本日は『哲学の日』。かのソクラテスが死刑を言い渡され、「悪法もまた法なり」と捨てゼリフを吐いて毒をあおった日だそうである(B.C. 399)。という訳で「哲学」の名を持つ書体を紹介。名に反して?ケレン味たっぷりの(笑)変形モダンディスプレイ。最近流行のこの辺りの書体だが、変形具合が他とはだいぶ異なり、モダンローマンにスクリプトのストロークをコンバインしたようになっている。オルタネートはあるが、スワッシュが付いたとかではなくグリフが異なる。全体的な雰囲気はフェミニンでエレガントなので、やっぱり大人の女性向けだろうか。1ウェイトのみ。
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素敵なスクリプトを多数発表しているマレーシアのファウンダリーから新作のアナウンスがあったので紹介。ゆったりしたカジュアルなシグネチャースクリプト。毛足の短いマーカーで書いたようなストロークでややコントラストがあり、グリフはアップライトでゆったり緩やかである。大文字には2種のグリフがあり、小文字には水平に伸びるエンディングストロークのあるオルタネートがあり。1ウェイトのみ。
ややコンデンスでダンディなオールドスタイルローマン(トランジショナルかも?)。「ネオクラシカル」をうたっており、確かに普通のオールドスタイルとはちょっと違うなという雰囲気はある。通常セリフは外側に対して沿って凹んでいるが、これはやや膨らみ気味である。可読性もよく、狭い空間に小さく組む新聞などで本領を発揮するだろうが、大きくディスプレイで使ってもカッコいいだろう。キリル文字もサポート。イタリックもあって10ウェイトで、Semi Bold だけデモ版が用意されており、無料でダウンロード可。
アメリカンヴィンテージ風味のあるディスプレイ。やや拙いレタリング風味のグリフで、小文字はなくスモールキャップス。大文字のグリフにはちょっとしたスワッシュがあり、小文字の方には特に飾りのないシンプルなグリフが収まっているが、代わりにリガチャーが多数ある。スタイルに、ノーマルな Regular、アウトラインがやや歪んだ Rogh、フィルが荒れた Stamp がある。まあ大体 Stamp を使うだろう(笑)。それぞれ1ウェイトのみ。
スワッシュに葉っぱが付いた変わったディスプレイ。基本はコントラストの強いモダンなサンセリフディスプレイで、見ての通りスワッシュオルタネートが豊富にあり、そのスワッシュに植物の葉のモチーフが付いてツタのようになっているのが特徴。スワッシュには短いものと派手に暴れてるものが数種あるようだ。他にも変わったリガチャーが少しあり。1ウェイトのみ。
なんとも分類しようのない、ヴィンテージ感のあるディスプレイ。曲線を多用したオーガニックなグリフが特徴で、アール・ヌーヴォー風味もあるだろうか。全体的にはほぼモノラインで、ウェッジ型の太いセリフが付いている。小文字はなくスモールキャップスだが、ただ小さくしたのではなく、縦にちょっとプロポーションが縮んでいる。オルタネートやリガチャーは皆無。あるとちょっと楽しそうなので、バージョンアップに期待。1ウェイトのみ。
繊細なローマンとブラッシュスクリプトのデュオ。ローマンの方はいわゆるステンシルタイプであちこち欠けており、ただでさえ軽いウェイトで繊細なので、消え入りそうな感じになっている。グリフは全体的にややコンデンスながらスタンダードで、g 以外は特に変わった所はない。スクリプトはよくあるモダンカリグラフィーに近いもの。両者ともオルタネートはなくごくごく素直な作りになっている。ローマンの方はイタリックもあり。
端正なシグネチャースクリプト。これまで多くのこの種のスクリプトを紹介してきたが、これは中でもかなりガチ度が高く、本当のシグネチャー(署名・サイン)に近いタイプである。様々なグリフが収められているが、なぜか1つに収めず6つに分かれている。が、もちろん全部セットで購入した方がいいだろう。気に入ったものが組めたら、自分で実際に練習して書けるように練習してみてもいい。かなり実用的。ただいま50%オフセール中(筆者は買いました)。
ハイコントラストなセリフディスプレイ。大きなスパイク状のセリフの付いた現代的なローマンで、スタンダードなグリフの他、オルタネートに最近流行の変形したグリフが入っており、標準的にも、目を引く奇抜な文字組みにも対応可能。幅が3種類ある他、コントラストが弱くなったバージョンもあり、それぞれにイタリックがあって9ウェイトで計108種もあるというかなりなビッグファミリー。その他にバリアブルタイプもあって、それひとつで全部(イタリックも?)包含している模様。ただいま50%オフセール中。
英国風味のあるヒューマニストサンセリフ。カウンターが大きめで読みやすくなっていながら、なんとも端正で非常に品の良いサンセリフである。スモールキャップスほか様々揃ってグリフ数は800以上もあって、本文用として十分である。エリック・ギルを毛嫌いして Gill Sans を使うのに抵抗がある人はこちらを使えばいいだろう(ちなみに筆者はまったく気にしない・笑)。英国風味とは言ったものの元は’50年代アメリカの看板のレタリングにインスパイアされたとある。名前はそのデザイナーから取ったそうで、別に椎名林檎のファンではなさそうである(当たり前だ)。2015年TDCエクセレント賞受賞。イタリックもあって6ウェイト。