクセントになって文字列にリズムを生んでいる。製作年が不明だが、おそらくちょっと古めでグリフ数は最低限でオルタネートとかはない。そこがちょっと残念。