品の良いクラッシーなディスプレイローマン。ややコンデンスめでゆったりしたカウンターを持つグリフに、コントラスト強めのストロークで決めた書体。セリフは基本かなり小さめだが、F のビーク(くちばし)などは大きめになっているのが特徴。ご多分に漏れず、美しいスワッシュオルタネートやユニークなリガチャーが多数あり。この手としてはめずらしくファミリー展開されており、9ウェイトもあるのが魅力。ただいま30%オフセール中。
Archive: 2025
一昔前の近未来のイメージ(ややこしい)のあるサンセリフディスプレイ。ミニマムなジオメトリックのサンセリフをベースに、一部ステンシルのようにストロークを欠いてアクセントを付けている。全体的なイメージがレトロ SF な感じがあって、モダンとレトロが融合したような書体である。小文字の s がベースラインに埋まっているのが特徴。ストロークが欠けてないオルタネートがある他、リガチャーも若干あり。イタリックもあって5ウェイト。
繊細でシックなディスプレイローマン。基本はヘアラインが特徴的なややコントラストのあるエレガントなグリフで、大文字には見ての通り非常に繊細なスワッシュが付いている。グリフはちょっと変わったところはあるがそれほど変形しておらずほぼスタンダード。大文字と小文字のサイズ差が大きい Extra というタイプもあり、大文字を目立たせたい場合はこちらを使うといいだろう。それぞれにスモールキャップスタイプもある。
2005年に出版された同タイトルの増補改訂版。2008年に出版された『欧文書体2』の内容を一部加え、また OpenType やサンセリフが主流となった現代に合わせて内容を一部変更している。なにせ20年前(こわっ)のことなのでどの辺が変更されたか詳しくは比べていないが、また改めて読んでみようかと思う。とにかくヘンな欧文書体の使い方をせぬよう、デザイナーは絶対に読んでおくべき一冊である。
実は20年前には出版に合わせて小さなパーティーが開かれ、ちょうどその頃 Futura の件で御縁をいただき、筆者は参加させていただいた。まだ嘉瑞工房の髙岡重蔵先生がご存命で、結構長く話し込んで独り占めしてしまった事を覚えている。その頃はまだケータイにカメラが付いたか付かないかで、デジカメを持ってきているのが私だけだったので、ちょっとだけ写真を撮ってまだ残っていたりする。見せたいのは山々だが、諸兄に許可を取らないとアップはできない。残念(笑)。
今夜はドイツや北欧では『ヴァルプルギスの夜』と呼ばれ、魔女や悪霊を追い払うため焚き火をして聖ワルプルガに祈りを捧げる日だとからしいのでこちら。レトロなローマンディスプレイ。大文字のみのスモールキャップスとなっており、大文字にはデフォルトでスワッシュの付いたグリフ、小文字にはスタンダードな大文字グリフが割り当てられている。スワッシュオルタネートやリガチャーはそれなり。全体的な雰囲気はレトロと言えばレトロなのだが、 ’70~’80年代ぐらいの中途半端に古臭いスタイルで(笑)、今はちょっと使いづらい気もする。こういうのが好まれる日も来るのだろうか…。
優雅なフレアセリフディスプレイ。化粧品のロゴによくありそうなコントラストの付いたサンセリフで、ストロークの端がやや広がってフレアセリフタイプとなっている。変わったリガチャーやオルタネートはなく、最近としては大変素直なグリフ構成である。代わりと言ってはなんだがコントラストがやや弱まった小見出し用の Subhead、さらに弱まった本文用の Text があり、それぞれに9ウェイトある。が、イタリックがないのであんまり本格的な長文には向かない。元は普通のジオメトリックサンセリフの Circe で、端が丸くなった Circe Rounded、大きなセリフが付いた Circe Slab の3種があったが、この度このファミリーが追加になった。名前のキルケーはギリシャ神話に登場する魔女のこと。ただいま50%オフセール中。
大変優雅なスペンサリアンスタイルのカッパープレートスクリプト。ウェイトの太い部分はあるものの、ストロークの大半がヘアラインの繊細なカッパープレートで、スワッシュオルタネートが充実しており、総グリフ数は2000を超えるという非常にバリエーション豊かな書体である。カッパープレートスクリプトは繊細さが重要なので、大きくしてしまうとヘアライン部が太くなって看板などには向いてないが、これはかなり細いので大きめに使っても大丈夫だろう。太いウェイトもあるので、カードなどに小さく使うのにも使えるという優秀な書体。もうすぐジューンブライドなので(ウソでしょ…)いかがでしょうか。
これでもかというぐらいギリギリまで攻めた変形ディスプレイ。グリフがこれ以上やられたら何の文字か分からなくなるほどにまで崩されているかなり大胆な書体で、形の面白さが最優先。もう可読性はまったく無視である(笑)。ライトウェイトのモノラインなので、それで雰囲気がややシックに保たれているだろうか。ポスターなどにズガンと使うと効果的だろうけど、ちゃんと読めるコピーは別に必要かも。1ウェイトのみ。
本日はかのシェイクスピア William Shakespeare の誕生日(1616)だそうなのでこちら。レトロでぶっといゴシック風味のディスプレイ。太めのモノラインストロークに小さく鋭いウェッジ型のセリフが付き、ストロークの端がところどころ鋭いナイフのようにカットされている。説明文にはアール・デコ風とあるが、ちっともそんな感じはせず(笑)、どちらかというとブラックレターに近い。まあちょっと「いかにも」なスタイルで正直ダサい感じはするが、あと30年したら多分かわいく見える(かも)。1ウェイトのみ。
ところどころ波打って歪んだようなグリフのあるローマンディスプレイ。昨今流行っている変形系の一種だとは思うが、雰囲気はシックではなく尖ったモダンな印象。ベースライン上のセリフが跳ねた感じのノーマルと普通のセリフ状の SE というタイプがあり、それぞれで字幅や字間がやや異なり、それがオルタネートの代わりという感じになっている。リガチャーは15種ほどと少なめだが、イタリックもあり、さらにそれぞれに9ウェイトもあって計27種とファミリー多め。