本日は画家ルーベンス Peter Paul Rubens の誕生日(1577)。ルーベンスといえば「フランダースの犬」、という事でネロの名を持つ書体を紹介。ボールドウェイトのおもしろ変形ディスプレイ。ちょっとだけ風変わりな太めのサンセリフをベースに変わったリガチャーとオルタネートがあり、おもしろい文字組が楽しめる。リガチャーやオルタネートはさほど多くはないが、元々がちょっと変わってるので普通に組んでもおもしろいだろう。ストロークの端が丸くなった Rounded と2種のスタイルがある。キリル文字もサポート。1ウェイトのみ。ちなみにネロの本当のスペルは Nello である…(笑)。
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本日は数学で我々を苦しめた微積分の考案者、ゴットフリート・ライプニッツ Gottfried Wilhelm Leibniz の誕生日(1646ユリウス暦)。ということで彼の名を持つ書体を紹介。スタンダードでクラシカルなフラクトゥール。元は18世紀中頃に作られた書体だそうだが、それを鋳造した Genzsch & Heyse というファウンダリーの設立年は1920年代という事でよくは判らない(笑)。まぁいいや。フラクトゥールは現代人の我々の目には読みづらいが、ドイツでは20世紀初頭までこれが標準で、書籍も普通にこれで組まれてるものが多い。s がデフォルトで「長いs」なのがちゃんとそれらしくてよろしい。”sk” などの文字並びは普通はぶつからないが、長いsだとぶつかるのでちゃんとリガチャーもある。1ウェイトのみ。
フローリッシュがかっこいいクラシカルなカリグラフィースクリプト。古いスタイルの正統派イタリックをベースに、それはそれはハデなフローリッシュを後付できるようになっており、ご覧のように非常に華やかな装飾が施せる。すべての大文字に40ものパターンがあるそうだが、組み方がちょっと特殊で、文字の後に数字を打つとオルタネートが現れるようになっている(詳しくはこちら)。それとは別に同じスタイルで装飾のない大文字のみの Serif と、それからセリフを取り除いた Sans があり。カリグラフィー好きはかなりワクワクする書体である。名前はカトリック教会の「枢機卿」の事で、真っ赤な衣装を纏っており、その事からこの赤の事をそのまま「カーディナル」と呼んだりする。
大きくゆったりしたカーブが美しいモダンディスプレイ。最近流行りの変形系かと思いきや、ボウルが閉じてないのと f がちょっと変わってるぐらいでそんなに変なグリフはない。ストロークは繊細ながらもコントラストのあるタイプ。i と j のドットがノの字のようで可愛らしい。2ウェイト。豪雨で大変な地域の皆さま、お見舞い申し上げます。もう日本中どこでも起こりうるので、皆さまもお気をつけて。
クラシカルとモダンが同居したディスプレイローマン。ブラケットの大きなやや角ばった印象のモダンローマンをベースに、ちょっとだけ変わったグリフのオルタネートを持っている。変化の仕方がカリグラフィックというかクラシックというかそういう雰囲気があり、なかなかゴージャス。19世紀から20世紀にかけて活躍したアメリカのタイプデザイナー、Morris Fuller Benton が1917年に発表した Invitation という書体を元にした、とある。ノーマルと Two の2種があるが、違いがよく…デフォルトのグリフが違うのかな? まあご自身で調べてほしい(笑)。ちなみにグラッパとはイタリア産のブランデーの事。9ウェイトある他、バリアブルもあり。
変わったグリフを持ったジオメトリックサンセリフ。基本的にはカウンターの大きめな現代的なジオメトリックだが、オルタネートに最近流行の変形モダンロマンディスプレイに近い変わったグリフを持っている。ノーマルと Display があり、Display の方はデフォルトで変形している他、オルタネートも多めにあり、ロゴやポスター、雑誌の大きな見出しなどで重宝するだろう。それぞれオブリークタイプのイタリックもあって9ウェイトずつある他、バリアブルタイプもあり。
カッパープレート風味の強いシグネチャースクリプト。ストロークのコントラストがカッパープレートのそれだが、グリフはモダンカリグラフィーのようにゆるゆるに崩れてはおらず、割りとしっかりしていて読みやすい。大文字にはオルタネートはないが、小文字に前後にちょっと伸びるスワッシュオルタネートが用意されている。総グリフ数は300足らずとこの手としては少なめだがその分お安い。1ウェイトのみ。
繊細でエレガントなジオメトリックウェッジセリフディスプレイ。普通ジオメトリックというとサンセリフだが、これはコントラストもあるセリフ書体でちょっとめずらしい。見ての通りちょっとしたスワッシュの付いたオルタネートとリガチャーが多少ある他、ベースラインからちょっと持ち上がってアンダーラインが入った小文字もある。こういった処理は母音ではよく見るが子音にもあるのはちょっとめずらしい。ウェイトは2種あるが、Bold でも結構細い。
レトロなアール・ヌーヴォーまたはヴィクトリア朝風のディスプレイデュオ。植物的なオーナメントの付いたデコラティブなローマンと、やや平たい太めのセリフドゴシックのセットになっている。ローマンの方はスワッシュオルタネートも用意されているようで、凝った文字組みが可能。セリフドゴシックの方は一見サンセリフだが、拡大しないと判らないぐらいに小さなセリフが付いている。こちらもちょっぴり植物的なニュアンスがあり、ローマンの方との相性は良い。ちなみに本日は『シャーロック・ホームズ』の作者、コナン・ドイル Sir Arthur Ignatius Conan Doyle の誕生日(1859)ということでこの書体を選んでみた。
スワッシュが豊富なソフトセリフディスプレイ。ポテッとした柔らかめのグリフとセリフが特徴的なレトロなソフトセリフに、スワッシュオルタネートが豊富に用意されている。ただスワッシュはそれほど派手ではなくちょろっと控えめに伸びてる程度なので、あまりうるさくはならないだろう。どことなくアラビア文字風味というか中東の香りがすると思ったら、作者はトルコ在住の模様。イタリックもあって9ウェイトとファミリー展開も豊富。ただいま50%オフセール中。